- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041304686
作品紹介・あらすじ
あの島には悪霊がとりついている――額から血膿の吹き出した凄まじい形相の男は、そう呟いて息絶えた。尋ね人の仕事で岡山へ来た金田一耕助。絶海の孤島を舞台に妖美な世界を構築!
感想・レビュー・書評
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最後の盛り上がりを詳しく書いて欲しかったけど、全体的に最後を集中して読めたのはよかったと思う。
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悪霊島
第十六章 人と犬
第十七章 噫無残
第十八章 蓑と笠
第十九章 もしも烏が騒がなかったら
第二十章 鵼のなく夜に気をつけろ
第二十一章 弾劾
第二十二章 隠された二枚の手紙
第二十三章 シャム双生児の秘密
第二十四章 墓を暴く
第二十五章 紅蓮洞
第二十六章 女郎蜘蛛
第二十七章 地底の対決
第二十八章 雲隠れ
エピローグ
野性時代 1979年1月~80年5月 -
ミステリって読んでるうちに「こいつが怪しいな!」って目星をつけるじゃないですか。で、それがひっくり返されるのが楽しかったりするじゃないですか。でもこの話はそういうのがないのでそこは拍子抜けするかもしれないですね。ただ孤島のおどろおどろしい雰囲気はめちゃくちゃ好きです。
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「横溝正史」の最後の長篇推理小説『悪霊島』を読みました。
「横溝正史」作品は2008年9月に読んだ『本陣殺人事件』以来ですね。
-----story-------------
昭和42年。
「金田一耕助」は、瀬戸内海に浮かぶ刑部(おさかべ)島に再開発計画を持ち込んでいる島出身の億万長者「越智竜平」の依頼により人捜しをするため、島がある岡山県にやって来ていた。
しかし捜していた男は、海で瀕死の状態となって発見される。
「金田一」は友人である岡山県警の「磯川警部」から、男の最期の言葉を録音したテープを聴かされる。
そこには「あの島には恐ろしい悪霊が取り憑いている…腰と腰がくっついた双子…?の鳴く夜は気をつけろ……」という不気味なダイイング・メッセージが録音されていた……
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舞台となっている刑部(おさかべ)島は、岡山の水島沖にある島で、水島の他、倉敷や玉島、児島、井原、下津井、鷲羽山等も舞台となるし、登場人物が岡山弁を話しているので、場所が容易に想像でき、入り易い作品でした。
それにも関わらず、読んでいて、なんだか疲労感を感じる作品だったのも事実。
閉鎖された空間(本作品は島)での濃密な人間関係、
快楽を求めるが故のドロドロとした愛憎関係、
猟奇的な殺人事件、
戦中戦後のどさくさによる混乱、
等々、「横溝正史」作品の定番テーマが盛りだくさんというほど盛り込んである作品なのに、、、
なんでかなぁ… 推理要素が稀有だったことや、島の自然(洞穴や崖、谷等)や事件の背景が作り物っぽくてリアリティがないこと、それにドロドロした愛憎関係が濃すぎて、ちょっと嫌悪感を感じたのが原因かな。
映画では、シナリオが端折ってあったせいか、そこまでイヤな感じはしなかったんですけどね。
ということで、上下巻で700ページ近い作品でしたが、読後の充実感がなかったなぁ。残念。
「金田一耕助」シリーズの最後を飾る作品としては、ちょっと淋しかったですね。 -
晩年の作品と聞く。双生児と孤島、洞窟などシリーズの世界観に悉く魅了された。警部の身の上話に踏み込むなど、人間描写も氏の集大成だったのではないか...真犯人は誰であれ、残された者の純朴さと溌剌とした生命力が本シリーズの核心と次世代への望みではなかったか... -
探偵防御力が低いと言われる金田一だが、今回はけっこう被害を防いだのではないだろうか。犯人は…まあ順当な結末。
著者プロフィール
横溝正史の作品






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