秋のわかれ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041314227

作品紹介・あらすじ

ラブレターにはろくな文例がない、と悦子は発見した。相思相愛の文例はあっても、片恋の苦しさをしみじみ訴えるというのは、ない。-スキデス。いろんなことがありました-これ以上、何も浮かんでこない。親友の信子とすごした、田舎での夏休みは、高校生になったばかりの2人にとって忘れられないものとなった。16歳のひと夏の思い出を、爽やかに描く表題作、他3篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 大人っぽいタイトルなのに児童書みたい。
    「まごつき一家」みたいの面白い。冒頭からかなり笑った。
    ただ、終わり方が唐突で「エッ!?」というカンジ。
    そこが物足りない気が。
    実際のティーンが読んだらどう感じるのだろう?
    昔の高校生なので違和感あるかな?

  • 田辺聖子さんが書く、高校生の女の子達のお話。
    大人が主人公の恋愛小説はたくさん読んだけど、おせいさんの青春風味なこういうお話は初めて。
    作風が氷室さんと似てる。氷室さんはかなりおせいさんに影響を受けたんだろうな、と思いました。

    気の強い女の子、恋には少し不器用、いつもお友達に囲まれ、不思議なキャラの家族、うまくいきそうでいかないストーリー。
    底抜けに明るく、楽しい雰囲気、目指すのはこれ!

    秋のわかれ 岡山での一夏。秀兄さんへの恋 海、絵、お寺!
    私の姉ちゃん 社会人の姉が恋をして結婚するまで
    ぼくの心は風船玉 詩人を目指す気弱な男の子から心を寄せられる話
    姉妹は他人のはじまり 貧乏くじな次女が養女に出るも、やっぱり家族がいいという話

    おせいさんは大家族で育ってきたし、結婚後もおおぜいの子どもの面倒を見てきたから、家族のあったか話が本当に上手なんだよなあ。「私の姉ちゃん」のような、家で聞く姉の外での生活、とかうまいよね。それでいて、女の子がふとんの皮をはいだり、豆剥きやら、墓掃除やらを手伝うという古き良き習慣も書かれていて、ほっこり。
    いいなあ、おせいさんは。明るいし、ほのぼのした詩情!「小説」という「小説」。いいなあ。

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著者プロフィール

昭和3年3月27日、大阪府に生まれる。昭和22年樟蔭女子専門学校国文科卒。小説家。直木賞選考委員。昭和39年「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」で芥川賞を、62年「花衣ぬぐやまつわる…」で女流文学賞、平成5年「ひねくれ一茶」で吉川英治文学賞、6年菊池寛文学賞、7年紫綬褒章、10年「道頓堀の雨に別れて以来なり」で読売文学賞、14年キワニス大阪賞など、多数受賞。12年文化功労者となる。作風は巧みな大阪弁で夫婦あるいは男女の機微と生態を描くものが多い。近著に『武玉川・とくとく清水』(平14 岩波書店)『女のおっさん箴言集』(平15 PHP研究所)など。

「2004年 『久保田淳座談集 心あひの風 いま、古典を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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