佇むひと―リリカル短篇集 (角川文庫)

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  • 角川書店
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本棚登録 : 307
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041305263

感想・レビュー・書評

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  • 「佇むひと」は斬新な内容だった。発想が常人を凌駕している。いまだに奇想天外な発想をできることに筒井康隆の凄さを感じた。
    「母子像」は、虚空から伸びる理解のできない意思によって、それに絡み取られてしまった妻と赤ん坊を、常人の思考故に判断を誤り、後悔しきれない結果を招く。しかしその結果にさえ、生きる意味があると考える作者の粘着力に深く考えさせられた。

  • リリカル…今さっきその意味を調べてみたんですけれども、なんでも「叙情的」だとかそんな意味らしいのですけれども、果たしてその意味するところが本書の個々の短編に当てはまっているかと言えば…どうでしょう!?

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、切ない…みたいな読後感に浸る短編もありましたけれども、基本的には筒井氏の想像力と言いますか、よくこんなお話思いつくな…とまあ、解説の小池真理子さん?と似たような感想になりましたねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    僕も小池さん同様、ラストの「母子像」とかいう短編に恐怖と凄い…といった感嘆の思いを抱きましたね! 設定もさることながら主人公の男の感じている恐怖感のようなものが…活字を通して伝わってくるのでした。おしまい…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 筒井康隆氏らしいシニカルさを備えつつも哀愁漂う短編集である。技法はいわゆる擬人化や象徴化といった凡庸なものだが、小説の表現手段を知り尽くしており、例えば表題作『佇むひと』のように退廃したやや悲観的な未来像と相まって、読者に不思議な感情を起こさせる(この感情がリリカルというものか)。

    個人的に好きな作品は『わが良き狼』『白き異邦人」で、『旅のラゴス』を思い起こさせる作品であった。

  • 2016.7.1(金)¥180(-2割引き)+税。
    2016.7.6(水)。

  • 【本の内容】
    ささやかな社会批判をした妻が密告により逮捕され、土に植えられてしまった。

    次第に植物化し、感情を失っていく妻との切ない別れは…。

    宇宙の伝説と化した男が、二十年ぶりに帰ってきた。

    かつて賑やかだった鉱山町の酒場、冒険をともにしたロボット、人妻となった愛しの彼女。

    郷愁にみちた束の間の再会は…。

    奇想あふれる設定と豊かな情感が融け合う不思議な作品群。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    筒井康隆さんの短篇集『佇むひと』は、その独特の世界観にただただ圧倒された一冊です。

    なかでも表題作の、生きたまま道路に植えられ、人々の目に晒されながら段々と植物化していく妻とその夫の小説の話は、どんなホラー小説よりも恐怖です。

    ただしそこにも、筒井流のユーモアがきちんと盛り込まれ、たんに奇怪なだけの小説では終わらないのですが。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 『佇むひと』『下の世界』『わが良き狼』、最高。感動。

  • 短編集。とにかく、表題作が最高です。社会批判をした妻が密告され、逮捕。土に植えられてしまいます。次第に植物化し、感情を失っていく妻の描き方が素晴らしかったです。

  • 発想力に脱帽!
    作者は頭のどこら辺からこれらの物語をひり出しているのだろうか。

  • 気持ちがクサクサした時に読むと、別のクサクサした気持ちを生み出して、本来の感情を隠してくれる本。

  • 秀逸。筒井康隆入門編にぴったりなショートショート。ひとに薦めるときはこれをまず挙げます。

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著者プロフィール

筒井 康隆(つつい やすたか)
1934年大阪市生まれ。日本を代表するSF作家の一人と目され、小松左京、星新一と並び「SF御三家」と称されることもある。
1981年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1993年に断筆宣言を行ったことは大きな話題になった。1996年断筆解除後には、2000年『わたしのグランパ』で読売文学賞、2010年に第58回菊池寛賞、2017年毎日芸術賞をそれぞれ受賞。2002年には紫綬褒章も受章している。
代表作のひとつ『時をかける少女』は度々映画化、アニメ化され、多くの読者に愛される。ほか『日本以外全部沈没』、『文学部唯野教授』、『旅のラゴス』、『残像に口紅を』などは機会あるごとに話題となり、読み返されてきた。

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