家出のすすめ (角川文庫)

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  • 角川書店 (2005年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041315231

作品紹介・あらすじ

「書を捨てよ、町へ出よう」――若者の未来の自由は、親を切り捨て、古い家族関係を崩すことから始まる――。
愛情過多の父親、精神的に乳離れできない子どもにとって、本当に必要なことは何なのか?
「家出のすすめ」「悪徳のすすめ」「反俗のすすめ」「自立のすすめ」と4章にわたって、現代の矛盾を鋭く告発する寺山流青春論。


※カバーの絵柄は(株)かまわぬのてぬぐい柄を使用しています

みんなの感想まとめ

本書は、現代の若者が直面する自由と家族の関係について鋭く問いかける作品です。寺山修司の独特の視点から描かれる「家出」というテーマは、愛情過多の親との葛藤や、自立の重要性を考えさせます。読者は、彼のシニ...

感想・レビュー・書評

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  • 寺山さんは、わたしが産まれるずいぶん前に産まれて、わたしが産まれる前に亡くなった方。
    それなのに、こんなにも共有できるものが多いのは、結局いつの時代も変わらないということなのか…性に対する見方は時代とともに変化している気がしているけれど、それは外面かもしれない、とも思いました。
    特に面白かったのは、「サザエさんの性生活」。サザエさんは、わたし自身が苦手な作品であることもあって、とても痛快、そして納得。
    家というものに縛られる日本。そのくせ求められる自立。子どもから大人になる中で、もがいて、自分の生き方を見つけていく。でもそれは、なかなかスムーズにはいかないもんで…
    そもそも、どうしていきなり生まれ落ちて、どうして自分では選べない家というものに縛られないといけないのか。縛られた状態では自分の生き方なんて見つけられない。家出をして、自分を親から切り離し、縛られていたものから解放され、自分とは何者かを考えること。愛情で始まる親との関係を、最終的には友情という関係とすればいいという考え方は、なるほどなと思いました。家出(自立)というものに、一歩踏み出せない人や、家出(自立)に罪悪感を感じてしまう人への希望の言葉なんじゃないかな。

  • 草津の旅のお供に。寺山修司のエッセイって絶対に出先でしか読みたくないんだけど、この気持ちなんだろう。

    本作に書かれているのは、題名そのまま"家出のすすめ"および"自由論"。
    そして尖りに尖った小見出しは、「サザエさんの性生活」「行きあたりばったりで跳べ」「サド情話」「吃音クラブ」「死体教育」「と畜場の思想」「自由だ、助けてくれ」などなど。
    キレキレで痛快な内容だったなぁ。我々に必要なのは、故郷、常識、日常からの離脱!
    このぐらい破天荒な考え方とエネルギーを持っていないければ、寺山修司の出身地・青森からはるばる東京にまでやってくることはできなかったのかな。
    同時に読んでいた本(Wi-Fi幽霊)にでてきた、首を刎ねられても生き続ける鶏の話がこっちでも言及されていて、不思議なリンクに少し笑った。

    金言もたくさん。

    〈親の愛情、とりわけ母親の愛情というものはいつもかなしい。いつもかなしいというのは、それがつねに「片恋」だからです。そして、いずれは自分を捨ててゆくとわかりきっている恋人に、うらみつらみの恋文を書くようにしてうたわれるのが子守唄なのです。〉

    〈わたしは、同世代のすべての若者はすべからく一度は家出をすべし、と考えています。家出してみて「家」の意味、家族のなかの自分……という客観的視野を持つことのできる若者もいるだろうし、「家」をでて、一人になることによって……東京のパチンコ屋の屋根裏でロビンソン・クルーソーのような生活から自分をつくりあげてゆくこともできるでしょう。〉

    〈生きること、日常のすべてを、他の人たちと同じようにしてはいませんか?
     たった一度しかない人生を、一つ一つ、無意識に概念に操られているならば何んてもったいないことか。そのことを気づかぬかぎり、たぶんあなたに、自由はないでしょう。しかし、そうした疑問が生まれた瞬間から、あなたは自分自身の未来になることができるかも知れないのです。〉

    〈「だからこそ、家出の必要があるのです。
     あなたは家をつくったのではない。家につくられたのです。幸福だとおもっているが、それはたんに、ある日あたえられた幸福感を持続させようとおもっているにすぎない。
     ……しかし、今のままだと、あなたの行先は目に見えています。
     事態はおそらく、あなたの予想どおりにしか進展しないでしょう。あなたはいまの彼氏と結婚するだけです。
     意外なことは何一つ起こらない
     「そう」
     「そして、何の可能性もないままに、家でよろめきドラマのテレビなど見ながら老いてゆくだけです」〉

    〈ただ、たしかなことは自分の未来が自分の肉体の中にしかない、ということであり、世界史は自分の血管を潜り抜けるときにはじめてはっきりとした意味を持つものだ、ということです。
     自由というのは、もはや、不自由の反対語ではないのです。〉

    これは私だけかもしれないけど、村上春樹がこのソウルの系譜を受け継いでいるような気配を端々に感じた。

  • 好き勝手に言っていいなら寺山修司の上品互換が村上春樹だと思う。高田純次が好き。

  • 個人的に、寺山修司は学問的な機会で学ぶような常識ではなく、仕事場の同僚であったりアパートの大屋さんから学ぶ処世術のような印象を受ける。ちょっとシニカルなのがクセになる。

  • 三沢への旅行きっかけで寺山修司という人物を知り読んでみた

    まるで現代の事を言ってるような部分も多く本質を突いて思考をしているだろうと思う
    寺山修司博物館も異世界のようだったが良かった

    寺山修司ファンになりそうだ

  • 自分の知らない思想や世界の話しでした。
    なので、ちょっと理解できなかったです。

  • 「書を捨てよ、町へ出よう」(1971) の映画作品を観て度肝を抜かれたのもはや数年前。その書籍版も読んだはず…だったがその後彼の残した活字を追う作業は進まぬまま、そんななか随分と間を開けて本書が手の中に。

    どうして今かの理由は読後にははっきりしなかった。内容も10代に向けて書かれているわけで、ある意味の家出、いうなれば「国出」まで決行してしまった自分としては時期相当遅とででも呼ぶべきか、多くの言葉が今となってはもう響かない。それもそのはず、書いている寺山自身も当時20代の後半だったとのこと。いろんな意味でタイミングに難ありな…。

    しかーし。その数週間後にタネ明かしが。居酒屋のカウンターで常連のお客さんに話しかけられる。

    「どう?今度の寺山は行くの?」

    その人は自分が映画好きであることを十分承知で話しかけてくれたのだが当の自分は「?」状態。仕事が忙しいという言い訳でもってアンテナが錆びつきかけていたところ、他の方の助けを受けてかろうじて引っかかった。国立フィルムセンターが最近修復が完了したばっかりのNew Printを多数引っさげ、まずNew Yorkからという感じで凱旋してきてくれたのだ。

    つまりはタイミングは抜群だったということ。

    巻末には彼の年譜がついていた。今一度読み返して残りの上映に臨むとしよう。

  • 自分が思っていつつも、なかなか口に出せずにいた事なんかがたくさん書かれてて驚いた。

    「東京へ行こうよ。行けば行ったで何とかなるさ」63p

    うん、自分もそう思う。

  • 家出のすすめの章は、なかなか過激派な意見だと感じた。
    客観的なフリをして、一貫して母と息子の関係に触れるので、作者の経験であることがすぐに感じる。また少々、女性に対してかなり荒っぽいというか…行き過ぎた思想があるようだ。
    「父親」という言葉がほとんど出てこず、母の執拗な息子への愛に対して害だの、女が家出したのち風俗嬢になろうとそれも幸せだと言うのも、なかなかに古く凝り固まった男の香りがする。
    過激派な家出主義者だとしても、その孤立した鋭さ故、現代にもなにか響くものがあるのかもしれないが、いずれにしても、この本は独創的な過激派の作家が記した、個人的で感情的な本だと思う。

  • 倫理的にさすがにどうなの、という主張も多かったが、ホントのホントのところ、自分がどう生きたいか、を考えさせられた。
    社会規範にとらわれずに個人としての生き方を考えるという点で、岡本太郎の『自分の中に毒を持て』と似た雰囲気を感じた。人生に対する姿勢、責任、覚悟を思い起こさせてくれた。

  • 久しぶりに、おそらく20年ぶりに読んだ。当時17歳、父が嫌いで、文化的でない地元が嫌いで、そして俗物的つまり世間に埋もれてしまうことが怖くて仕方なかった私はこの本に衝撃を受けたことをよく覚えている。

    ーだいたい「親のため」だけではなくて「…のために」という考え方は自分をごまかす理由になる場合だけが多いようです。ー

  • あまりおもしろくなく…途中で挫折。

  • 親を捨てる!!!

    第1章が一番好きだ。
    家からの脱出、親からの脱出。

    精神的結びつきをバッサリ切る。特に母一人子一人の場合は。そのまま人生を寄生されてしまう。
    いかに寄生されている人たちが多いことか。

    おれもまさしく父親が経済的ろくでなしだったために、蒸発した後母一人子一人になって、官僚になっちまったが、その少ねえ手取り20万弱のうち10万円以上を母に渡して、しまいには35年ローンを組んでマンションを買ってしまった。
    これで人生は終わった!w終わった!

    だから、家出をして、母親を捨てた。マンションを幸い売っぱらってできた金をいくらか積んでそれ以降は縁を切った!終わった!
    これをしなければ、精神的去勢をされた男になって人生は終わった!何が終わったかって、そこの人生に自分という人間はいなかったということだ。そのまま気づいたら棺桶の中だ。
    最近毒親が流行っているが、とにかく大事なのは、倫理と親をぶち捨てることだ。
    姥捨て山はただの伝承ではない。必要なことだ。

    そこからでしか自分の考えを持った自分の人生は作れない。親との関係が捨てられないと、会社の上司だかなんだかが親に投影されて、すべてを受け入れてしまう!
    「なんだこいつ、馬鹿なこと言ってら。黙ってろトンマが」と、自分のことを優先できずに悶々と、よくわからないままなにか服従するものをひたすら探す人生になってしまう。

    親を捨てること。そこからでしか親との関係は始まらない。
    おれはまだ捨てて2年しかたっていないので関係は始まっていない。「親が死んだら悲しむぞ」という脅し文句を言うのはいつも親だ。人間は生まれてからずっと一人だ。生きてようが死んでようが変わりゃしないのだ。

    さて、では家出をしてからどうする?
    そいつは悪戦苦闘するんだな。自立か悪徳か不義理か。生きるためならパンを盗んだっていいんだぜ。

  • ムラ社会的な考えに疲れている時に手に取った積読本。
    青春時代といわれる年齢に読んでおけばよかったかもしれないが、今の今でもユーモアのある文章に勇気づけられたり、ふとした時に真理をつかれている様で今は妙に感動したりと。

  • 都合の良い言葉は当然のように自分の心を後押しするが、基本的にはよくわからなかった。
    独り言を読んでいるようで、中には共感したり、納得したりするものもあった。
    サザエさんの性事情話などは笑えた。

  • わからなかった

    言いたいことが理解出来なかった。
    家出は悪ではないが、家出をすすめることはいかがなものだろうか。

    時代が違うため価値観も変わってきているのだろうと思いました。

    第4章での、思い出されるより忘れられない人になりたい、という考えには共感出来ました。

  • まさにいま、家を出ようと考えている自分にはぐっとくる部分も多かった。親を一度捨てて新たな関係を築く、というのは確かに大事かもな〜
    この頃の情勢とかを知ってたらもっとよく理解できたのかなと思う。

  • 寺山修二のメッセージはいつも明確だなぁ。「社会に規定/去勢された人生で満足?」社会の最小単位である家族からの解放である家出をはじめ、時代によって“犯罪”の定義が変わることを逆手にとって面白可笑しく悪徳を説き、暗いイメージの反俗を明るく語る。そして最後はうまくまとめて精神的に意味で自立したまえ、ということに帰結していく。書いていることが極端なだけに、逆に読み手は自分の中の規範と向き合うことができますが、言葉が巧みでその気にさせる要素を十分に孕んでいるので素直すぎる人にはお勧めしない((+_+))カリスマ。

  • 物事には必ず表裏があり、その裏側の方を半ば真面目に考える書、ですかね?
    少々古い本であり、その時代の風俗を理解出来なければ厳しい部分もあるが、それ以前に作者が本気で書いているのかユーモアで書いているのか判別できない時もありなんだか散漫としています。
    多くの書物から引用されており大変な読書家だったのではと思いつつ、破天荒な考えにしばしば置いてけぼりを食らってしまいました。
    個人的には作者の好きなJAZZへのこだわりを読んでみたいですね。

  • とても面白かった。

    『家』とのつながりについての章に『サザエさんの性生活』の掘り下げをぶっこんでくる辺りのセンスがなんとも素晴らしい。

    この作品が出版されたのが今から40年以上前ということが信じられない。

    時代は変わっても根本は変わらないということか。

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著者プロフィール

寺山 修司(てらやま・しゅうじ):1935-83年、青森県弘前市生まれ。早稲田大教育学部に入学(後に中退)。歌人・劇作家、評論家など多岐のおよび活動。劇団「天井桟敷」を主宰。著書に『家出のすすめ』『書を捨てよ、町へ出よう』など。

「2025年 『街に戦場あり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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