- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041307021
作品紹介・あらすじ
雪の阿寒で自殺を遂げた天才少女画家…時任純子。妖精のような十七歳のヒロインが、作者の分身である若い作家、画家、記者、カメラマン、純子の姉蘭子と演じる六面体の愛と死のドラマ。
感想・レビュー・書評
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北海道の阿寒湖の風景が目に浮かびそう、当時ちょっと衝撃的だった。男を惑わし、振り回す純子、彼女に関わった男たちは、自分が一番愛されていたと言い放つ(なんかそういうのに憧れる)。著者の初恋の人との説もあるが。純子が愛するものは自分。自作自演の人生だろうか。
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【未来の浮気男の美しきトラウマ体験】
有吉佐和子「悪女について」みたい。純子さん、どんなボインの美少女かとググったら、なんだかぽっちゃりな女子でしたね。たしかに派手顔ではあった。
色々脚色されてるだろうけど、彼女の魔性っぷり、イカレっぷりはすごいなあ。真冬の札幌であのフットワークの軽さは超人的。
あと、男達の愚かさもすごい。
また、初期の作品だからか、著者が理系脳だからか、エピローグが実験の考察・検証みたいで、少々うけました。あと、このトラウマ体験を浮気症の免罪符に使うなよって感じ…
北海道の風景、季節の描き方は素敵でした。 -
とても美しい小説だった。50年代の冬の北海道、18歳で自殺した"天才少女画家"の純子の描写はそれは冷たくはかなく美しかった。6人の人物から見た6面の純子像はどれも強烈だが全ての面を合わせても明確には純子の心を理解するのは難しく、その不可思議さ、定義できない様がなりよりとても魅力的であった。
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一人の女性に翻弄された6人の男女の回想を綴った物語。異なる視点から一人の人物を描いた構成がおもしろいです。
この作者の作品を初めて読みましたが、『失楽園』の作者なだけあって、性描写が多めなのが好みの分かれるところかもしれません。私も得意ではありません。 -
著者自身をモデルにした田辺俊一という作家が、20年前に高校生だったころに恋した時任純子という謎めいた女性の真実を知るため、彼女を知る五人から話を聞くという構成の作品です。
本書を通してその素顔が明かされていく純子という女性は、男たちの視点からはその内面をえがき尽くすことのできない、多面性をもつひとりの女性とはいいがたいように思います。女性としての歓びであるはずの、男性とのあいだに愛をはぐくむことを知らず、周囲の男性たちにコケティッシュな態度をとりつづけながら自分自身しか愛していなかった孤独な「天才少女画家」という純子像には、渡辺淳一の性愛観がはっきりと刻印されています。
「解説」を担当している郷原宏は、本書を推理小説になぞらえていますが、「真実は一つ」であることが前提されているという意味では、いい得て妙だと感じました。 -
渡辺淳一さんのこの頃の作品は瑞々しいですね。後年~晩年の作品より初期~中期の作品が好きです。
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今から30年以上前に一度読んだ、高校生だった当時、ドキドキしながら読んだものだったが、今読んでみると、それほどでもないし、時代の古さを感じる。関係する男性の目から1人の女性の多面性を描くという手法に新鮮な衝撃を受けたものだったが、当時より自由な表現で、女性を描く小説が増えたせいか、平凡に見えてくる。渡辺先生のご冥福を祈ります。
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青年期よりもう10回は読み返しているかな。
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8月22日(木)読了。
6/2(日)の真知子ショックに影響されて、思い出して読み出す。
感想は、また、改めて。
著者プロフィール
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