さかさま恋愛講座 青女論 (角川文庫)

  • 角川書店 (2005年2月25日発売)
3.57
  • (42)
  • (42)
  • (114)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 586
感想 : 47
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041315286

作品紹介・あらすじ

「少年」に対して、「少女」があるように、「青年」に対して「青女」という言葉があっていい。「結婚させられる」ことから自由になることがまず「青女」の条件。自由な女として生きるためのモラルを提唱。

みんなの感想まとめ

テーマは自由な女性の生き方を探求する「青女論」であり、現代に通じる深い洞察が詰まっています。著者は、男女や性差についての普遍的な問題を扱い、昭和56年に発表されたにもかかわらず、今なお新鮮に響く言葉を...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 演劇・映画・文学・評論などあらゆる分野で活躍し影響を与え、やがて伝説となった寺山修司の著作。「少年」に対して「少女」があるように、「青年」に対して「青女」という言葉があっていい。そんな導入から語られる青女論が数多のテーマに分けて綴られている。

    一番驚いたのは本作が昭和56年に出版された本にも関わらず、現代社会に通ずる格言や風刺する思想も含まれているように感じたこと。昭和も令和も愛や金や性について考え意見する核の部分が何も変わっていない。SNSで男女や性差のトピックに日々論争を続ける日本人を蹴散らすには、本作に綴られた寺山修司の言葉が必要なのかもしれない。ただこれだけの時間が経っても変わらなかった事実を加味すると、人間の本能的な要素に課題が潜んでいるのではないかとも思えてくる。
    確実に言えることは、昭和の時代も令和の時代も寺山修司の提唱する生き方や思想は最先端であり希望であるということ。

    東京グランギニョルを中心に60〜80年代のアングラ演劇に関心がある自分にとって、その分野の代表的人物でもある寺山修司は興味深い存在だった。彼の著作に初めて触れたことで、芸術全般に対する新たな視点を掴めた気がする。

  • きもちわるー!!!!寺山修司ってこんな感じなんだ、うわー。文化人ぶって女に寄り添ってますよ感出して言葉の端々で無意識に見下してるのが不快だった。男の認識を改めることはせず、前時代的だと言うためにわざわざオバサンとこき下ろす。女を褒めるために〇〇の妻、とまず夫をあげたり関係のない容姿を評価したりひたすらグロい。自分に都合のいいこと言ったひとりを持ち上げて女はこんなことを言っている!って視野が狭すぎ。50年くらい前ってこれが新しくて進んでると言われる程度にはひどかったんだ、って知ることができたのはよかった。

  • 命短し、恋せよ乙女。


    化粧
    情熱
    らしさ
    老後
    幸福

  • 寺山修司はいつも真剣で深刻だから読み始めてから、しまった、と思う。
    三島由紀夫はふざけているのがわかるから、たのしく気楽に読めるのに。
    ちょうど良い間抜けな男と結婚し、素敵な男と不倫するのが女の幸せだ、と説く三島が真剣なわけがない。
    本当に効果があるのはこんなランダムで卑怯な方法だと思う。
    もしかして自分がコキュかもしれない、違うかもしれない、そんな恐怖を与えるのだ。

    日本の女性が痩せすぎているのは、働かせすぎだからだと思う。無理させすぎ。こんなに何もかもできるわけない。

    私は太宰の言う、女はだめね、が好き。
    でも太宰の言う切腹の論理は許せない。
    死ななくていいから手を動かし、頭を働かせ、問題解決に取り組んでほしい。
    自分の無能さを謝罪で誤魔化そうとする人とは仕事しない。絶対に改善する気などないから。

    女のだめさも、女の豊かさの一つですよ、と思うけど、こういう時代もあったのだな、と読むのが良いのかな。
    幸福は食べ物で作られるのは本当。
    幸せは大腸でつくられるから。

    家事よりも演劇や詩や芸術が崇高だとは全く思えない。人によって大切なものは違うし、本当に好きなものに対する気持ちって、必需品、切らしたから補充しなくちゃ。こんな感じ。
    音楽や本や洗濯に対してこんな気持ちがあるけれど、演劇や美食に対してはこんな気持ちはない。
    だからこういうの読むたび、家事労働とそれ以外という分け方は変だよなあとつくづく思ってました。

  • 刊行は30年以上前ながら、なげかけられた疑問符や随所のマザーグース引用、そして他の女性論をこきおろす最終章のくだりがロックな1冊 
    妻になった私には新しいアングルとなる作品でした

  •  

  • 女は面、男は点。
    全身で感じるか、局部に限定されるか。
    レーザービームのように考える人は、
    男性的だ。


    男には、ロマンがいる。
    たかが30センチの摩擦運動にすぎないことを神格化するために。
    童貞にも通じる。

  • 1981年の著作物であるけれども、当時生まれてすらいない私が読んでも充分に先進的な内容だった。マザーグースが頻繁に引用されているのが面白い。
    寺山修司の著作全般に言えることだが、没頭して自分の人生について考えさせてくれる作品は少ないと思う。読んでいてどこか心が躍ります。

  • 寺山修司の青女論自体にも膝を打ったし、「旅は猫、想像力はねずみ」という言いまわしに感動した。誰がどこに旅へ出たとしても、その人の想像力を上回る風景なんて得られないよな。

  • ”家は建築物ではない。2人にとっての思想です”
    ”まだまだ、世間体や近所の噂、古い因習や道徳律、そして損得と安全に捉われて何もできないでいる若者たちが、その抑圧と不満を、映画のスクリーンの中の代理人たちに晴らして貰っている現実がおおすぎます。代理人からの独立を宣言し、時にはささやかな「独立戦争」ぐらいを覚悟して、自由な女になるべきだと思うのです”
    ”命短し、恋せよ乙女”

  • ずっと感じていた性別における生きにくさの原因が判った気がする。読んでいて、そう、それだ。そうなんだ。と、ページをめくるスピードがどんどんあがった。自分が迷ったときに何度も読み返したい。

  • 青女は寺山の造語で、青春期にある女性向けのエッセイ、といったくらいの意味。全体のトーンは軽いのだが、その根っこにあるのは、寺山のアナーキーなまでのリベラリズムだ。彼は、徹底して既成のモラルや権威を信用しないのだ。それはもう見事なまでに。その意味で本書は、詩人や歌人としての寺山よりは演劇人の寺山色が濃厚に出ているだろう。「女らしさ、などは存在しないのです」、「愛情は、虚構です」などアフォリズム風の裁断の仕方も小気味よい。また、未来世界ではブタに人間の臓器を造らせるなど、見通しも確かなことを証明している。

  • 寺山 修司「青女論―さかさま恋愛講座」読了!久しぶりに寺山!やっぱり大好きだー!青女論をテーマとしつつ、社会と個人の関係性をユーモアを持って語っている本に見えた!本の批評は笑ったし、岸田秀との対談も良かった!文章のリズムも良いし、語り口のセンスはやっぱり僕の憧れ…!!

  • 初読時に引いた線の部分、やはり変わらず首肯。81年の版であり、やや古い本だけれど、おとこや社会の目から見る「女の子」像からはなれた健全な青年女子のすがた、かくあるべし、というかんじ。
    しかし女性の自立云々、といくらいっても、こころの自立生き方の自立のためには、おかねとしごとの自立が大前提なのじゃないかしらん。
    この本では生き方のことについて多くのページが割かれ、その土台になるべきおかねと仕事については論がうすいと感じた。
    いまは、女性の仕事は格段に増えたしずっと働きやすい社会になったから。いまこそ、女性のお金の稼ぎ方と仕事の続け方について考えるべき。

  • 読む度に、私を自由にしてくれる。
    私はこの人が好きです。

  • 結婚して恋が出来なくなるなら、恋愛し始める時期を15歳としても8年くらい、そのうち3分の1は睡眠時間、つまり本気で恋ができる時間は2,3年しかない。。
    このひとすごいってば。

  • いつもながら、過激だな、と思う。
    寺山は多聞であったし、それを論理的に、ひっくり返して考えることの出来た人だったのだろう。自分の、他人とは違う考えをこうして世の中に出していくことに余念が無かった。反論をつき返す術も持っていた。

    先を読むことに長けた男でもあった。現代において彼の著作を読むとき、全部とは言えずもその未来観測は間違っているとは言い難い。

    幸福を探そうとする努力をしない女は、すなわち不幸である。女を不幸にしているのは、女自身である。

    そうかもしれない。

    (20110828)

  • はじめて寺山さんの本を読んだのだけど、思ったより面白くてハマってしまいました。

    自分は型にはまってないって思ってたけど、気付かないうちに固定観念に縛られていたんだと気づかされて、もっと自由に、自分のしたいように生きていいんだー!と思えました。
    なんだか励まされたような、とにかく前向きな気持ちになりました。

  • 少し変わった文字構成。サザエさんとは何者なのか。男性である作者が、対局から解釈し、精一杯女性の良さを表現している。女性ファン多き作者の、純粋かつイタズラ要素の出た愛の朗読。

全44件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

寺山 修司(てらやま・しゅうじ):1935-83年、青森県弘前市生まれ。早稲田大教育学部に入学(後に中退)。歌人・劇作家、評論家など多岐のおよび活動。劇団「天井桟敷」を主宰。著書に『家出のすすめ』『書を捨てよ、町へ出よう』など。

「2025年 『街に戦場あり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

寺山修司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×