炎の武士 (角川文庫)

  • 角川書店 (2007年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041323403

作品紹介・あらすじ

戦国の世、各地に群雄が割拠し天下をとろうと争っていた。三河の国長篠城は武田勝頼の軍勢一万七千に包囲され、ありの這い出るすきもなかった……悲劇の武士の劇的な生きざまを描く。

みんなの感想まとめ

戦国時代を背景に、男たちの生き様と死に様を描いた短編集は、感動的な物語が織りなす傑作です。特に、表題作の鳥居強右衛門や土方歳三の姿は、読者の心を揺さぶります。彼らの強い意志や情熱は、厳しい時代を生き抜...

感想・レビュー・書評

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  •  4つの短編の内、「炎の武士」を読了。
     武田軍に取り囲まれた長篠城から一人脱出して、味方の徳川軍へ知らせに行く、鳥居強右衛門のお話。
     NHK大河ドラマ「どうする家康」でも、「鳥居強右衛門」のエピソードは描かれていた。
     「どうする家康」での瀬名姫とのエピソードはだいぶ史実を捻じ曲げて描かれているようだが、「鳥居強右衛門」のエピソードは、ほぼ同じだった。
     戦国時代の武士は、後ほどの江戸時代の武士とは、だいぶ違っていたようだ。
    この時代、殿様の為、死ぬということはなく、自分の命が何より大事だったようだ。
     そんな中でも、殿様の為、自分の命をかけて行動する強右衛門は特異な存在だった。
     最後は武田軍に捕まり、味方の城兵の前で、裸で貼り付けにされ、四方から槍で刺殺された。体から迸る鮮血は炎の様だった事と、その心意気から「炎の武士」として後世に伝えられた。


     2つ目の短編 色「いろ」を読了。
     新選組の土方歳三について、お房との出会いのエピソードが書かれている。
    始めは色事としてのつきあいだったが、次第に恋心に変わる土方歳三の胸の内を現している。最後は北海道の五稜郭での戦争で壮絶な死を遂げる。
     土方歳三の出自は農民で、武士ではないが、その心意気は武士だった。


     3つ目の短編 北海の猟人「間宮林蔵」
     間宮林蔵の名前はどこかで聞いている(学校で習ったか?)が、詳しい事は何も知らなかった。 端的に云うと、「間宮海峡」を発見した人。
     幕府からの命により、蝦夷地へ赴き、困難を極め、まだロシアも詳しく知らないカラフトを調査した。結果、カラフトは大陸続きではなく、島であることを確認した。
     後に、オランダ人としてシーボルトが長崎へやって来た。
    シーボルトはドイツ人で日本を調べるスパイだった。
     林蔵の上司である、高橋景保はシーボルトが見せた「世界周航記」欲しさに、「日本図」「カラフト図」と交換してしまった。禁制品を外国に渡すことは重罪だった。
     高橋景保は獄中で死亡し、世間から、林蔵は高橋景保を幕府に売ったというそしりを受ける。
     後に林蔵は幕府の隠密(スパイ)となり、生涯を終える。
     林蔵の死後、シーボルトは「ニッポン」を出版した。そこには、シーボルトが命をかけて日本から持ち帰った、林蔵の「東韃紀行」「北蝦夷図説」を載せた。
     これによって、林蔵の業績と「間宮海峡」の名は世界諸国に紹介された。
     林蔵は、上司のいう事も聞かず、幕府の慣行も無視する自由人であった。
     後世に名を遺す人は、人から奇人変人と言われようと、初志貫徹をする人のようだ。


     4つ目の短編 ごろんぼ佐之助
     新選組隊士 原田佐之助のお話。
     「ごろんぼ」とは伊予(愛媛県)松山あたりの言葉で、「ごろつき」という意味。
     ごろつきの佐之助が新選組に入隊し、局長の近藤勇でさえも「原田には斬られるかも知れんな」と言わしめるほどの剣士になった。
     新撰組隊長の芹沢鴨暗殺、池田屋斬りこみ、鳥羽伏見の戦いに出ている。
     幕府の衰えとともに、新選組も衰えて行ったが、最後は上野の戦争で、彰義隊に入り、官軍の記録では、死亡したことになっていた。
     明治になり、佐之助の弟の大原丑太郎のもとへ老紳士が訪ねて来た。
     50年以上も会っていない、死んだものと思っていた兄の佐之助だった。
     今は満州で馬賊の頭領をしていると言って、金二千円也(現在の百万円ほど)を祝儀袋に入れ、弟夫婦へ渡し、去って行った。その後の佐之助の消息は分からない。
     この人も奇人変人だった。

  • 大河ドラマで一躍話題となった
    鳥居強右衛門。
    鉄の掟にて新選組を率いた土方歳三。
    男たちの生き様と死に様を
    見事に描いた、まさに傑作短編集。
    池波作品はいつまでも色褪せない。


  • 男たちの生を描いた三編。表題作の「炎の武士」の鳥居強右衛門の姿も感動するが、個人的には「色」の土方歳三の生き方に興奮する。

  • これは何度も何度も読んでいる大好きな本。
    その、人となりも大好きな作家、池波正太郎さんの初期の短編集。
    戦国の武者鳥居強右衛門と、土方歳三と、間宮林蔵と、新選組の原田佐之助の4人が描かれている。
    やっぱイイわ~読み応えがあるのだ。

  • 11月30日 第1回池袋図書館チャンプルでお借りしました。

    池波正太郎さんらしい男っ気溢れる主人公たちの生きる様を描いた短編集。
    個人的に好きな物語は、ベタですが土方歳三の話しでした(^^)
    時代柄もあるのか新撰組は個性ある少年期を育ってきた人たちが集まったのでしょうか、曲者だらけという印象を持ちました。

  • 佐之助 格好良し

  • 2010/08/01讀畢

    ★★★☆

    雖然還是很精采,不過多半都在其他本讀過了,所以沒有太大的驚奇。

    ◎炎の武士:鳥居強右衛門。跟短篇小說「鳥居強右衛門」(收錄於《あほうがらす》,新潮文庫)大致上差不多。

    ◎色:土方歳三。同篇亦收錄於《上意討ち》,新潮文庫

    ◎北海の獵人:間宮林蔵。探險家。間宮海峽的發現者。記得看過也是他為主角的「北海の男」(角川文庫)。

    ◎ごろんぼ佐之助:原田佐之助。同篇亦收錄於《剣客群像》(文春文庫)。

    (252page)

  • 表題他短編4話。内3話は新撰組等幕末が舞台で1話が長篠の戦いで有名な鳥居強右衛門の表題作品。やはりなんといっても援軍来ると声高に叫ぶ件のシーン、そして青竹の杖を遠く捕らわれた強右衛門に振る信昌さんがなんとも言えません。

  • 天正三年(一五七五)初夏、三河の長篠城は、武田勝頼の軍勢一万七千に包囲され、落城寸前。城を守る奥平信昌の兵は五百あまり。窮状を伝えるため鳥居強右衛門は武田の包囲網を破り、織田・徳川の陣地にたどり着き、四万の大軍が救援に向かっていることを聞かされる。だが、その帰途、強右衛門は武田方に捕らわれ、援軍は来ないと告げるよう強いられるが…。表題作「炎の武士」ほか、男たちの劇的な生を描いた傑作三編を収録。


    2008.6 読了

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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