白い宴 (角川文庫 緑 307ー4)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 104
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041307045

感想・レビュー・書評

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  • たまんないな。文のセンス・・・ていうたら偉そうですけど。
    事実を短くスパッと書いていってるようなイメージ。
    読むともなしに読んでたら、スっと入ってきて、
    引き込まれ、このテーマについて、考えるきっかけをもらうというか・・・。
    非常に面白かったです。

  • 筆者が医師から作家に転向するきっかけとなった作品と聞き、筆者の思いが強く書かれている批判的な文章と予想して読み始めた。実際は時系列を追って淡々と進んでいくので驚いたが、心臓移植というでかいテーマで元ネタ有りとなると、これくらい淡々としてないと読みづらかったかもしれない。
    移植とその後に関する技術や制度的には、この数十年で急速に進歩しているけど、命を取り巻く人達の葛藤や、ドナー側の母親の(誰が死んでも息子に生きていて欲しかった)と絶望する気持ちは変わっていないはず。個人的に心臓移植について考えるための一つの材料として読んだのだけど、読んでよかったと思う。単純に物語としても面白かった。

  • ★図書館だよりNo.66 「一手指南」
     水野 信也 先生(コンピュータシステム学科)紹介図書
     コラムを読む https://www.sist.ac.jp/media/Letter_No.66.pdf

  • 半世紀も前の札幌で行われた日本初の心臓移植手術。連日の報道をリアルタイムで見ていた。札幌市民として真実はどうだったのか急に知りたくなり手に取った。当時その病院の医者だった渡辺淳一が小説家として生きる決意をするきっかけになった小説。ある新聞記者を通じ淡々と事件の経過が語られていく中に、和田教授、提供者と患者、その家族のそれぞれの心の葛藤が織り込まれ惹きこまれた。結局、医学という名の魔術に魂と良心を奪われた医師による殺人だったのだと思う。

  • 昭和43年8月8日に札幌医科大学で施術された心臓移植手術をモデルに、ドキュメント風の体裁をとりつつ描いた長編小説。移植手術の決断までの医師の心理描写、手術後の悔恨と高揚感とがない交ぜになった心理描写は、さもありなんと思わせる筆致で読み応え十分。ただ、移植を受けた患者が死亡する前後の描写は、それまでと異なり、やや散漫なきらいがある。著者が現場や内実を知りすぎていたため、フィクションに徹し切れなかったのだろうか?

  • かなりの社会問題になり、センセーショナルでもあった現実の出来事。その象牙の塔の内部の医師であり、実力ある同人誌の同人でもある作家が描いた「心臓移植」の作品はこの程度でしかないのか、という大いなる失望。

  • 実際の事件を題材にした、ノンフィクション的フィクション。
    とにかく淡々と物語が進んでいく。

  • 実際の事柄に基づいて書かれている、と父が教えてくれました。
    リアリティーもあったし、それなりに考えさせられる物語だったと思います。

    お医者さんで、さらにこの文才がある作者さんがすごい。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/404130704X
    ── 渡辺 淳一《白い宴 197601‥ 角川文庫》←《小説心臓移植》より改題~《失楽園》
     :
     渡辺 淳一 作家 19331024 北海道 東京 20140430 80 /1958 札幌医科大学医学部卒
     和田 寿郎 医師 19220314 北海道 東京 20110214 88 /心臓血管外科/札幌医科大学名誉教授
    /ワダ弁(人工心弁)開発/19680824 和田心臓移植事件
     :
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4165017205
    ── 渡辺 淳一《作品集〈2〉富士に射つ/小説心臓移植 198009‥ 文藝春秋》→《白い宴》
     :
    ── 渡辺 淳一《小説心臓移植 196901‥-02‥オール読物/ポケット文春》19680824
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19741211 板坂文庫(下) ~ 日本文学三六五日 ~
     
    (20110804-20140529)
     

  • 渡辺淳一は恋愛よりこっちのイメージ。

    評価色:紺

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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