農協 月へ行く (角川文庫)

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  • 角川書店 (1979年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041305140

みんなの感想まとめ

多様なテーマが展開される短編集で、奇想天外なストーリーが織りなす世界は、時に不快感を伴いながらも深い印象を残します。各短編は、エログロナンセンスや社会の暗部を描き出し、登場人物たちの愚劣さや悪行を通じ...

感想・レビュー・書評

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  • さすがにどうだろう。。。
    エログロナンセンスってわかっていても自分の感覚ではちょっときついなぁ。

    農協、月へいく
    傍若無人、まるでどこぞのタチの悪いギャングの様な「農協」の一団。客の奇行により既にメンタルブレイクを起こしている宇宙船船長と月で出会ったのは、、、、
    老人の醜悪を描く筒井らしい短編だった。

    日本以外全部沈没
    日本以外が、ほぼ海に沈み絶対的な立場を手に入れた日本人。外国人を蔑みいい気になっているが。。。
    壮大なテーマから、身近で下世話な話で終始した箱庭感が凄い

    経理課長の放送
    現場の人間がストライキを起こしたため管理者達が自前でラジオ放送をしたため、てんやわんやしていく話。
    現場の人間を軽くあしらってはいけない。

    信仰性遅感症
    特異体質のシスターが。。。。
    この話も品がないなぁ。

    自殺悲願
    自殺した作家の本は売れる。それを聞いた売れない作家は。。。
    オチが一瞬で読めてしまった。

    ホルモン
    なんとなく事実も混じっているのか?と思ってしまう。たまにある年表ものの様な作品。

    村井長庵
    これは、酷すぎる。
    極悪医者、村井長庵がありとあらゆるものを犯すストーリー。

    これ、発禁にならないんだ。
    映像化は絶対にしてないし、無理だしする必要ないよね。

  • 筒井康隆の奇想が炸裂した短編集。すでに読んだのもあるが、やはり表題作の「農協月へ行く」は素晴らしい。特に田舎者の会話がすごくリアルで今読んでも全く古びていないのに驚いてしまった。それ以外にも田舎者特有のノリや下ネタ、親戚の動向を気にする見栄など、細部に至るまで描写は丁寧である。

    「信仰性遅感性」は全ての感覚が半日遅れでやってくるという設定を禁欲的なシスターと合わせて意地悪くこねくり回した短篇である。ギャンブル狂いの関西弁のファーザーが実に筒井キャラらしくて非常に良い。ある種の上品さやお行儀の良さなどをあざ笑い、人の本性や下劣な様を眺めて楽しむ悪趣味ぶりが極まっている。

    「自殺悲願」は世にも奇妙な物語でも取り上げられた作品だが、非常にスラップスティック。オチのあっけなさも含めて非常にまとまりのいい短篇だろう。「村井長庵」の主人公である長庵もまた筒井キャラらしい欲望の権化で、その肉欲に対する執念はおぞましさを通り越してシュールな笑いを帯びている。犯罪者で逃げ延びているわけなのだが、その強烈なキャラクター性が彼を取り巻く物語の奔流に負けておらず、徹頭徹尾お銀という女を手篭めにできるかどうかにその執念を傾けており、物語がキャラクター個人の欲望に競り負けているのだ。

    あとがきで、筒井康隆が自分の小説の世界観を要約した文章が載っているのだが、これがたまらなく素晴らしい。あとがきにある通り、筒井康隆を嫌う人間はその下劣さやあさましさの描写を嫌悪するわけだが、どう否定しようが現実はあさましいもので、そこから出発しないと、奇想天外な飛躍はできず、真実には決してたどり着けない。

    ーー人類はみな平等。愛。「わたしは嘘を申しません」。性善説。「戦争はご免だ」。まごころ。先人を敬おう。不幸な人に愛の手を。こういうものはみんな嘘であり、それを嘘と認識したところからドタバタでスラップスティックなハチャメチャSFは始まる。/人間は差別が好きで、肉欲に生きていて、嘘をつかねば生きられず、悪いことばかり考える。戦争は大好きである。平和運動は戦争の第一段階だ。裏切りこそ繁栄につながり、老人を馬鹿にし、早く死ねと思い、不幸なやつがいるため自らは幸福だといって喜ぶのである。この真実を、今やSF以外の文学は、描こうとしない。否、描けない。自らがそうした虚偽の中に取り込まれてしまっているからだ。ただ一つ、下等にして半気ちがいで、嘘つきと思われていて、そして何ものからも自由な、ドタバタ、スラップスティック、ハチャメチャSFのみが、この真実を描き得るのであるーー

    あらためて読むことで筒井康隆の毒舌と奇想っぷりに酔いそうになった短編集である。

  • 性的なシーンが多いので、読み手を選ぶかと

  • 「農協月へ行く」
    農協のおかげで宇宙人との第一接触は犠牲者ひとりに収まるし
    宇宙に神がいなくたって月に神社ぐらい建つだろう
    むかつく

    「日本以外全部沈没」
    日本以外全部沈没した世界の片隅で
    もはや人類に綺麗事いってる余裕はなかった
    人間を冒涜している

    「経理課長の放送」
    全編放送事故
    ひどい

    「信仰性遅感症」
    宗教とは暗示である
    ろくでもない

    「自殺悲願」
    自殺しようとするのに死ねない小説家の話
    三島由紀夫の「命売ります」に似ている…しかも美しくない

    「ホルモン」
    失敗を繰り返しながらもホルモン注射で進化の道を歩む人類の歴史
    神を冒涜している

    「村井長庵」
    勧善懲悪の時代劇
    サイコパスの欲張り爺さんが無責任な暴君として島に君臨するが
    やりすぎて自滅する
    しかしこの世はやったもん勝ちやぞ、ってこのバカ!

  • 筒井康隆ワールドは、まさに奇想天外。7短編それぞれパターンが異なるが、どれもここまで書いていいのかと思うような思わずいやな感じがする愚劣さや悪行を描く。タブーに挑戦して本来表にださない人のもつ悪魔的な面を出した様子を描いている。

  • 有名な「農協月へ行く」がやっと読めた。おもったより大暴れしてないのね。
    「村井長庵」もひどくておもしろかった。

  • 短編集だが、今書いたら炎上しそうな話ばかり。全話女を犯す描写あり、若干マッチョイズムも透けて見えるか。話自体のおもしろさはそこそこ、農協のが比較的あたりだった。

  • コミック「すすめ!!パイレーツ」でこの作品のとあるシーンが描かれていることを知り感動した記憶が…。以来すっかり筒井康隆の虜になってしまった。

  • まあ毒の強い短編集だった。
    『村井長庵』なんて酷い話だ。
    村井長庵は歌舞伎に出てくる悪人で、元ネタでは江戸で捕まって処罰される。
    これは、上手いこと逃げられたらその先でどんな悪事を働くかという作品です。
    筒井さんは『笑犬樓よりの眺望』で歌舞伎の話もしていたので結構歌舞伎も好きなんだろう。
    意外でした。

  • 【自殺が自死なんて簡単な言葉になったら】

    マイナスな方へグイグイ引っ張られてしまって頭が痛い。筒井さんの話は好きだけれど理解には程遠くて、星さんが読みたくなる。

  • 配置場所:摂枚文庫
    請求記号:913.6||T
    資料ID:95970289

  • よくこんな、めちゃくちゃな性格の人物を作れるなあと。ブラックすぎて刺激がつよすぎだっ

  • 筒井康隆は色んな色を持っていてすごいなぁ。

  • 面白可笑しい短編小説集。
    笑いにあふれている作品ですが,
    かなりブラックユーモアがきいています。
    人間の欲,特に日本人の欲について,
    外の作家が書きたがらない,本音の本音の部分をガンガン書いておられます。

  • 「経理課長の放送」
    「村井長庵」:ある問題が発生したときに、人は根本原因ではなく、根本原因が表出する要因を叩く

  • こういうくだらない話はやはり筒井康隆じゃなくちゃ。と思った次第。

  • 2011.11.3(木)¥157。
    2011.11.6(日)。

  • 農協ってなんなの?

  • 筒井康隆の引き出しの多さが遺憾なく発揮されたスバラシイ短編集。
    非道徳なお話もありますが、思ったほど酷くはないです。
    筒井先生のイカれた話をもっと読みたいなぁ。
    探し甲斐がありそうです。

    11.07.23

  • 奇才爆発です。この内容が真髄か?

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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