ポケットに名言を (角川文庫 て 1-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041315248

作品紹介・あらすじ

世に名言、格言集の類は数多いけれど、本書ほど型破りな名言集は珍しいのではないか。歌謡曲あり、懐かしい映画のセリフあり、かと思うと、サルトル、サン=テグジュペリ、マルクス…。しかつめらしく覚えたり、読むのではなく、Tシャツでも着るようにもっと気軽に名言を自分のものにしよう!思い出にすぎない言葉が、ときには世界全部の重さと釣り合うことがあるのだから。異彩を放つ、真にユニークな書。

感想・レビュー・書評

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  • どこへ行くにもポケットに名言を
    言葉を友人に

    変質する時代と言葉の価値の中にも、きっと不変の力があるね

  • 小説や映画、詩、歌詞など分野を問わず、自分の心に響いた言葉が名言であり、時に処方箋にもなる。言葉のもつ力や可能性を改めて感じた。自分なりの名言を集めていくのも面白そう。

  • 何時ぞやのアメトーークの読書芸人で紹介されてて、読んでみました。
    一度全部読んで、後はその日の気分で自分に合ったページを読み返すと深まるし、ぐっと来ます。素敵な1冊に出会えました。

  • 一言でいえば「名言集」だが、なるほど、確かに「異彩を放つ、真にユニークな書」だと思う。

    様々なジャンルから引用される「名言」を読んで、
    正直前後の文脈があってこその「名言」になるんじゃないかなぁと思った。
    しかし、引用したあとがきを読んで、こんな軽いノリでいいのか、と考え直した。
    年をとれば「良い言葉だな」と思う基準も変わるし、
    時代変われば言葉も変わるし、
    あんまり堅苦しく考えなくてもいいのかも。
    受け取る側が、「名言だな」と思うならどんな言葉も「名言」になるし。

    紹介されてる「名言」自体は、わかるのもあればわからないのもあるが、
    (名言というには長すぎる引用もあるし)
    自分にとっての名言が100も200もあっては大変なので、
    さくっと「こんな言葉があるんだ」くらいの気持ちで読むのがいいと思う。
    自分の心に響く「名言」があればめっけもん。

  • 「書を捨てて街に出よう」
    といった人が、
    「ポケットに名言を」
    ときたので、これは読まずにはいられない。

    たしかに、感銘を受けた名言がいくつか載っている。

    自分で、自分の気に入った名言集を作って、
    ポケットにいれておきたいと思った。

    今日から、ひとつづつあつめて、3年後に、1000名言があつまったら、
    自分の集めた名言集を出版しよう。

    「ポケットに名言をII」

  • 高校の時初めて読み感銘を受け、その後も何度か拾い読みを続けてきた本。
    「アメトーーク/読書芸人」でスピードワゴン小沢さんが、この『ポケットに名言を』を人にあげたくなる本とお話しされ、一緒に見ていた娘が興味を示したので、本棚から引っ張り出しました。
    今は、娘が酸化してまっ茶色の本を読んでいます。

  • 寺山修司があつめた言葉たち。
    文学作品の域を飛び越えて、映画の台詞や歌謡曲、偉人の格言やヤクザ言葉まで!寺山の言葉への愛がたくさん詰まっています。
    私の好きな詩もいくつか入っていました。

    世界に言葉がある限り、どんなところにも珠玉の名言は在るんだなあと思わせてくれます。自分も昔から似たような言葉集めをしてきましたが、色んなところに書きつけたまま散らばりっぱなしです。少しは拾い集めておきたい。
    まず最初にポケットに入れたい名言はなんだろうなあと考えて、こちらの詩が浮かんだのでメモしておきます。

    山のあなたの空遠く
    「幸」住むと人のいふ。
    ──カール・ブッセ 『山のあなた』

  • 名言や格言集ですが、
    ただの名言を集めた本ではありません。
    偉人の名言や聖書からの引用もあれば、
    映画のセリフや歌の一節もあります。

    出てきた映画や歌、小説など
    触れてみたいと感じました。

    180ページ少しの量ですし小説ではないので
    本が苦手という方も読まやすいと思います。

  • スピードワゴン小沢がおすすめしていたので読んだ。

    本当に色々な言葉がある。
    この本を読んでいると、そこら辺に転がっている言葉にも宝石があることに気づく。

    発言した人の性格や権威で、その言葉が価値あるものだと今まで見做してきたが、それは間違えなのかもしれない(もちろん、人の性格や権威を言葉を吟味するのに重要なファクターである)。
    言葉は発言した者の物ではなく、受け取った者の物なのだ。
    どう扱うかは自分次第なのだろう。

  • ボクサーになりたいと思っていたが、詩人になった。そして、言葉で人を殴り倒すことを考えるべきだと思った。この本にある最初のこの言葉に、何よりもパワーを感じる。印象的な言葉はいくつかあるが、名言として切り取って紹介するのではなく、文脈に知った上で名言を知れば、感じ方はまた違うのかもしれない。気になった名言をひとつ、「退屈-この怪物を押し潰す、ただそれだけのために、人はピストルを己の脳漿にぶちこむことすらある。」(原口統三「二十歳のエチュード」)

  • 寺山修司選の名言集。わたしも心のポケットに名言を入れて持ち歩きたいなあと思った。寺山修司にとっての名言はわたしには少し難しくて、名言だと思えないものも多かった。でもそれこそが、ことばとしての面白さなんだと思う。ことばは手段であって、それ自体に意味はないんだよね。同じ「愛してる」でも、使われる状況や背
    景によって、不治の病をなおす薬にも鋭いナイフにもなり得るから。
    ことばは受け取り方次第だし、昔好きだったことばでも自分の取り巻く環境が変われば受け入れられなくなったりもする。それでいいし、それくらいでいいんだと思う。むしろ自分が昔と比べて変化していることに喜んだほうがいい。「現状維持は衰退」と言うし。でもわたしは「現状維持だって才能、すばらしい」といつも思ってる。この世のすべては何だっていい。これは諦めじゃなくて受容、愛です。

  • 寺山さんの好きな名言集。
    掻い摘んでいる感はあるものの名言は名言。
    いいよね、と思う。

  • #名言を必要とする今日もさよならだけが人生だろう

  • さまざまな作者から生まれた名言を一節として、テーマ別に作者が選別して載せている。寺山修司の人柄なのか、選んだ名言のほとんどがどこか皮肉ったような言葉と感じられるのが興味深い。この中でドストエフスキーの言葉はインパクトがある。全体で特に気に入ったのはジョンブレインの年上の女から引用した「あなた、私を好き?好きだとも!どのくらい好き?お金にして10万ポンドくらい。そう。10万ポンドくらいだよ!」

  • 2019/08/07

  • 状況とか前後の文脈がわからないとなんとも言えない部分もあるけど、語感がかっこいいものは印象に残る

  • 20190131読了。
    人生初、寺山修司の本を読みました。
    名言集だけど、本人が書いた本からの引用もあったりでちょっと異色な感じ。取り上げられている名言の原典は殆ど分からなかったけど、太宰治・三島由紀夫が度々出てくるのは、よっぽど寺山さんの印象に残ってたのかなと思いました。谷川俊太郎さんの詩片が載っていたことに吃驚しました。同年代とか谷川さんの方がちょい上かとかだったのかなぁ。

  • 2018年、23冊目は、主に隙間読書用にしていた、寺山修司。

    20年以上前に出会っていてもおかしくなかった一冊。まさか、寺山がその生涯を終えた年齢を越えてから読むことになろうとは……。

    寺山が、その審美眼で集めた、古今東西の名言集。ドストエフスキーとブルース・リーの台詞が、西田佐和子の歌と太宰治が並んでる名言集なんてそうそうあるもんじゃない。

    寺山のセンスを裏打ちするのは、広げられたアンテナと、そこにかかったモノを書き留めておくという一手間。

    平成という時代が終わろうとしている、現在。昭和はどんどん遠ざかっていく。それでも、1970年代に編まれた名言集は、未だに機能している。

    もちろん、人により、受け取り方も様々。全弾命中というわけにはいかない。しかし、時に切り裂き、突き刺し、エグる。そんな言葉達も用意されている。

    肩肘張らず、カジュアルに持ち歩く。隙間読書用にも、ジャストな一冊。

  • 名言ものが好きで久しぶりに読んでみた1冊。寺山修司さんの名前はよく知っていたものの、文章に触れたのは初めてかも。演劇からも多くの名言がピックアップされていて、かつての偉人の言葉だけでなくそういう分野にも受ける刺激はあるよなぁと改めて。演劇の名言(名台詞?)については、前後の文脈も含め生で聞いた方がより心に残るんだろう。ひとつ印象に残ったものをあげるなら、「喧嘩の良いところは仲直りができること」という言葉。子どもの頃にこういう言葉を教えてもらっていたとしたら、もっと仲直りはスムーズだったかもしれないな、とか。

  • もっと寺山修司を知りたくて手に取った本であったはずなのに読み進めるうちに「しまった…、これらは寺山の言葉ではない…」ということに気づいて若干落胆したタイミングもあったのだが無事持ち直して読了。

    終盤に来たところで彼自身の言葉も収録されていたことに素直に喜びつつ、やはり彼のシナプスを通り抜けて選別された言葉の群れに触れられたのは幸運だったと感じられた。彼自身による改訂新版あとがきのなかにはその際に改めて選出しなおした背景も語られており、その「交友録を公開するように…」という表現がかなりすとんときた。

    これからもポケットに入れて持ち歩いてみよう。

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著者プロフィール

詩人、歌人、劇作家、シナリオライター、映画監督。昭和10年12月10日青森県に生まれる。早稲田大学教育学部国文科中退。青森高校時代に俳句雑誌『牧羊神』を創刊、中村草田男らの知遇を得て1953年(昭和28)に全国学生俳句会議を組織。翌1954年早大に入学、『チェホフ祭』50首で『短歌研究』第2回新人賞を受賞、その若々しい叙情性と大胆な表現により大きな反響をよんだ。この年(1954)ネフローゼを発病。1959年谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始め、1960年には篠田正浩監督『乾いた湖』のシナリオを担当、同年戯曲『血は立ったまま眠っている』が劇団四季で上演され、脱領域的な前衛芸術家として注目を浴びた。1967年から演劇実験室「天井桟敷」を組織して旺盛な前衛劇活動を展開し続けたが、昭和58年5月4日47歳で死去。多くの分野に前衛的秀作を残し、既成の価値にとらわれない生き方を貫いた。

「2024年 『混声合唱とピアノのための どんな鳥も…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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