家畜人ヤプー (角川文庫)

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  • 角川グループパブリッシング (1985年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784041334010

みんなの感想まとめ

隷属と屈従をテーマにしたこの作品は、読者を強力に引き込む独特の世界観を持っています。物語は、未来社会イースの文明に触れる恋人たちの運命を描きながら、刺激的な舞台設定と淡々とした文体が絶妙に絡み合ってい...

感想・レビュー・書評

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  • なぜ人権を損なうような話しが続くのだろうと思いつつ半分くらいまで読んで、隷属と屈従がテーマなのだとようやく気付いた。
    読む、というより読まされた感あり。私を捕まえて離さない、強力な磁場を持つその世界観よ。
    作者あとがき(これまた凄い)にある、さらりと触れられた執筆の原点となるできごとに更に驚かされた。
    理解の範疇を軽々と超える怪作。

    本書は、戸川純氏が在籍していたヤプーズの、バンド名の由来となっている。数十年の時を経て、山口晃氏経由でたどり着くとは。

  • 2021年6月2日読了。不時着した宇宙船に出くわしたクララと麟一郎。未来社会イースの文明・文化に触れた恋人たちの運命は…?「天下の奇書」と呼ばれ三島由紀夫激賞などの逸話を多く持つSFを気になって再読。今読んでもこの刺激的だがやりすぎ・バカバカしさ漂う舞台設定と淡々とした文体は大変おもしろい。発表当時はさぞ不快に感じる読者もいて議論を呼んだことだろう…。不気味なヤプーの黄色い肌に囲まれた生活が白人にとって快適なものなのか?疑問があるが、「ヤプー」を「電気」に置き換えると、なんでも電気にやらせようとする現代人たる我々だってイース人と似たようなもので意識が全くない分タチが悪い、とも言えるのではないか?マゾヒズムあふれる前半はある種のマゾ男性には「こんな物語を読みたかった!!」と直球ど真ん中なのだろうか。日本神話をパロディ化する後半は、日本人のアイデンティティを徹底的に突き崩す究極の形態がこれ、なのかもしれない、が、他人事のように「おもしれーなー」と冷めた目で読める私は本書の著者が真の読者として想定した存在ではないのだろうな。補記された「続・家畜人ヤプー」の章は初めて読んだが、「これぞ蛇足」の極みだった。

  • この本を初めて手に取り、読み始めた時の興奮はちょっと他では味わえない。SF、エロス、奇形、差別、そしてマゾヒズム。ブラックユーモアなどという陳腐な言葉では到底片付けられない、性の目覚めにすら似た猛毒性の倒錯だ。

    そして、読み始めのこの興奮こそがもっぱら本書の値打ちであり、それに尽きる。現代でもpixivとか個人ブログとかでこういうの上げてる人たまに居るし。有難がって読むよりオカズにでもした方がまだ健全。できるもんならだけどね。そういう本だと思う。

  • 特殊な社会、身分制度を除けば、良質なSF作品として楽しめる部分もあるが、ヤプーの家畜化等の詳細な設定はよくまぁここまで考えたものだと思う。70年近く前の作品なのが驚きだが、70年前だからこそ書けたとも言える。

  • 問題作らしく序盤の気持ち悪さ、中盤までの自分もその「設定」に慣れてしまう衝撃など、そこまでのテンポは良い。ただし中盤以降はややダレてしまっているような感じを受ける。
    完結しているように見えるものの、まだ続きがあるようで、そこまで読むかちょっと悩んでしまう。

  • 噂通りの奇書。一つ一つの言葉や畜人に対しての説明が細かすぎて、何を言ってるんだと内心ツッコミながら面白く読めた。ただ、物語としての進行はそこまでないのでほぼ説明の印象。とにかく長いので途中ダレてしまったがなんとか読了できた。
    あとがきまで読むと著者がどんな人で何でこの本を書くに至ったかが分かる。

  • オススメされて呼んだ本。
    日本人としてはヤプー達の境遇がグロすぎて唖然とするけど、SF?としてはとっても面白く読めました。
    主人公(名前忘れた)がどんどん自分の境遇受け入れちゃうの怖い。

  • 20年以上も前に読んだけど、便器まで人間って…。正直其処しか憶えていないな。

  • 途中で読むのを投げてしまった。ただエグいだけ。

  •  
    ── 沼 正三《家畜人ヤプー 1970‥-19721110 角川文庫》籍=諸説
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4041334012
     
    ── 沼 正三《家畜人ヤプー 195612‥-195804‥ 奇譚クラブ》連載
     
    (20151210)
     

  • 第1章から28章まで。未完。「これでやっとその序章を終えたといえます」と作者の弁。

  • 想像した以上に「家畜」ですね。いや、家畜に対してでもこれはやりすぎ。SMの中でもとくにスカトロに特化してる感じがします。ウンコ、シッコは「小学生か!」というレベルの下らなさでもあり、まあなんともすごい小説です。

  • 白人女性をヒエラルキーの最上階に頂く社会に飛び込んだ、日本人青年とドイツ人女性の顛末。女性に奉仕する畜人の詳細な飼育方法、価値観が描かれる一方で、部外者であった二人が徐々に調教されていく様も精緻に描かれる。展開は、やがて神話世界とのかかわりを明らかにしながらも、中途で終わる。


    広く言って、これはSFに属する話であると感じる。現実に入り込む異端を描く幻想小説ではないし、サドマゾ小説でさえない。筆致は詳細であり、その世界の成立の根源を極めて科学的に描こうとしているという意味で、SFがもっとも近い。

    といって、では同じく独自の神話世界を生み出したラヴクラフトのようなものかというと、これもまたまったく異なる。ラヴクラフトにおいてはあくまで神の世界は神の世界として存在していた。
    だが、こちらのほうでは、神の世界は存在しない。むしろ神の世界は人間の世界だった、というネタばれ話であり、徹底的に分解され解説された神話読解本とも言える。

    この小説がグロテスクであるとするなら、おそらくそれぞれの人間の心変わりと、潜在的な支配欲求を白日の下にさらし、書き尽くそうとしているところなんだろう。

  • (1972.12.18読了)(1972.11.18購入)
    (「MARC」データベースより)
    2000年後の宇宙帝国「イース」。拉致された日本人青年と恋人クララの運命の逆転。倒錯の性を通して、謎の作家が描く地球崩壊、人類破滅の極限状況は…。

  • とにかく気持ち悪い。
    趣味がわるくて、お下劣極まりない設定を、これでもか!これでもか!という執拗さで説明してくるのが本当に気持ち悪い、すごい。
    もはや話はどうでもよくて、頭の中で練りに練った気持ち悪い設定を披露したいがために書かれた物語だと思います。実際、世界観が分かってきて物語はこれからってところで終わっちゃう。リンが葛藤を越えて完全にクララの所有物へと調教されちゃう過程をけっこう楽しみにしてたのに。
    あとがきを読むと、これを書いた人は本当に変態の人みたいでなんとなく安心しました。日本人をバカにしてるのか?とか、逆に鼓舞してるのか?と思ったりもしたけど、ただただ白人女性に家畜以下の扱いを受けることに気持ちよくなってしまう性癖の人だと分かって、なんだかほっとしました。

  • 本当はハードカバーでボックスつきの、すごく凝ったものを購入しました。
    もともとこの作品は文庫で読んでいたのですが、値段も高いのに古書屋でお取り置きまでしてしまいました・・・

    SMと一言でくくってしまえば「性愛」も入るのでしょうが
    そのようなものが低俗で、一瞬の快楽だけの簡単なものに思えるような壮大な「支配と隷属」の物語。
    エロスだけでは語れぬその精神性。
    与える喜びと、与えられ続ける者の本当の姿です。

    自分の中では手塚治虫の作品と並んで、自分の性格や考え方を作っています。
    その文化になじみのないコトヴィッツ嬢や我々からすれば非常に残酷ではありますが、もはやその「残酷」の通念すらない。
    ひたすらに崇拝し、身を尽くすことが喜びである世界。
    人の形をした「物」。
    これが世の中の真理だとすら、私は思っています。

  • 受動的安心感。

  • 2010/1/19読了。
    なんというか、凄い本である。
    ドイツ人女性クララと日本人男性麟一郎は恋人同士だが、西暦3970年の未来からやってきた円盤に拉致される。西暦3970年の人類は宇宙帝国イースとして栄えていたが、それは白人を貴族に頂き、その下に黒人が奴隷として仕え、さらにその下に日本人が家畜人ヤプーとして使われる社会であった。拉致されてわずか一日の間に、クララは貴族に、麟一郎は家畜にされていく。
    この家畜化が凄まじい。ブルース•スターリングもアレステア•レナルズも真っ青の生体改変が施され、生きた便器や家具として使われるというレベル。我々の文明が電気に支えられているように、イース文明ではありとあらゆるところに家畜が使われている。その様がこれでもかというくらい詳しく書き込まれているのだ。
    異様な世界観だが、非常に緻密に構築されていて、その完成度は凡百のファンタジー小説の及ぶところではない。壮大なスケールの「妄想科学小説」である。
    この角川文庫版はまだ序章に過ぎなくて、幻冬舎文庫だと続きがあるそうだが、もうお腹一杯でこれ以上は読めそうにない。

  • 「肉便器」の頻出ぐあいがすごい。
    時代を感じない作品。地下出版。

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著者プロフィール

1926年3月19日福岡県福岡市生まれ。
本名、天野哲夫。
旧制福岡商業を卒業後、満州特殊鋼鉄株式会社に就職、帰国して海軍に入隊。復員後は、風俗誌にマゾヒズムをテーマにした原稿を投稿する傍ら、数々の職業を遍歴し、1967年、新潮社に入社。同社校閲部に勤務しながら、小説・エッセイを書き続ける。風俗誌「奇譚クラブ」の連載をまとめた『家畜人ヤプー』が戦後最大の奇書として話題となる。
2008年11月30日逝去。享年82。

「2012年 『劇画家畜人ヤプー4【復刻版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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