価格破壊 (角川文庫 緑 310-6)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 337
感想 : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041310069

作品紹介・あらすじ

戦中派の矢口は激しい生命の燃焼を求めてサラリーマンを廃業、安売りの薬局を始めた。メーカーは安売りをやめさせようと執拗に圧力を加えるが……大手スーパー創業者をモデルに話題を呼んだ傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 流通の仕組みと闇、価格の裏側を解りやすく描きながらも、説明調に終始しない確かな筆力。
    また主人公の戦争体験についての描写も強烈に鮮明で、彼の切迫感がひしひしと伝わり、城山三郎氏ならではの作品だと感じた。

    主人公矢口はダイエーの創業者をモデルにされているらしいが、彼の人生を追うのではなく、あくまでも物語の中心を貫くのは「価格破壊」の灯火について。

    価格破壊=たたき売り、ではない。
    価格を破壊できる体制を整え、勝負する。
    矢口の行動を見るにつれ、発想の転換、忍耐力の重要さをより認識する。

    教科書的な本にもなるが、彼とは対極に位置するメーカーに在籍する身にとっては苦々しい気持ちにもなった。

  • 城山三郎著『価格破壊』角川文庫(1975)
    当時の流通機構、再販価格に執拗に挑戦し、流通革命を目指す男の一生を描いている。この小説のスーパーマーケットにおける流通革命の実態はダイエーが元になっているようだが、当時の経済の側面を的確に捉えた内容であり、傑作。主人公の信念、情熱が心に焼きつく。

  • 戦後のエコノミックアニマルを活写した、ある意味ロビンソンクルーソーのような行動小説。商売繁盛の為の徹底したハングリー精神の出発点は戦場での臨死体験にあるというのがいかにも戦後というべきか。死にそうな思いをした人は強い。
    主人公は信念に突き進んで行く行動の塊で、葛藤らしい葛藤も無いのに対比して、妻や部下など彼を取り巻く人物の揺れ動く内面描写は、丁寧に描かれている。この辺りがさすがというものか。

  • 流通業界のカリスマ中内功さんをモデルにした小説です。メーカーとのし烈な闘いは読む人をは引き込みます。私も流通業界で働く事を夢みてダ⚪エーの入社試験を受けましたか見事にご縁がありませんでした(笑)

  •  
    ── 城山 三郎《価格破壊 19750620 角川文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4041310067
     
     Siroyama, Saburou 19270818 名古屋 神奈川 20070322 79 /籍=杉浦 英一
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BE%EB%BB%B3+%BB%B0%CF%BA
    /1958年下期直木賞《総会屋錦城》《小説日本銀行》《落日燃ゆ》
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050920 中内家の人々
     中内 㓛 ダイエー創業 19220802 大阪 20050919 83 /19490207-20160301
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C3%E6%C6%E2+
     
    ── 恩地 祥光《中内功のかばん持ち ~ 昭和のカリスマと呼ばれた男
    20130830 プレジデント社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B00EJ3K0MC
     
    (20190120)
     

  • 流通革命、小売産業などに興味ある人はかなり楽しめて読めると思う。胸が熱くなるシーンが多かった。全てのものは出した瞬間に腐り出している。

  • 一度死んだ男は強い。”戦中派”という言葉がすでに死後になりつつある現在、こういう男たちが日本の戦後を支えたのだと、感じさせられる。

  • 横並びの価格が当たり前だった時代に不断の努力で低価格を武器に挑戦する戦争帰りの男のビジネス小説。

    時代設定が相当古いので、現在にそのまま通用するような戦略はあまり無いが、過去にこうした時代があったことを知ることができる。

    やむを得ないと思うが、どうしてもビジネス小説は内容が薄く感じてしまうのが残念。

  • 主人公が薬をはじめとした価格破壊に挑戦する話。やはりビジネス小説が好き。面白かった。昭和44年の掲載。

  • 城山三郎は明言していないが、主人公のモデルはダイエーの創業者中内功であることが、本書から読み取れる。フィクションではあるが、スーパー「アロー」とメーカーとのせめぎ合いが妙に生々しい。できる限り商品を安く提供することで消費者からの支持を得、事業を大きくしたいスーパーと、取引のルールと価格を守り、ひいてはブランド・イメージを維持したいメーカー。双方の立場ともに理解できる。しかし、本書で描かれていることは、流通革命という、日本の流通史・商業史上もっとも重要な出来事の1つである。流通業を志す者、流通分野での研究を目指す者にとって、必読の本である。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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