妖婦の宿 (角川文庫 緑 338-58)

著者 : 高木彬光
  • KADOKAWA (1982年7月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041338582

妖婦の宿 (角川文庫 緑 338-58)の感想・レビュー・書評

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  • 短篇四篇。表題作『妖婦の宿』は★★★★

    「松下君、君の書いている物には、かねがね敬服しているのだがね。論理的で、トリックが大きくて、筋がよく合っていて、ただ難をいうと、犯人が早く分り過ぎるという欠点がある」

    これは作中で探偵作家クラブの書記長W氏から、作家松下研三にかけられる一言。これはそのまま作者高木彬光氏にあてはまりますよね。自身を冷静に客観視できて、しかもそのことを作品に書いてしまうあたり、高木さんて意外に茶目っ気がある人だったのかもしれませんね。ちょっと好感が持てます。

    そこで松下が探偵作家クラブの新年の催しに、新作の「犯人探し」を発奮して書いたという体の『妖婦の宿』
    とっても面白かったのですが、
    「序 読者諸君、警戒せよ」
    なんて冒頭でさんざん煽りまくるものですから、やっぱり犯人分っちゃいました。もっとさらっと書いてくれたら良かったのに。
    それでも「密室もの」としてよく出来ていましたし、ナイフを突き立てられた蝋人形と『ドリアングレイの画像(原文ママ)』を引合いに出した怪奇趣味は雰囲気たっぷりです。
    本作にも名前が出てくる『刺青殺人事件』を始めとする「神津恭介・松下研三もの」を少し事前に読んでいると、よりいっそう楽しめると思います。

    巻末の解説を読むと『妖婦の宿』は実際の探偵作家クラブの新年会で高木彬光氏が余興として朗読したそうで、かろうじて正解に近かった人は一名のみだったそうです。賞品は、毛をむしった鶏一羽に葱を添えたもの。「鴨が葱背負って」の洒落が時代を感じさせ、なんとも微笑ましいですね。

    他三篇は『殺人シーン本番』『紫の恐怖』『鏡の部屋』

  • 【殺人シーン本番】【紫の恐怖】【鏡の部屋】【妖婦の宿】収録。

    表題作の【妖婦の宿】は、著者の代表作の一つと呼ばれるだけの事はあります。心理的密室トリックだけではなく、犯人特定の緻密なロジック、読者の度肝を抜くラスト、非常によく出来ています。傑作です。
    他の三編は、いずれも一発ネタといった感じで表題作と比べると見劣りしました。

  • 『殺人ジーン本番』
    神津恭介への映画出演を依頼された松下研三。映画会社社長・金原源蔵の妻雪江の死。密室での殺害。カチンコの音の秘密。源蔵自身の殺害事件。同じくカチンコの音の謎。

    『紫の恐怖』
    その部屋で過ごすと死が訪れるという紫の間。相次いで2人の夫を亡くした妻の依頼で捜査に当たる神津恭介。紫色の謎。

    『鏡の部屋』
    かつてマジシャンが消えた鏡の部屋。居間でのマジシャン・天真の霊が宿ると言われる部屋。鏡の部屋の秘密を解いたという梨枝子。消えた梨枝子。現れた死体の謎。

    『妖婦の宿』
    男を渡り歩く妖婦・八雲眞理子。彼女の愛人のホテルに送り付けられた人形の殺人。ホテルを訪れた「神津恭介」の推理。かつて女に捨てられ死んだ京極家の弟の秘密。

     2010年7月23日読了

  • 神津恭介

  • 横溝正史や江戸川乱歩とはまた違った雰囲気で面白い。トリックも上手く考えてあると思うが、古めかしさは否めない。雰囲気を楽しむ作品。

  • ※再読

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