軍師竹中半兵衛 (角川文庫 さ 3-43)

著者 :
  • KADOKAWA
3.82
  • (20)
  • (35)
  • (29)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 217
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (529ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041306468

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 竹中半兵衛重治。恐るべき男よ、と秀吉は言った。まるで当人みたいに信長というものをよく知っている。もし半兵衛を敵に回したら、これ以上恐ろしい人間はいなかった。立身出世を望まず、権勢といったものに関心を示さない。荒馬を乗りこなすのが楽しいだけで、馬を飼うのは性に合わぬと、半兵衛はいう。天下を治めるは馬を飼うことに似ている。信長、秀吉という荒馬を自在に乗りこなし、戦国を駆けぬけた一世の軍師、36年の生涯を描く大河小説。

  • 未読

  • 戦さの情報は史実に基づいているためか詳しい。お市の方などとの会話は面白くするために脚色されている?脚色が小説の醍醐味ですかね。嘘っぽいと感じずに、入り込んでしまうので良い本なのだなと感じました。

  • 秀吉の軍師としては黒田官兵衛が有名ですが、ニ兵衛と呼ばれていたもう一方の竹中半兵衛に興味がありました。
    軍師としての潔いところがいいですね。

  • 竹中半兵衛重治。恐るべき男よ、と秀吉は言った。まるで当人みたいに信長というものをよく知っている。もし半兵衛を敵に回したら、これ以上恐ろしい人間はいなかった。立身出世を望まず、権勢といったものに関心を示さない。荒馬を乗りこなすのが楽しいだけで、馬を飼うのは性に合わぬと、半兵衛はいう。天下を治めるは馬を飼うことに似ている。信長、秀吉という荒馬を自在に乗りこなし、戦国を駆けぬけた一世の軍師、36年の生涯を描く大河小説。

    竹中半兵衛が長生きしていたら、豊臣政権はもっとマシになっていたはず。
    竹中半兵衛、豊臣秀長、黒田官兵衛の三人が揃って豊臣家にいる頃が一番よかった。

  • お市と一刀斎のくだりは疑問でしたが物語の中の秀吉が一般的なイメージとは違っていたので興味がわきました。とても面白かったです。

  • さすが日本の諸葛亮孔明を呼ばれる人物.この人に出世欲があったら,織田信長をも凌ぐ影響力があったのではないかと思わずにはいられない.

  • 初めて読む竹中半兵衛の小説でした。
    某所で竹中半兵衛のオススメ小説を検索したらこの本がおすすめされてました。
    絶版ということで中古で手に入れましたが、今年8月新装版で出るそうですね。

    無欲であるが、信念をもち、真っ直ぐに生きる半兵衛さんがかっこいいです。
    お市の方との恋心も描かれています。
    こういう史実にないようなことが書かれていると批判される方もいますが、
    あくまで小説なのでいいのではないかと私は思います。

    総じて面白かったです。最後の章はどうしても辛いのがわかっているので、読みたくなくて読了まで時間がかかってしまいましたが、分厚くても一気に読めました! 
    他の半兵衛さんの小説も読んでみたいと思います。

  • 竹中半兵衛といえば、短い人生(36歳)で、稲葉山城の乗っ取り、秀吉の軍師としての活躍、そして晩年の松寿丸(黒田長政)の助命というのが印象に残っていますが、それらについて、よく描かれています。

    半兵衛は秀吉の軍師ではありますが、生涯を織田信長の寄人として過ごしたというのは知りませんでした。なので、秀吉とのかかわりだけでなく、信長との関わりもちょっと出てきます。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_f467.html

  • 採った中では最も長編なる重治像。著者名に惑わされてか、文芸色も最も色濃く映った。本文より先に一読した解説に「半兵衛のお市への想い」について触れられてあった為、「ここまでもが『お市さま……』か」と面白くない気分に先ず駆られたのだが、繙けばそれは、永遠の理想像として互いの心を暖め眼に見えないかたちで支え続ける類の「想い」であって、存在により作品のメインテーマが逸れることは一度も無かった。
    作中では、羽柴秀吉と蜂須賀正勝の手柄として伝わることの多い墨俣築城の成功や、織田信長の考案とされている長篠合戦での鉄砲三段攻撃まで実は半兵衛が発案に因るものとされるなど、大軍師殿を持ち上げること限りない。一方で、当初「師」と仰いで半兵衛を迎えた秀吉の、己が功名と共に高じてゆく人間不信の様も、その矛先となった半兵衛の心情を軸として丁寧に描かれている。
    読み進めるうちに、果たして秀吉というのは “人たらし” に於いては天下一品、誰をも魅了せずにおかない不思議な芸当を身につけて居たが、さて “人遣い” となると、巧妙だったとは一概に言えないな……と感じる。いつだったか私は「(人材を)遣うのは君主であって家臣ではない」と記したことがあるが、それも軽率な物言いだったように思われる。秀吉―半兵衛―官兵衛を観る限りは、巧く遣って居た、或いは巧く立ち回って居たのは、どうやら軍師陣のように映るのだ。
    戦国史に興味を抱き始めた頃 “豊臣秀吉" は寧ろ好きな大名だったが、半兵衛(と官兵衛)を追ううちに、その像が徐々に別の輪郭為すのを感じて居る。

    余談になるが、半兵衛唯一の側近として登場した “赤丸" という男の一粒種が、他家へ養子に出た末 “剣豪:伊藤一刀斎" へと長じた、という大胆な設定には意表を衝かれた。「まさか!」と早速NETに当たってみたが、彼の剣豪にそのような資料は見出せない。『木枯らし紋次郎』シリーズを著した筆者ならではの発想という処か。もしも実話だったのなら、養子斡旋元が半兵衛だっただけにとても興味深いのだけれど、この話はそれきりで終わっている。単なる挿話として挟むには何やら手が込んでいるから、当初はもっと踏み込むつもりが端折られたのか、それともこれを下敷きにまた別の物語が存在するのか――。

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1930年生まれ。1960年、初長篇『招かれざる客』が第5回江戸川乱歩賞候補次席となり、本格的な小説家デビュー。 1961年『人喰い』で第14回日本探偵作家クラブ賞を受賞。 テレビドラマ化されて大ヒットした『木枯し紋次郎』シリーズの原作者として知られ、推理小説、サスペンス小説、恋愛論などのエッセイ他、歴史書等も著し、380冊近くもの著書がある。2002年、逝去。

「2023年 『有栖川有栖選 必読! Selection11 シェイクスピアの誘拐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

笹沢左保の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×