田辺聖子の小倉百人一首〈上〉 (角川文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784041314258

感想・レビュー・書評

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  • (2016.01.15読了)(2013.12.18購入)
    挿絵がついていなくて一冊にまとまっている「田辺聖子の小倉百人一首」というのも、1991年に角川文庫で出ているのですが、岡田嘉夫さんの挿絵を楽しみたくて、上下巻になっているカラー版を選びました。
    百人一首については、白洲正子著「私の百人一首」をすでに読んでいるのですが、田辺さんのも読んでみようと、手にとりました。お正月も過ぎたばかりだし。
    一首ごとに現代語訳、作者のこと、出典、関連する歌、歌の評判など、多角的に解説してくれますので、わかりやすいし、与太郎青年や熊八中年を登場させて漫談を始めたりするので楽しめます。
    上巻は、1番から50番までの和歌が紹介してあります。『万葉集』『古今集』『伊勢物語』などの関係者が登場します。

    ●柿本人麿(15頁)
    兵庫県明石市の、人麿をまつる人丸神社は、火災よけの神サンとして知られている。ヒトマル―火止まる、である。ヒトウマル―人産まる、で安産の神サンでもある。
    ●さねかずら(159頁)
    さねかずらは、冬日の中に、美しいサンゴのような真紅の実をつけている。ツルの中にねばねばの液があって、これは古代の男の整髪料、ポマードであったから、さねかずらを一名、美男葛ともいう。
    ●月日(203頁)
    昨日といひ 今日とくらして あすか川 流れてはやき 月日なりけり  春日列樹

    ☆田辺聖子さんの本(既読)
    「甘い関係」田辺聖子著、文芸春秋、1975.02.
    「春のめざめは紫の巻 新・私本源氏」田辺聖子著、実業之日本社、1983.05.25
    「絵草紙源氏物語」田辺聖子著・岡田嘉夫絵、角川文庫、1984.01.10
    「私本・源氏物語」田辺聖子著、文春文庫、1985.02.25
    「新源氏物語(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語(中)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
    「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
    「恋のからたち垣の巻 異本源氏物語」田辺聖子著、集英社文庫、1990.06.25
    「『源氏物語』の男たち」田辺聖子著、講談社文庫、1993.08.15
    「むかし・あけぼの(上)」田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25
    「むかし・あけぼの(下)」田辺聖子著、角川文庫、1986.06.25
    「竹取物語・伊勢物語」田辺聖子著、集英社文庫、1987.07.25
    「おちくぼ姫」田辺聖子著、角川文庫、1990.05.25
    (2016年5月17日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    古くから日本人に愛された望郷歌、若々しい匂いやかな恋歌、機才・頓智が人気の歌、四季の風趣を愛で静かな情感をたたえた歌。王朝びとの風流、和歌のみやびを心ゆくまで堪能できる百人一首。私たち、現代人にも通じる感懐をうまく掬いあげ、千年を歌いつがれてきた、魅力の本質をユーモラスにユニークに抽出した、楽しい百人一首入門書。

  • 「田辺聖子の小倉百人一首」に岡田嘉夫さんのイラストがついたもの。紙も上質なものが使われ、カラーの絵が美しい。
    ただ、50首ずつ上下巻にわかれているので、歌を調べたりするのには向いてないかも。。。
    持っているだけで楽しくなる愛蔵書。

  • 軽妙な語り口で百人一首の解説として読みやすい。挿絵の美しさに虜。表紙を上下合わせると一つの絵になるので並べて飾っておきたい。

  • 書展に出展するお題を探すために読みました。でも、ほんとは文庫じゃなくて大判の方。すごく面白くて、世界に引き込まれました。これで改めて古典に嵌った。岡田さんの挿絵が素晴らしすぎます。読むなら絶対このカラー挿絵版。

  • 大好き百人一首!
    というわけでこの本、何回読んだかわかりません。手持ちの本がなくなったので再読。その百人一首が描かれた背景がわかるのでとても面白い。
    あー私もこの時代の貴族みたいな生活がしたい! 文化的な教養で、地位・名声が決まるなんてなんて楽しいの!

    2008,january

  • カラー版。面白い解説に、岡田氏の美麗挿絵

  • いまだにすらすら全部出てくるのは10首くらいが関の山。

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著者プロフィール

昭和3年3月27日、大阪府に生まれる。昭和22年樟蔭女子専門学校国文科卒。小説家。直木賞選考委員。昭和39年「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」で芥川賞を、62年「花衣ぬぐやまつわる…」で女流文学賞、平成5年「ひねくれ一茶」で吉川英治文学賞、6年菊池寛文学賞、7年紫綬褒章、10年「道頓堀の雨に別れて以来なり」で読売文学賞、14年キワニス大阪賞など、多数受賞。12年文化功労者となる。作風は巧みな大阪弁で夫婦あるいは男女の機微と生態を描くものが多い。近著に『武玉川・とくとく清水』(平14 岩波書店)『女のおっさん箴言集』(平15 PHP研究所)など。

「2004年 『久保田淳座談集 心あひの風 いま、古典を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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