大東京四谷怪談 (角川文庫 た 6-8)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041338827

感想・レビュー・書評

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  • 四谷怪談については詳細を知らなかったが、p33-38に詳しい解説があって本書のストーリーを理解する助けとなった.墨野隴人の推理がキーポイントの物語だが、彼の秘書 上松三男、脚本家の清水俊二郎、有閑マダムの村田和子に沢田美津子らが絡む複雑なストーリーだ.美津子は姉 二宮柳子の一周忌で香港から帰ってきている.蝋人形工房で伊藤武彦と彫師の彫綱が殺されたのが事件の発端となる.柳子の夫 二宮雄輔、弟の耕輔らが登場して、さらに雄輔の後妻候補として竹中糸子も出てくる.美津子の妹 雪子は俳優の小笠原新之助と付き合っているが、新之助が殺害される.墨野は田村小五郎と称し和子と仮の夫婦という形で行動し、真相を探る.全編424ページの後半 p354から始まる謎解きは非常に楽しめた.

  • 「今月の角川文庫編集長フェア 京極編集長が選んだ、おすすめの角川文庫6冊」のセット購入。

  • アナリスト墨野隴人と陽気な未亡人村田和子コンビによる探偵物は、
    すでにこれが3作品目である。
    それに気づいたのは読み始めてすぐだった。
    どうせなら1作目から読めばよかったと思ったが、
    村田和子がストーリーの語り部となり、
    出だしに大方の概要を書きしるしてあったので、
    すんなりと話に入ることが出来た。
    もう30年前に書かれた話なので、
    単語の一つ一つに懐かしい違和感を覚えるが、
    村田和子の女としての可愛らしい性格を交えて、
    内容の重さとは裏腹にサクサク読めた。

  • 夏はやっぱり怪談話!!
    怪談−解明−怪談(あとがきより)の推理小説。
    四谷怪談と彫り物が中心にくる。
    文に少し違和感を感じていたのですが、なんと初版が29年前。
    殺害方法に若干疑問を感じないでもないけど、常にうすら恐ろしい感じがついてまわる話でした。

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著者プロフィール

1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。京都帝国大学工学部冶金科卒業。48年、失業中に書いた「刺青殺人事件」が江戸川乱歩の推薦で出版され作家デビューし、「能面殺人事件」(49-50)で第3回探偵作家クラブ賞長編賞
を受賞する。79年に脳梗塞で倒れるが過酷なリハビリ生活を経て再起、「仮面よ、さらば」(88)や「神津恭介への挑戦」(91)などの長編を発表。作家生活の総決算として「最後の神津恭介」を構想していたが、執筆途中の1995年9月9日に入院先の病院で死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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