大迷宮 (角川文庫 緑 304-88)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304884

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  • 横溝正史の子供向け探偵小説。シリーズで言えば、金田一vs怪獣男爵シリーズ。

    ある日電車の中で見かけた、サーカスから逃亡している少年が、雨の日に助けを求めた洋館にいた?それどころか、他の見世物に出演していたり、謎が深まるのだが、実は事件を解く鍵を持っている…。

    昭和ロマンの結構古いネタ使い(サーカス、見世物、不気味な洋館、アドバルーン等)がたくさん散りばめられているのが、子供向け小説らしい魅力なのだが、「そんなことあるかい」となってしまう大人には評判の悪そうな話である。

    実のところ、タイトルの「大迷宮」は地下迷宮物の名作「八つ墓村」に較べてもぼんやりと、しかもスペースかアイデアが尽きたか、一瞬しか描写されないので、冒険小説好きの欲求不満もあるかもしれない。

    また、横溝正史の子供向け小説の敵役によく登場する「怪獣男爵」は、見た目をはじめ、まったくもって人間味がないというか、魅力がないのも難点だ。

    とはいえ、講談調のペースもうまくハマっており、小学校中学校くらいで読めば、どんどん先を読まずにおれない文体やストーリー展開の魅力に溢れた作品でもある。まあ、子供向けの佳作。

  • 金田一耕助シリーズ。

    金塊が隠された大迷宮の秘密を握る三人の少年。怪獣男爵と金田一耕助の対決。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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