さかさま文学史黒髪篇 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041315125

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの再読。林静一の表紙絵と、不織布のような薄いカバーがかかっているのも気に入って、購入したのでした。

    明治~昭和の文豪を、彼らに纏わる女性たちに焦点を当てることで、「実はこんな人間だったのではないか」と探り当てていくような話。ここに書かれていることを全て鵜呑みにすることはできないが、読み手の関心や知識によって興味深く読めるところが、いくつかは必ずあると思う。「智恵子抄」の件は、今読むとなかなか手厳しいことが書いてあるなあ、と思ったり、「風立ちぬ」のところは、高校時代の国語教師(全て男性)がこぞって感銘を受けた本としてこの作品を挙げていることに、改めて納得したり。詩や短歌が多く取り上げられているのも、寺山氏らしいところでした。

  • 21年振りの再読です。
    購入しようとしたら、絶版だったので古本で購入しました。

    有名な文豪や画家の側で生きた女性に焦点を当てている印象です。

    例えば高村光太郎の智恵子抄、常に詩の題材にされる智恵子の気持ちは考えた事がなかった。
    なるほどなあ、別の角度から見たらそうだよなーとしみじみしました。

    幼少時代の傷に苦しむ坂口安吾を愛した三千代さんの人柄に興味を持って、彼女が書いたクラクラ日記も購入しました。

    一人当たりの文章が短いので読みやすいです。

  • これ面白いのに今は絶版らしい。なんでだ。通説を聞いた時にもやもやした気持ちを寺山が解説してくれたみたいでスッキリした。

  • 好きです。文豪などを女関係の側面から描く新文学史。坂口安吾のくだりに感動。太陽と月、陰と陽ではないですが、男女の一対なるバランス。マイナス要因も含め、異性と喜怒哀楽する、そんな人生を噛みしめたい。

  • 2010/5/9購入

  • (2009.7)

  • 文豪達に、「女」を通して迫る。
    取り上げられている文豪を大して知らなくても非常に面白いですし、1人あたり10ページ程度と読みやすいです。
    文豪達の作品に「女」が投影されている事も有るので、また作品を読み返したくなります。

    0208-0211
    /////
    天才詩人中原中也と女優長谷川泰子のロマンスの実相、近代文豪島崎藤村と姪こま子の恋の後日譚、彫刻詩人高村光太郎と妻智恵子の愛情物語の虚構など。――
    文学史上に燦然と輝く文豪たちの波乱に満ちた一生を陰に陽に彩る女たち。彼らの創作の秘密をときあかす鍵としてさまざまな位置にあった女たちにスポットをあて、著者自らの文学的体験を織りまぜながら語る、ユニークな、女のためのもう一つの文学史。

    <font size="3">『風立ちぬ』を書かせた綾子は「真の婚約」をうらぎって他の女と結ばれた辰雄に罰として、二度と「美しい」小説を書かせないようにしたのだ――そう考えるのは、まちがいであろうか? 読者の皆さん。</font>

  • 日本の文学者と文学者の女の歴史。
    文学者とその女、二人の関係から見える文学者の人間像を寺山が語る。

  • 文人たちの隠れた恋模様が知れる。

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著者プロフィール

寺山修司(てらやま・しゅうじ):1935年、青森県生まれ。54年「チェホフ祭」で短歌研究新人賞特選を受賞、脚光を浴びる。早稲田大学教育学部在学中にネフローゼを発病、4年間の療養生活を送ったのちに劇団、演劇実験室「天井棧敷」結成。劇作家・演出家として活動するかたわら、映画監督、詩、小説、批評、歌謡、競馬評論など、国内外で様々な分野の才能を発揮した。83年5月、旺盛な仕事のさなかに逝去。

「2023年 『さみしいときは青青青青青青青』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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