- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041315026
感想・レビュー・書評
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「『捨児』になったのだと気づいたときには、母はもう炭鉱町で酌婦をしていた」と語る寺山修司。精神的乳離れのできない若者へ「家を出よ」と励ましている言葉は、母への慕情を断ち切るための自らへの奮励でもあったのだろう。一日一回は怒れといったり、悪口をいうのが好きだといったり、耳目を集めるどぎついことを撃ち放ち、その後で経験と熟考と鋭利なセンスで論を繰り広げていく。これを27歳で書いたことに驚く。そして「桎梏」という語の多さよ!「家出」に反語はないと述べていたが、「桎梏」こそが反語ではないかと思った。そして「家出」の同義語は「自由」であると「涙ぐむジル」以降を読んでいて思った。このあたりは哲学的でもあり(観念的難解さをもつ部分が全般的にわりとある)またじっくり再読してみたい。
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本書での寺山修司のよいところは、投書に対して一定の評価をしたあとにその他欠点について論議するところで、この始めに評価し後から修正点を話すのは日本的だそうなのですが…この順序によって寺山のセンスを理解したのち、そのセンスにしたがって世俗を構成するしがらみを分解、解析しエッセイの一つの形ができているなと感じます。大抵の本はそうなのかもしれませんが、独歩型な作家はそう書いてくれるとありがたいんですね。本来の「祭り」は、自分の役割を忘れることにある…。
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寺山修司の27歳時の作品・・とは信じられないほどの深い含蓄とスマートなユーモアに溢れる.
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よかったです
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高校生か、大学生の頃に購入。
親から自立するのが大人になる第一歩と考えていたんだな。ただ、家出まではどうか?と思っていたような気がする。 -
【229】
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万年反抗期のような寺山修司さんが、だいすきです♡
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自由への渇望
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心の姥山をつくる
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(1994.08.21読了)(1983.07.03購入)
現代青春論
内容紹介 amazon
書を捨て、街に出よう--若者の未来の自由は、親を切り捨て、古い家族関係を崩すことから始まる。「家出のすすめ」「悪徳のすすめ」「反俗のすすめ」「自立のすすめ」と、現代の矛盾を鋭く告発!(竹内 健)
☆寺山修司の本(既読)
「人生なればこそ」寺山修司著、大和書房、1967.10.01
「幸福論」寺山修司著、角川文庫、1973.01.30
「書を捨てよ、町へ出よう」寺山修司著、角川文庫、1975.03.10
「誰か故郷を想はざる」寺山修司著、三笠書房、1984.03.15
「さらば箱船」寺山修司著、新書館、1984.08.25
「母の蛍」寺山はつ著、新書館、1985.02.15
著者プロフィール
寺山修司の作品





