不機嫌な恋人 (角川文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041314210

作品紹介・あらすじ

三条油小路に住む小侍従は、宮廷きっての美女、という噂。香を調合したり、染め物をしたり、ちょっとした縫物をしたり、というのがとても上手。蓄財の才に長け、女一人で生き抜くのにもそつはない。今、年下の恋人・二条の少将に首ったけ。男と恋が楽しみなのだ。少将は名うてのプレーボーイ。恋の冒険に明けても暮れてもうつつを抜かして倦むことを知らない。ほんの遊び心でかいま見た女は、暗い妖しい情趣と愛らしい少女の零囲気を合わせもつ子持ちの未亡人だったが…。恋、背信、心がわり。-揺れる大人の恋を美しい季節の移ろいとともに描く、王朝の長編恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 電子書籍にて再読。随分前に読んだはずなのに全く覚えていなかった不思議。読んでみてあーこうだったかと朧げながら記憶にあるという感じですが、やはり切ないお話でした。多分若い頃はもっとさらっと読んでいたと思う。切ないながらも主人公の二人はあるべき場所に落ち着きラストは軽やかに終わります。でも色々な想いを考えると尾をひくお話でした。

  • 時代は架空の王朝。主役の小侍従は帝付きの女房で宮廷きっての美女。現在の恋人は二条の少将という年下のプレイボーイ。この少将がやがてなぞめいた未亡人に真実の恋をし、と現代ドラマの恋愛物めいた展開。人間の感情が様々に入り組んだ複雑で悲しい作品ですが、田辺聖子らしい文体がさわやかな印象を残します。

  • 少将、小待従、大納言夫人そして知兼の王朝恋愛劇。はじめは少将、小待従の恋愛がゆるゆると描かれ、小待従の愛はおしみなく少将にそそがれる。手練手管を使って相手を惚れさせていようと試み揺るぎがないが、その奥にはいつか終わりがくることを予知しながらで、切ない。不安は現実のものとなって少将は大納言夫人に心惹かれてしまう。しかし大納言夫人にはもう心に決めた人がいて、いくら口説いてもなびかない。そこには少将の側近、知兼の存在があった。それぞれの恋はすれ違い、終わりの予感を感じながら、そこに向かってのベクトルなので、叶わぬ恋となって悲しい。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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