美輪明宏が語る寺山修司 私のこだわり人物伝 (角川文庫)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年6月25日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041315347
感想・レビュー・書評
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美輪さんのする、知的でロマンチックな昔話が大好きで買いました。やっぱり、いいなあ。自分の生きた時代のことほんとうにお好きだったんだな、わたしも背筋をしゃんと伸ばそうと思えます。同時収録されてる脚本は、ちょっと過激で、でも詩的な言い回しがたくさんあって、「毛皮のマリー」いっきに読めてしまいました。
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寺山修司が死んだ年に生まれた私。美輪さんみたいに、生きてる時代を体感してみたかったなあ。
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美輪さま、さすがの炯眼。当時の演劇界の様子とかも興味深く、もはやアングラ界の生き字引と呼びたい。長生きしてください。
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はたして、頻繁に間抜け顔にでぶっちょのいかにも愚鈍な表情とペテン師くさい語り口のオカマみたいな輩と相方のようにして、芸能人相手に悩みや運勢を霊能師然として云々している美輪明宏を見るにつけ、ああ、年はとりたくないものだなどという感慨を思い浮かべているのは私だけでしょうか。
それでも、かつての輝かしいころの、三島由紀夫が愛してやまなかった突出した妖艶性や、寺山修司が近親相姦的に愛撫したナイーブなヨイトマケ的偉丈夫だった丸山明宏を知っているからこそ、特別の思いを込めて崇拝に似た心情を持つことこそすれ、他人行儀な非難などするわけがありませんが、通俗にまみれた老醜を恥ずべき行為として断罪したくなるというものです。
ほら、「生きざま」というではありませんか。 「ざまを見ろ」ではあまりにも情けなく、やっぱり、「さまになる」という方が私たち後進の者にとっては、何かと人生の模範を示していただく先達としてふさわしいと思いますけれど。
昨今は、どうしたって、一貫したぶれない生き方が尊敬の念を集め、多少の変節でもしようものなら非難ごうごうですもの。
それよりなにより、渋谷で住居侵入=のぞきの現行犯で逮捕された市街劇『ノック』の実演中だった寺山修司ですが、たとえそういうスキャンダラスな面があったとしても、その孤高さというか孤立無援の独自の芸術性はいささかも揺るぐものではなく、今も激しく私たちを魅了して止みません。
というわけで、今の彼から発せられる言葉はどうしても虚々実々胡散臭くて、残念ながら真に受けにくいものです。
でも、さすがは寺山修司、そんなことを超越して生の声が聞こえて来そうで、怖い、嬉しい、不思議です。
蛇足ですが、というか、本当は三島由紀夫近代能楽集『葵上・卒塔婆小町』を観たり、彼の歌う「ヨイトマケの唄」をウォークマンの1万5千曲の中の1曲にして聞いているほど美輪明宏に入れ込んでいる私ではあります。 -
ひっさびさに戯曲「毛皮のマリー」を読んでしまった。が、やっぱり気持ち悪くて美しくてすばらしかった。寺山の意外な一面が美輪さんによってわかった気がする。嫁姑問題とかあんまり想像したことなかったもの。マザコン気味だとは思っていたけれど。
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日本の爛熟した美意識、町人文化の粋は第二次大戦の約5年で軍閥によってずたずたに一刀両断にされ、死に耐えてしまった。
嫉妬や僻みを捨てて、クールな理性だけで寺山さん、三島さんを評価していただきたい、とのこと。美輪氏は、三島氏からも寺山氏からも引っ張りだこだったそうだ。二人とも素晴らしい感覚を持っていた。
美輪氏も相当に凄い経歴を持っていらっしゃるが、寺山氏、三島氏も芸術的な感性を持っていた。 -
すごいなー天才のまわりには天才が集まるんだ。
美輪さんのお話が貴重すぎる!
寺山修司が少しわかったような気がする。
作品の特徴とその成立背景がわかったような気がする。 -
美輪さんと寺山さんの思い出話。自然と三島由紀夫の話もでてくる。美輪さんが二人の違いについて書いているところで、一番の違いとして太宰治を、デカダンスを許容するかしないかというのをあげていて、なる程なーと思った。
美輪さんにしか書けないことがたくさんあるんだな。 -
10.06.22読了
いま、寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」を読んでる途中なんですが、今までアングラや学生運動系の本に触れてこなかったせいで、いまいち彼の意図を掴み切れないので、人物像から入ろうと思って読んでみました。
美輪さんの文章は読みやすい。エッセイを普段読まないので余計にそう感じるのかもしれませんが。「書を捨てよ~」から描いていた寺山像と印象が違って面白かったです。これで「書を捨てよ~」も少し読みやすくなるかな??
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