- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041315255
作品紹介・あらすじ
青春とは何だろう。恋人、故郷、太陽、桃、蝶、そして祖国、刑務所。18歳でデビューした寺山修司が、情感に溢れたみずみずしい言葉で歌った作品群。歌に託して戦後世代の新しい青春像を切り拓いた傑作歌集。
感想・レビュー・書評
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「列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし」
季節はもう冬だというのに,どうしようもなく夏を思い出す。
普段は歌集なんて読まないので,よく分からないものが多かった。
それでも読んだ瞬間,頭の中に広がる世界がどれも鮮やかで美しかった。
「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」
これらの詩が高校生の頃の作品だというのが信じられない。
でもその一方で,高校生だったからこそ生まれた作品だというのにも納得がいく。
「わが夏をあこがれのみが駈け去れり麦藁帽子被りて眠る」
あぁ,夏が恋しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大工町寺町米町仏町 老母買ふ町あらずやつばめよ
新しき仏壇を買いに行きしまま 行方不明の弟と鳥
見るために両目をふかく裂かむとす 剃刀の刃に地平をうつし
ほどかれて少女の髪に結ばれし 葬儀の花の花ことばかな
など、40年後も暗記しているものありがあります。
映画「田園に死す」、老後の我が脳裏にこびり付きおり。です。
寺山の「家出のすすめ」と共に、親離れする時期に読んだ本です。
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#偉大なる思想などにならなくとも偉大なる質問でありたい
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読み直すたびに、その時の自分に響く作品が変わる。
自分のバイブル的な本。
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草にねて恋うとき空をながれゆく夏美と麦藁帽子と影と
マッチ擦るつかの間海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや
ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲のかくまで苦し -
天地開く雷鳴の如き激烈な才能。総身燃ゆ。
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歌は映像だと初めて意識した作品
一遍一遍に目を通す度に、様々な映像が頭の中に浮かんでは動き出す。初めての体験でした。
寺山修司が、ようやくあぶりだした、日本の暗き田舎像についても、共感まではいかないまでも、理解できるような気がします。 -
ビビットカラーな病みかた。苦しくて熱くて青くて寂しいって意味での青春。
装丁イイネ! -
パラパラパラっと。
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すっごい少女趣味だと思う。でも、たまにどきっとしてしまう。自分も女なんだなあ、と思う。しかし書いたのはオジサンだ。
著者プロフィール
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