価格破壊 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041310069

感想・レビュー・書評

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  • 流通業界のカリスマ中内功さんをモデルにした小説です。メーカーとのし烈な闘いは読む人をは引き込みます。私も流通業界で働く事を夢みてダ⚪エーの入社試験を受けましたか見事にご縁がありませんでした(笑)

  • いや凄かった

  • 流通革命、小売産業などに興味ある人はかなり楽しめて読めると思う。胸が熱くなるシーンが多かった。全てのものは出した瞬間に腐り出している。

  • 城山三郎は明言していないが、主人公のモデルはダイエーの創業者中内功であることが、本書から読み取れる。フィクションではあるが、スーパー「アロー」とメーカーとのせめぎ合いが妙に生々しい。できる限り商品を安く提供することで消費者からの支持を得、事業を大きくしたいスーパーと、取引のルールと価格を守り、ひいてはブランド・イメージを維持したいメーカー。双方の立場ともに理解できる。しかし、本書で描かれていることは、流通革命という、日本の流通史・商業史上もっとも重要な出来事の1つである。流通業を志す者、流通分野での研究を目指す者にとって、必読の本である。

  • BtoC (大衆相手)から BtoB(企業相手)の商売に手をだして、本来の才能や神通力などが失われることもある。評判だったお好み焼き屋のオヤジがナイロン工場を始めて失敗する。「大衆は海である。焦れば溺れるが、身を預ければ浮かばせてくれる。機械を相手にせず、大衆相手に生きるべきだった。大衆を相手にする商売だからこそ花開いたのだ。大衆を捨てて、神通力が失せ、自分も捨てられる羽目になったのだ。」 古い本だけど、今も十分通じる。安売りの薬屋から年商500億のチェーンスーパーに育てる主人公は、ダイエーの中内功がモデルらしい。後半、”平安”電器とダイエーとの再販価格をめぐる争いも描かれています。

  • 子供の頃にNHKのドラマで観た記憶があったので古本屋の店頭で見つけて即買いしました。
    時代はグルグルグルグル回りますが、そこに生きている人たちも巻き込まれて右往左往して大変だ。
    巻き込まれるより巻き込みたい。
    独立した一本どっこの渦になりたいのです。

  • おもしろ!
    「急がなけりゃ、くさってしまう」「何がくさるの」「なんでもくさる。食料もくさる、家もくさる、人間だってくさる」

  • フィリピン、ルソン島で地獄を経験した矢口は日本に帰り、「どうせ一度は死んだ体」と割り切って会社を辞め、「価格破壊」を標榜しスーパーマーケットを立ち上げる。

    従来のメーカー⇒卸⇒小売という商流の中にあった慣れ合いや癒着を一切排除し、次々と常識を打ち破っていく矢口の言葉・行動は力強くて圧巻。
    常識を打ち破る姿が痛快で、文章の歯切れはいつもの城山三郎のように非常に良く、読んでいて本当に気持ちがいい。

    モデルは誰だろうと思って調べるとやはりダイエーの中内功であった。
    原体験のある人は強い。自分にはそんな強烈な原体験はないけれど、この本だって原体験になりうる。だから小説でも読書はやめられない。

  • 久しぶりに驚くほど引き込まれ、一気に読んでしまった一作であった。
    価格破壊というタイトルからは想像できないような奥深さ。主人公のモノ売りにかける執念は、並々ならぬものがあったと思う。
    少しずつ店が大きくなっていく様子も見ていて爽快であった。
    社会に反抗する主人公の姿が今でも心に焼き付いている。

  • これは、ダイエーの創始者の中内功氏の伝記的小説となっていると思う

    確かに、現代の歴史の中では価格破壊的商法は一時代を築いたのだと思うし
    現在もそのモデルに則って行われているビジネスがあるのだろうが

    その場合、果たしてみんなが幸せになるモデルなのだろうか?
    フェアトレードを最近聴くようなったが、多くの場合
    貧困国からの搾取を言っているようだが
    国内を見渡しても搾取の割合がおかしくなっているのではないだろうか(利益の再配分の方法といってもいい)

    それの一因として価格破壊のような正当な価格を引き下げる方向の力が働いていることがあるのではないかと考える

著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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