暗い傾斜 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041306062

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  • 株価を操作した疑いをかけられ窮地に立たさせれた女社長と社員は、室戸岬で無理心中します。
    その頃、東京では会社の大株主が殺害され、九死に一生を得た女社長が疑われます。

    各キャラの心理描写と仕掛けが秀逸な作品です。心理的な要素で読者の盲点を突くのはよく目にしますが、心理そのもので人を殺すという作例はこれまで読んだことがなく、独創的で非常に興味深いものでした。
    微妙な出来の電話トリックやご都合主義な展開はマイナスですが、一読の価値は十分にあると思います。

  • 古本屋にて購入。前々から探していたので多少の汚れは我慢してページを開く。実はトリックは知っていたので驚きは少なくなってしまったが、それを解明していくプロセスは見事と言うしかなかった。この手の心理トリックはそんなうまくいかないだろうと突っ込みたくなる場合が多いのだが、張られた伏線を解いていくにつれ、説得力がどんどん強固なものになっていく。そんな伏線の張り方はお見事。古臭い感じがしたのは仕方ないか。笹沢佐保はもう少し読んでみたいのだが、残念ながら絶版が多くて苦労する。

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著者プロフィール

1930年生まれ。1960年、初長篇『招かれざる客』が第5回江戸川乱歩賞候補次席となり、本格的な小説家デビュー。 1961年『人喰い』で第14回日本探偵作家クラブ賞を受賞。 テレビドラマ化されて大ヒットした『木枯し紋次郎』シリーズの原作者として知られ、推理小説、サスペンス小説、恋愛論などのエッセイ他、歴史書等も著し、380冊近くもの著書がある。2002年、逝去。

「2023年 『有栖川有栖選 必読! Selection11 シェイクスピアの誘拐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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