不機嫌な恋人 (角川文庫)

著者 :
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本棚登録 : 37
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041314210

作品紹介・あらすじ

三条油小路に住む小侍従は、宮廷きっての美女、という噂。香を調合したり、染め物をしたり、ちょっとした縫物をしたり、というのがとても上手。蓄財の才に長け、女一人で生き抜くのにもそつはない。今、年下の恋人・二条の少将に首ったけ。男と恋が楽しみなのだ。少将は名うてのプレーボーイ。恋の冒険に明けても暮れてもうつつを抜かして倦むことを知らない。ほんの遊び心でかいま見た女は、暗い妖しい情趣と愛らしい少女の零囲気を合わせもつ子持ちの未亡人だったが…。恋、背信、心がわり。-揺れる大人の恋を美しい季節の移ろいとともに描く、王朝の長編恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 電子書籍にて再読。随分前に読んだはずなのに全く覚えていなかった不思議。読んでみてあーこうだったかと朧げながら記憶にあるという感じですが、やはり切ないお話でした。多分若い頃はもっとさらっと読んでいたと思う。切ないながらも主人公の二人はあるべき場所に落ち着きラストは軽やかに終わります。でも色々な想いを考えると尾をひくお話でした。

  • 時代は架空の王朝。主役の小侍従は帝付きの女房で宮廷きっての美女。現在の恋人は二条の少将という年下のプレイボーイ。この少将がやがてなぞめいた未亡人に真実の恋をし、と現代ドラマの恋愛物めいた展開。人間の感情が様々に入り組んだ複雑で悲しい作品ですが、田辺聖子らしい文体がさわやかな印象を残します。

  • 少将、小待従、大納言夫人そして知兼の王朝恋愛劇。はじめは少将、小待従の恋愛がゆるゆると描かれ、小待従の愛はおしみなく少将にそそがれる。手練手管を使って相手を惚れさせていようと試み揺るぎがないが、その奥にはいつか終わりがくることを予知しながらで、切ない。不安は現実のものとなって少将は大納言夫人に心惹かれてしまう。しかし大納言夫人にはもう心に決めた人がいて、いくら口説いてもなびかない。そこには少将の側近、知兼の存在があった。それぞれの恋はすれ違い、終わりの予感を感じながら、そこに向かってのベクトルなので、叶わぬ恋となって悲しい。

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著者プロフィール

田辺聖子

一九二八年、大阪生まれ。樟蔭女専国文科卒。六三年、『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)』で芥川賞を受賞、八八年、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』で女流文学賞、九三年、『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞、九四年、菊池寛賞を受賞。九八年、『道頓堀の雨に別れて以来なり』で泉鏡花文学賞と読売文学賞を受賞。二〇〇八年、文化勲章受章。大阪弁で軽妙に綴る現代小説の他に、古典文学の紹介、評伝小説など、著書多数。一九年六月死去。

「2020年 『大阪弁おもしろ草子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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