堀部安兵衛〈上〉 (角川文庫)

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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041323281

作品紹介・あらすじ

越後、新発田五万石の城下の春。藩士の子息、十四歳の中山安兵衛は、路上で会った山伏に「剣の道に進めば短命」と宣告される。はたして、父の無念の切腹という凶事にみまわれ、安兵衛の運命は大きく変わる。父の死の謎を解くために藩を出奔し、江戸へ向かう途中、魔性の剣をふるう中津川祐見と宿命の出会いを果たすが、その後、女をめぐって対立することになる…。江戸、東海道、京都を舞台に安兵衛の青春の彷徨を描く長編。

感想・レビュー・書評

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  • 赤穂浪士の一人、堀部安兵衛の物語。剣士とはいえ、女性に翻弄される人間味がおもしろい。読んでいて、盗人宿や料理に池波正太郎が著者であることを改めて実感。13.11.9

  • 赤穂浪士ものを読んだことがなかったので剣豪観点から読んで見ることにした。
    安兵衛は剣の腕はありそうだけど、ついぞ上巻では勝つシーンを見られなんだ。逃げる場面も多いのだけど、読ませる池波先生、さすが。

  • 父から受けた何事にも『言い訳無用』の教えを守って生きてきた男の物語。
    その教えが良くも悪くも彼の人生を波乱に満ちたものにしていくように思え、上巻の終わり方がまた気になる終わり方なので下巻が直ぐに読みたくなる。
    多分、安兵衛の妻になるのかな?と思われる男装の剣士伊佐子が凛々しいけれど可愛らしくて『剣客商売』の三冬を思わせる。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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