山本一力が語る池波正太郎 私のこだわり人物伝 (角川文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年1月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041323427

山本一力が語る池波正太郎 私のこだわり人物伝 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 本を読む人間と読まない人間と。そしてもう一種類は?《赤松正雄の読書録ブログ》

     先日、新聞各紙に一面ぶちぬきで、池波正太郎『鬼平犯科帳』DVDコレクションの広告が出ていた。いまなぜ池波正太郎か。今の世に、男っぽくないだらしない奴が大勢いるからかもしれぬ。この人の熱烈な信奉者によるものを、このところ偶々たて続けに二冊読んでいたので、少々不思議な気がしている。佐藤隆介『池波正太郎直伝 男の心得』と山本一力『山本一力が語る池波正太郎』である。共に、直接、間接の違いはあれ、文学の世界における濃密な師弟関係を感じさせて興味深かった。

     「本を読む人間と、本を読まない人間と。人間はこの二種類に分かれるね。本を読んでない奴は目を見ればわかるよ」―池波正太郎は、佐藤隆介に初めて会ったその日にこう言った。思わず我が目玉に力が入った。ただし、「読む人間」といってもその中身は分かれよう。「本は量だけが問題だ。乱読でも読み飛ばしでもいいから、ひたすらたくさん読むことだ」という佐藤。

     ただし、「書を読むにはただ一冊の書だけを看よ。毎日ただ一段ずつ読んで初めて自分のものとなる。もしこれを看、あれを看するならば、一通り目を通したからといっても、ついには熟読することはないのだ」と宋代の儒者・朱子の言を引き、「読み飛ばした本なら数え切れないが、『読書百遍』という本がお前にあるかといわれると考え込んでしまう」とも言う。私もそんな本に出会いたいと思い続けて片っ端にあれこれ読み続けて半世紀。未だに殆ど出くわさない。

     家人から「いくら読んでいてもあなたは何も身についていない」などと揶揄される私としては、もう一種類、読んでも身につかない人間という種族がいるのかもしれない、などとつい弱気になる。

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