筒井康隆全童話 (角川文庫 緑 305-12)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 84
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041305126

感想・レビュー・書評

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  • 童話風のひらがなを多用した表記だが、中身は筒井流のブラックな物語に仕上げられている。遠い宇宙からやってきたケイ素生物の力で、西郷さんの銅像や鎌倉・奈良の大仏などが動き出す「地球は おおさわぎ」が楽しい。「三丁目が戦争です」で、高度経済成長期に造成された団地と、マイホームの夢を叶えた住宅地の住民同士が、女子と男子の些細なケンカがもとで、ダイナマイトまで持ち出される戦闘へとエスカレートしていく心理描写は著者の真骨頂と言える。

  • 【童話ってこういうもんだった】

    童話って世の中の生きづらさや矛盾やくだらなさを子供に分かりやすく教える方法だと思う。

    その点では評価できる。ただ、テーマが似たり寄ったりで捻りがない。面白いが面白みには欠ける。

  •  初版が昭和51年だから、ほぼ40年前に発表された文庫。
     文庫に収まる前にどこかに発表されていたのだとしたら(多分そうだろう)40年以上前の作品を集めた文庫ということになる。
     現在では自粛されている差別用語も出てくるし、皮肉なことに「てんかん」に関する表現もある。
     全5編のうち、4編は読んでいて退屈だった。
     問題は残りの1編、最後に収録されている「三丁目が戦争です」。
     これが面白い。
     使われている字が殆どひらがなだったり、文章が子供向きだったりと、童話を意識して作られてはいるのだろうけれど、いつものスラップスティックな筒井ワールドを築くことが出来そうな内容になっている。
     童話なんてもともとは残酷なもの、と言えそうだが、小さな子が読んだらトラウマになりそうなシーンもあるし、その点を考慮してエンディングを二つ用意するといったメタ・フィクション的な手法を取ったりもしているし、前の4編とは雲泥の差。
     この「三丁目が戦争です」だけなら星は4つでもおかしくないんだけれど、残りの4編があまりにもつまらなかったからなぁ。
     残りの4編だけだったら星は2つ、だから真ん中を取って星を3つにした。

  • 童話って、子供向けなのに意外と残酷な描写があったりしますよね。子供向けなのに、と言うより、子供向けだからこそ、って言うとこもあるのかしら。

    それにしたって、いつもの筒井節に比べれば甘口な方だなーと思いながら読み進めると、最後の最後で氏らしいメタオチがあって満足(笑)。

  • 童話というタイトルだけれど、これは絶対にブラックな感じなんだろうな、と思ったのだけれどもブラックというよりヘン……?
    良い言葉が出てこないので思い付いたら言葉を替えたいと思います。

    ちょっと適当では、と思わせるような巨大化ネタがふたつ。
    どちらも東京タワーを抜いてラーメンのようにぐにゃぐにゃにするという共通点にも笑う。

  • 何を思ってこんな表紙にしたのか、編集どうなってんだ?

  • 童話集。全五作のうちの四作のやる気のなさは異常。まあこの辺は御大のやる気のなさを楽しめばいいのではないだろうか。最後の『三丁目が戦争です』だけは力が入っている。教訓めいた終わり方には捻りがあり、戦争観を上手く読者層、子供に伝えられているように思う。

  • 昨日のバイト前に中古で買ってサラッと読了。最近こういうサラッと読めるものを求めてたのでばっちり。中身は5編。

    昭和51年の文庫。定価180円。
    ・かいじゅうゴミイのしゅうげき
    ・うちゅうをどんどんどこまで
    ・地球はおおさわぎ
    ・赤ちゃんかいぶつベビラ!
    ・三丁目が戦争です

    童話のように書いてるけど、当時の社会状況のパロディ。

  • 「かいじゅうゴミイの しゅうげき」
    「うちゅうを どんどん どこまでも」
    「地球は おおさわぎ」
    「赤ちゃんかいぶつ ベビラ!」
    「三丁目が戦争です」

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著者プロフィール

筒井 康隆(つつい やすたか)
1934年大阪市生まれ。日本を代表するSF作家の一人と目され、小松左京、星新一と並び「SF御三家」と称されることもある。
1981年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1993年に断筆宣言を行ったことは大きな話題になった。1996年断筆解除後には、2000年『わたしのグランパ』で読売文学賞、2010年に第58回菊池寛賞、2017年毎日芸術賞をそれぞれ受賞。2002年には紫綬褒章も受章している。
代表作のひとつ『時をかける少女』は度々映画化、アニメ化され、多くの読者に愛される。ほか『日本以外全部沈没』、『文学部唯野教授』、『旅のラゴス』、『残像に口紅を』などは機会あるごとに話題となり、読み返されてきた。

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