七つの仮面 金田一耕助ファイル14 (角川文庫)
- 角川グループパブリッシング (1979年8月23日発売)
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感想 : 39件
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041304662
作品紹介・あらすじ
あたしが聖女? 娼婦になり下がり、殺人犯の烙印を押されたこのあたしが。でも聖女と呼ばれるにふさわしい時期もあった。上級生りん子に迫られて結んだ忌わしい関係が一生を狂わせたのだ――。
みんなの感想まとめ
愛と憎しみ、欲望が絡み合う猟奇的な事件が短編形式で描かれる本作は、1944年の時代背景を持ちながらも、現代の読者にも響く深いテーマが盛り込まれています。金田一探偵は、これまでの探偵像とは一線を画し、時...
感想・レビュー・書評
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杉本画伯のカバー画で読む金田一探偵シリーズを事件発生順で読む祭り継続中。時代は1944年くらいの短編集。さすがにこの時代設定になるとマンションにもエレベーターがつく。エアコンはまだ普及していないが、ヨレヨレのかすりと袴姿は目立つだろ。
今回も愛と憎しみと欲からくる猟奇的事件が発生。これまでは金田一探偵はあいかわらず解決までは行かなくとも終了させることが多かったと思うのですが、今回驚くのは犯人を破滅させるエピソードがあることです。探偵は警察じゃないから逮捕はしないし、裁判官じゃないから量刑もしないけど謎や動機を暴くに徹しなければならないが、方法がもう犯罪すれすれというか黒に近いグレー。なんならアウト。やばくね?40代後半の金田一氏もこういう域に達してきたかと感慨深くもあります。こういうダークな感じもこのシリーズの魅力になっているのかもしれません。この後、墓穴をほって探偵が断罪される窮地に陥るなんて展開の作品があったら面白いかもと妄想して楽しんでます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編が七作品。“例によって例のごとく”の金田一。シリーズの読者だからこそ楽しめるノリだと思う。ゲスなお話はこれくらいさらっと書かれているのがちょうどいいかな。
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『七つの仮面』
聖女と呼ばれて無邪気に育った美沙。彼女が上級生・りん子に迫られて結んだ関係が人生を大きく変える。心に仮面を被りながら、男たちを弄んでいく美沙の身に起きた事件とは?!
タイトルの意味を知った時のぞわっと来る感じがすごい。七つの大罪と重ねたテーマを、仮面というモチーフで短編ミステリとして描くのが上手い。見抜いていると確信している時ほど、見抜かれている。仮面では本性までは隠せないのだから。
『猫館』
元々はいかがわしい写真館だった家を借りた女占い師。ある時、血に濡れた猫が彼女の死を知らせる。警察の調査に同行した金田一耕助はさらなる死体を発見して──。
死体発見時の状況が悲劇的でそれが一番つらかった。子どもや猫という何の罪もない存在が巻き込まれるのが悲しい。いかにも怪しい女占い師に、館にまつわる忌まわしい歴史。うず高く積み上がった罪が連鎖する恐ろしさが味わえる。
『雌蛭』
「聚楽荘の一室に行き、ハンドバッグを取ってきてほしい」謎の女からの電話依頼によって、金田一は変装して部屋へ赴く。するとそこには顔と体を硫酸で焼かれた男女の死体があって──。
変装をした金田一が謎の渦中へと飛び込むドキドキ感が味わえる。事件発生を知っているのに、何食わぬ顔で警察と合流するのは笑った。今回は他シリーズにも登場する多門六平太(修と同一人物?)が活躍する話になっている。ちなみに、蛭は雌雄同体っぽい。
『日時計の中の女』
いわくつきの邸宅を購入した作家の田代裕三。妻の啓子はそこで起こった過去の事件に端を発し、現在の人間関係に病んでいく。そんなある日、庭の日時計の中から見つかった女の死体によって日常はさらに壊されていく。
どこかで見た覚えがあるアトリエの造り(壺中美人?)でドキッとする。他にもこれは!というキーワードが飛び出すのが面白い。と言いつつ、日時計の中の女のインパクトよ!事故物件がすぎる。これは何もなくても精神を病んじゃう。物件を売り抜けた鶴代が一番ラッキーだったのでは?それにしても、ある人物がとった行動の動機。真相はどちらなのか──すべては闇の中。
『猟奇の始末書』
昔馴染みの画家・三井参吾の招待で別荘を訪れた金田一。三井はそこから見える天井のない洞窟を覗いては、訪れるカップルを射かけて驚かすという猟奇的な趣味を持っていた。すると、その洞窟から胸に矢が刺さった女の死体が見つかって──。
三井が射た矢が殺したのか?!しかし、矢は下側から突き刺さっている。不可解な状況から導き出される無情な結論。中学の同窓生が集まる別荘で起きた猟奇事件の始末は切ない。
『蝙蝠男』
受験生の由紀子は向かいに建つ日月荘の部屋の窓に不審な影を見た。蝙蝠男が女性を刺し殺したのだ。その後、その部屋に住む女性がナイト・クラブへ届けられたトランクの中で死んでいるのが発見されて──。
受験勉強中にこんな現場を目撃したら勉強どころじゃない!あと、夏場の刺激的な風景もよろしくない(笑) 彼女の証言で一気呵成に事件解決へと進むのが鮮やか。さらに金田一の粋な計らいも素敵だった。
『薔薇の別荘』
女傑・吉村鶴子の“薔薇の別荘”に集められた関係者たち。鶴子は何かを発表しようとしていたが、密室で扼殺されて発見された!その近くには怪しげな男の姿が──。謎の手紙で呼び出された児玉健の正体とは?!
人間という薔薇には棘がある。美しいと思って触れれば傷ついたり、傷つけてしまったり…。そんな中で心の棘を抜いてくれる誠実な存在もいるのだ。そのことがやさしさを連鎖させていく。ミステリの仕掛けもありながら、人情味あふれる読後感がいい物語。幸せになってほしい。
それにしても、短編なのに登場人物が多いのにびっくり!あと、「妻のやす子も夫と似たりよったりの女で、数珠でももたせておけば似合いそうである」は書き手の悪意を感じる(笑) -
金田一耕助シリーズ。
「七つの仮面」聖女の首(胸像)モデルの人生転落。
「猫館」(写真館,占師殺害)「日時計の中の女」(ミイラ)も面白い。 -
短編集なので読みやすかった。
どれも女性が関連している、ドロドロした話だった。
面白かったけど、もやもやする話もいくつかあった。
数年に一回読みたい小説かもです(笑)。 -
表題作を含めて、7編を収録した短編集。
各篇、ドロドロした痴情の縺れが展開されて、毒気にあてられながら読んだ感じです。
ただ謎解きが、ラストで唐突に解決。というパターンが多い印象でした。 -
金田一耕助シリーズの短編集で、タイトルの「七つの仮面」を含む計7編のミステリー作品から構成されておりました。
どの作品も結末が尻切れ的で、若干スッキリしない結末の作品が多かった感じがします。
やはり金田一耕助シリーズは中長編が読みごたえがあるような気がします。 -
1944年?短編集。再読。
蝶よ花よと育てられミッションスクール(昭和のね)に入った美沙。そこで醜い先輩りん子と関係を結び、どんどん転落人生。愛欲に負けてしまったというか、溺れるほど元気だったというか。
当時はドキドキしながら読んだものだが・・・・。おそらく横溝正史を初めて読んだ。
緑ヶ丘は目黒区なのかぁ。
連続殺人起こるのだが、ハッピーエンドになればすっきり、って感じ?探偵が解決=ハッピーエンド、っていいな。 -
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金田一耕助シリーズの短編集。七篇も収録されているためどれもさくっと読めてしまう。色々なパターンのお話が読めるけれど、物足りない印象のお話が多い。
とはいえ、「雌蛭」では金田一耕助の滅多に見られない姿が描かれていたりで面白かった。この話がこの本では一番のお気に入りでした。 -
どの話も女が怖い。事件解決は大体最後の1ページ。事件周辺の描写が多いので、陰惨さと取り巻く人の動きを楽しむもの。金田一はトリックを暴いて帰るいつものパターン。
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短編集。
そこまでおどろおどろしくはない殺人事件たち。
推理パートが短くなんか決定打にかける終わり方が多い。
本格ではあるが、他の人が犯人でもよさそうな事件ばかりな気がする。 -
2016.10.30
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途中まで短編だと知らずに読んでいた。
七つの仮面、猫舘、雌蛭、日時計の中の女、猟奇の始末書、蝙蝠男、薔薇の別荘の短編集でした。
短編なので、横溝作品のおどろおどろしさやひっくりかえす躍動感はないですが、まぁまぁ楽しめました。
金田一が洋服を着ます!!
今まで読んできた八ツ墓村や夜歩くは地方を舞台にした作品で、
田舎の因習や血縁の因縁を軸としたものだったので、
世界観ががらりと変わりこういう作品も書くのだなと 思いました。 -
金田一ジッチャンの方の事件簿、短編集。
金田一の短編は「起承転結」よりは「序破急」の構成が多く「急」の急ぎっぷりがハンパない。
金田一が寒村に出かけることが多い長編では、古くからの因習に纏わる「起承転結」をじっくり楽しめるが、短編では展開が急な代わりに、昭和前半の都市部の生活や風俗の描写が楽しい。
戦後、復興した都市に流入した様々な背景(身分や貧富の差など)を持つ人々が巻き起こす奇妙な事件が中心となるかんじ。 -
いつか。。。
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この作品で、角川文庫の横溝正史作品は完全制覇となった。
金田一耕助が活躍する七編が収められた短編集である。いずれの短編もドロドロした男女の関係が事件を引き起こし、飄然と登場する金田一耕助が事件を解決する。長編となると、さらに家の因習やらが入り混じり、ドロドロのおどろしい展開となるのだが、短編となると意外にあっさりしたものである。
昭和初期を舞台にした探偵小説。何よりも金田一耕助の人物像が良い。
中学時代に金田一耕助シリーズが映画化やドラマ化されると欠かさず観ていた。その頃から横溝正史の作品を読み始めたと記憶している。大半の作品は高校時代までに読み終えていたのだが、何故かこの作品だけは未読だった。 -
御存知、名探偵・金田一耕助の活躍する短編集。表題作「七つの仮面」は他の選集で金田一ものではない短編「聖女の首」として既読。小説としては「聖女の首」の方が面白かった。ただ、金田一耕助が登場すると何か微笑ましく嬉しくなってしまうのだ。それぞれの短編に人間関係や登場人物の性格に似通った点があるのは多作故のご愛嬌か。エログロ要素が多めなのは時代の需要だろう。ともかく、冷徹なまでの人間観察と温かな慈愛の目が混ざりあう横溝の語り口はリズムがよくついつい先へと読んでしまう。変装したり、粋なプレゼントをしたりする金田一の姿が見られるのも見所。
著者プロフィール
横溝正史の作品
