西郷隆盛 (角川文庫)

著者 :
制作 : 蓬田 やすひろ 
  • 角川書店
3.66
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本棚登録 : 192
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041323304

作品紹介・あらすじ

近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った西郷隆盛の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。西郷を通じて描かれた維新史としても読みごたえ十分の力作。

感想・レビュー・書評

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  • 私もこれが初の池波作品です。
    意外に西郷隆盛をというより、薩摩を中心にした書が初めてでしたので、幕末から明治にかけての熱い試行錯誤の時代をもっと勉強しなければなぁと思いました。

    物語の終幕で木戸孝允・大久保利通に加え、桐野利秋まで救いの手を差し伸べたのは好感がもてました。

  • 初の池波作品。惹かれざるを得ないと言われたその魅力のせいで、時に意図しない選択を迫られる西郷隆盛の一生。簡潔過ぎて少し物足りないが、所々に入る所感がいい。どの西郷作品を見ても、やっぱり江藤新平が軽く見えてしまう(笑)。

  • 薄い本で読書苦手な私も抵抗なく手に取れました。しかし中身はとても熱かったです。西郷隆盛については里見浩太朗主演の年末時代劇スペシャル「田原坂」で大筋は知っていましたが、小説で読んでみて改めて西郷隆盛の一貫した生き様に、感動しました。まさに時代のカリスマ。惚れる。

  • 初の池波作品。
    西郷隆盛の誕生から西南戦争で落命するまでの51年間を綴った伝記小説。西郷さんの魅力を伝えるエピソードがふんだんに盛り込まれており、思わずクスッときてしまうような愛嬌あふれる彼の肖像が思い描かれた。また禅(というか知行合一を唱えた陽明学だと思うが)に裏打ちされた哲学を芯としており、私利私欲を一切望まず、人民へ温かい眼差しを注ぎ続けた、まさに理想の政治家の姿を見ることができた。


    ~~~
    維新後、征韓論での対立から西郷さんが野に下り、私学校を設立し教育に励んだことで、薩摩藩には「私学校党」のような勢力が出来上がった。中央政府はこれを抵抗勢力と捉え、西郷暗殺のための刺客を放った(これが真実とは限らないが)。この刺客が私学校の徒により暴かれ、一矢報いるため政府への挙兵に至る。これが西南戦争である。西郷さん自身は挙兵に反対であったが、周囲が彼を担ぎあげて戦に打って出ることを止められなかった。このことを勝海舟が語るには、
    「西郷は、みずから育てた子弟と情死したのさ。西郷さんは、あのような場面には知恵の出てこぬ人だった」
    この一文に、当時も今も西郷さんが愛される所以を感じた。

  • 苦手な日本史に着手。まずは人物からと風格ただならぬ西郷どんににらみを利かせました。とっつきやすく小説体になっている物から読みたかったので、池波正太郎の中編に決め手にとりました。
     簡潔に西郷の気質と歴史における立場が分かります。面倒くさいことは省いて、その生涯に躍動感を残す描写は飽きずに最後まで読み込めました。もともと日本という国に愛国心はあれど、失望の方が大きかったので、その歴史と向き合うことが億劫であったのですが、歴史をたどれば見つめるべき部分は多くあります。西郷どん、その生涯感動し申した。

    11/12/6

  • さらっと読める。
    流れをつかむには良い本。
    だが特段真新しいものはなく、物足りない。

  •  西郷の一生がコンパクトにまとまった一冊。初めて池波の著作を読んだ。司馬に勝るとも劣らない筆致で、こういう実在の人物を描いた作品をもっと書いて欲しかったと思う(有名な『鬼平』『梅安』等は読んだことがない)。
     しかし誰が描いても西郷の偉大さというのは伝えきれないと思う。もし明治維新(西郷絡み)である人であるならば、この本を読んで、次に司馬の『歳月(上下)』を経て、大作『翔ぶが如く』(全10巻)に是非チャレンジして頂きたい。『翔ぶが如く』は単独で読むと、大変「読むのが辛い」作品だと思う。下手をすると歴史的事実がつらつらと述べられている錯覚に陥る可能性が高いからだ。
     西南戦争が起こるまでの歴史的経緯をこの本や『歳月』を読んで理解したうえで『翔ぶが如く』を読むと、西郷の偉大さがよくわかると思う。僕は不幸にして『翔ぶが如く』を先に読んでしまったので、この池波版西郷に「物足りなさ」を抱いてしまった。
     『翔ぶが如く』で司馬が「西郷の人格的魅力というのは、実際に会った者しかわからない」と匙を投げた上で、10巻も費やして伝えようとした西郷の魅力をこの池波版は1冊で伝えようとしているという理由による。
     とは言いながらこの本が『翔ぶが如く』に劣るとかそういう意味ではなく、この本の魅力は西郷の魅力を伝えながらその一生をも著者の主張を厭味なく含めている点で読む価値はあると思います。

  • 今までなぜか取っ付きにくかった「薩摩藩」。ここにきて、西郷どんの太か魅力が気になり手に取ってみた。タイトル通り、西郷さんを知るにはちょうどの一冊。西郷どんのことをよくご存知の方には物足りない感はある。

  • 西郷隆盛と言えば、海音寺潮五郎と思ったが 1冊完結のこの本をチョイスしました

    幕末明治の有名人は誰を主人公にしても面白いし、誰が描いても 似てくる気がする

    内村鑑三が代表的日本人に西郷隆盛を選んだ理由【または吉田松陰を選ばなかった理由】は 何なのか考え中。西郷隆盛は戦争好きのイメージがないからか、国の要職に就いたからか、敵が少ないからか

  • 西郷隆盛が一体何をしたのかを知らず、まずは簡単な本から読んでみようと手に取ったのが、この本だった。
    その目的は半分ほど達成できたが、残りの半分は「結局、何をしたのか。どのような人物だったのか」という、その姿は朧なままだった。例えば島津斉彬に忠誠を誓っていたとか、安政の大獄での月照と入水自殺を図るなど、いくつかの出来事を知ることはできたが、幕末でどのような役割だったかが分からない。ただ、非常に魅力的な人物だったのだろう、という程度である。また征韓論では、西郷は戦争をするつもりはないという前提で書かれているが、異なる本では「おいが殺されたら、(戦争を)やれ」という言葉を残しているとも書かれている。勿論、これは小説なので事実と異なる内容を書いてもおかしくはない。だが、どうにも西郷隆盛という人物を仮にでも作ることができないとは、どういうことか
    なかなかに幕末、明治という時代は深い

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