時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

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  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041305218

作品紹介・あらすじ

放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。このにおいをわたしは知っている-そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床にたおれてしまった。そして目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始めた。思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。わたしたちの胸をときめかせる永遠の物語もまた時をこえる。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的筒井康隆強化週間。
    中学生の少女が、学校の理科実験室で、ラベンダーの香りを嗅いで意識を失う。その後、テレポーテーションとタイムトラベルを経験してしまう。そして、彼女はその真相を追う。
    映画化、アニメ化、ドラマ化多数。
    私的には、原田知世さんの映画のイメージが強いかな。ふんわり清楚な少女の初恋がね、良いねと。
    世代ごとに「時をかける少女」のイメージがありそうですが、原作はいたってシンプル。このシンプルさが次の作品に続くのかな。

    • Manideさん
      おびのりさん

      連続、筒井さん作品ですね!!

      筒井さんはもう90歳に近い方なんですね、全然知りませんでした。
      旅のラゴスしか読んだことあり...
      おびのりさん

      連続、筒井さん作品ですね!!

      筒井さんはもう90歳に近い方なんですね、全然知りませんでした。
      旅のラゴスしか読んだことありませんが、ファンタジーとかSFをほとんど読まないので、あまり接点がなかった感じですが、この作品もそうだったんですね。

      先日、テレビでアニメ映画放映していたのをみたので(もう5回ぐらい観てる気分)、ちょっと驚きました。
      原作も細田守さんだと思ってました。

      と、勝手なひとりごとになっていますが、驚いたのでコメントしちゃいました…
      2022/07/02
    • おびのりさん
      Manideさん こんばんは。
      いつもいいねありがとうございます。
      コメントもありがとうございます♪

      はい。そうんなんです。何処かでまとめ...
      Manideさん こんばんは。
      いつもいいねありがとうございます。
      コメントもありがとうございます♪

      はい。そうんなんです。何処かでまとめて、再読しようと思っていたのですが、ついにです。
      タイムトラベラーというテレビドラマを知って、(原作が時をかける少女)学校図書室の本くらいしか読んでいなかった当時の私は、それはそれは、衝撃を受けました。笑。そして、原作があることを知り、
      そこからしばらくは、SFの世界へ。
      SFを教えてくれた、ありがたい作家さんです。そして、筒井康隆さんは、ドラマ化された作品に、ちょこっと出演するのが好きな方でした。
      読みにくい作品もありますが、今回再読した5冊は、印象的な作品です。
      2022/07/02
  • 時をかける少女は、掃除のあと理科室で貧血を起こして保健室に運ばれる。この話、時をさかのぼり再現することで一回目の場面と二回目の場面とあるいは三回目の場面が変化し交差するところにハラハラさせられてしまう。最後は、ラベンダーの香りのもたらす記憶がなんなのかは、具体的にはいっさいわからなくなる。記憶を消されるのだ。それでもごく淡い幻想をラベンダーに感じてるので、そのうちどこかのラベンダー畑ででも再会するのだろう…

  • 作品自体が時間を飛び越えとるやないかっxxx!
    原作の始まりが1965年というのがすごい。半世紀以上も愛されている物語。

    『時をかける少女』
    こういうお話だったのか、とようやく知ることができた。
    ずっと積読していた。映画もドラマも漫画にも触れることなく、ただ印象的なタイトルだけが頭に残っていた。

    おい、深町一夫くん、否、ケン・ソゴル様。
    あなたの持ってる時間止めるラジオみたいなそれを私にください。あんまり変なことには使わないのでどうか。どうか。

    私も青春時代へタイムリープしたい。
    あー甘酸っぱい!

    読了。

  • 言わずと知れたタイムトラベル物の古典となった本作。やはり原田知世主演の大林宣彦監督作の映画が印象深い。
    そういう世代だから、現在のカバー画になっている細田守監督作のアニメ版は「今さら再アニメ化してもなぁ」くらいの気持ちで見て、その完成度の高さに驚愕した。見事に現代にアップデートされていて必見です。
    特に、アニメなのに、カメラワークが良い。物語終盤、主人公が現場に向かって走るシーン。走る主人公をカメラ車が横からとらえる。走り疲れてカメラ車から遅れ、次第にフェードアウトしてしまうが、大事な人を守りたい一心から、少女は再び画角にフェードインして、やがてカメラ車よりも先へと走って行く。これをアニメでやってる。まるで大学生の自主製作映画を見るような初々しい気分にさせてもらいました。

    • workmaさん
      原田知世主演の角川映画、自分も世代なので見てました。
      そして、
      細田守監督アニメーション映画も、見ました。
      アニメーション映画もすばらしかっ...
      原田知世主演の角川映画、自分も世代なので見てました。
      そして、
      細田守監督アニメーション映画も、見ました。
      アニメーション映画もすばらしかったです。何年か前に見たので、また見返したくなりました(・∀・)
       正月休みに、『竜とそばかすの姫』をレンタルしようとしたらレンタル中…代わりに『バケモノの子』をレンタル。こちらも、少年の成長物語で、良かったです。細田守作品好きだな(^^)
      2024/01/03
    • 白いヤギと黒いヤギさん
      workmaさん、コメントありがとうございます。
      1月1日から国内騒然となるニュースが続いていますが、大変な思いをしている方々にお見舞い申し...
      workmaさん、コメントありがとうございます。
      1月1日から国内騒然となるニュースが続いていますが、大変な思いをしている方々にお見舞い申し上げます。
      心を落ち着かせるのに、アニメ作品などをゆったりと見るのはいいですよね。少しでもつらい思いをしている方が、希望を見出せますように。
      2024/01/03
    • workmaさん
      そうなんですよね。朝からNEWSを見て、死者・行方不明・怪我人数や被害映像を見ると、過去の震災がフラッシュバックしてきて、つらくなるので、あ...
      そうなんですよね。朝からNEWSを見て、死者・行方不明・怪我人数や被害映像を見ると、過去の震災がフラッシュバックしてきて、つらくなるので、あえて物理的距離を取り、コンビニ募金箱に募金するくらいには協力できるかと。
       あとは、自分の心をおだやかにして、周りの人にやさしくすることぐらい。
       だから、アニメーションなど、自分の好きな世界を楽しむこともだいじかな、とおもいます。
       白いヤギさんと黒いヤギさんも、おからだとご自分の楽しみを大切になさってくださいませ。
      ときどき本棚にあそびにいかせてくださいね(^^)
      2024/01/03
  • 名作文学。

    ・「時をかける少女」
    もはや説明不要のタイムリープ・ボーイ・ミーツ・ガール。色褪せずな作風で、まさに時を越えて語られる。

    ・「悪夢の真相」
    意外にも面白い。人には必ず恐怖を抱くものがある。それには必ず理由があり、無意識下で刷り込まれる。ただその理由を突き止めさえすれば、自ずと恐怖から解放され、成長する。

    ・「果てしなき多元宇宙」
    読者への語り口調だったり、ちょっとコメディよりの並行世界を描いた作品。ギャグっぽい終わり方が、「時かけ」とギャップがあって面白い。

  • アニメ映画を先に観ました。登場人物の名前が違うのとタイムリープの仕組みが少し違うだけで、アニメ映画はほぼ原作に近い。ただ、原作は恋愛よりもSFメインに感じられたかな〜。3人が仲良くしてる描写が少なく(まぁ3人で帰るのだから仲は良いのだろうけど)、そもそも男子2人の紹介の仕方がいかにも恋愛に発展しなそうで…(笑)

    この作品に限らず、言葉遣いから時代を感じられるのはいいですね。本や映画は時代ごとの言葉遣いや洋服、髪型などの特徴を教えてくれるところが好きです。「まあ!〜なのかしら?」って話す人もういないかな(笑)もしかしたら令和に出版される作品には「草」「死ぬwww」とか書かれたりするのかな〜なんて思ったりしました。個人的にそれはそれでいいと思う!令和を生きる作家さんたちには令和語をふんだんに使った本を書いてほしいですね。

    後半の2作は「時をかける少女」と関係のないただの短編小説かな?3作まとめての感想としては、どれも心理学的な話で、発想力と言語化能力(思いつきそうだけどなかなか言葉にできないような話を上手く書いているところ)が素晴らしいなと思いました!約600年後の未来(あくまで想像)の話や子供の想像力の豊かさを感じられる話、そして多元宇宙論の考え方を学べる話など、これ1冊でなんだか私の見つめる世界が広くなったような気がしました。未来や宇宙のことは、本当かどうかわからないからこそ考えれば考えるほど面白い!このただの妄想かもしれないギリギリの物語が読んでいてとても面白かったです^ - ^

  • 心理描写がさすが!中高生向けに書かれた小説だけあって、ストーリーが簡潔で分かりやすい。
    何度もドラマやアニメで映像化されるだけあるなぁと思った。
    時代背景も土曜授業の設定があったりして懐かしさを感じさせる。

  • いまさらなのだが、読んでよかった。私の事情、あんなに有名になったのに、作者が筒井康隆さんだとは知らなかったというのもあって。

    「時をかける少女」「悪夢の真相」「果てしなき多元宇宙」の3篇。

    「時をかける少女」
    とても可愛らしくせつないお話だった。
    TVで見た記憶があるのだが、私はあらすじを忘れてしまっていた。
    少女期の「白馬に乗った王子さま」にあこがれる気持ちを見事に捉えている。

    「悪夢の真相」
    幼い時の心ならずの罪。トラウマ。多寡にかかわらずみなの胸にあるだろう。

    「果てしなき多元宇宙」
    少々教訓めいているが、夢やあこがれは成就しても期待はずれが多いということ。

    唯一私が読了した「文学部唯野教授」を後にお書きになった同じ作家の作品とは思えない気がしてくるからおかしい。

    レトロっぽいがなかなかいい、無理のない構築。さすがうまい。

    良質の青春SF小説、否、児童書、そのうち孫に薦める(笑)。

  • 映画とかも見たことないし、初めてよんでみました。当時としてはとても斬新だったのかもと思えるストーリーでした。

  • もっと早く、小中高生で読んでいればもっと楽しめただろうに20台も半ばになって初めて読んで後悔している。短編が3本入っているのも初めて知った。(時をかける少女だけで1冊使っているのかと勘違いしていた)

    今読んでみると設定はかなりありきたりだが、タイムリープものの先駆けで昭和に書かれた本だと考えると筒井康隆の功績は大きいと言わざるを得ない。
    言葉遣いなどに多少の昭和の香りはするものの、初出から50年経った今でも読まれる作品であることに読めば納得できる。
    恥ずかしながら映画も未履修なので、近いうちに観ようと思う。
    あーもっと早く読めば良かった!!

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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