特攻基地 知覧 (角川文庫 緑 345-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 117
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041345016

作品紹介・あらすじ

太平洋戦争の狂気の舞台となった薩摩半島の知覧飛行場。機体に二五〇キロ爆弾を装着し、死の道へ突進した若き特攻隊員たちの残酷なドラマ! 「語られない真実」を緻密な取材で綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 知覧の特攻平和会館に行く度に、館内の売店で関連の本を一冊買うことにしている。
    これもその一冊。

  • 陸軍航空本部映画報道班員として知覧に従軍していた著者がその目で見た陸軍特別攻撃隊を始めとする知覧の事実と戦後に公開された資料の間に多くの違和感を感じ書かれたノンフィクションです。読んでいる途中は悲しいとか悔しいとか寂しいとか何だか色々なものがごちゃ混ぜになって衝撃として襲ってきます。本作を読んだ感想を正しく日本語にするのはとても難しいです。物語や歴史資料などで神々しい面が語られる事も多い特攻隊ですが、本書で描かれているような血の通った人間だったという事をあらためて知ることが出来て良かったと思います。

  • ちゃんと知る、という事がどういう事なのかは悩ましいけれども、何もしないよりは読むだけでも読む。美化しない。卑下も中傷もしない。20年でこの有様なのにもうすぐ80年。風化が一番良くない。

  • 以前、自分が特攻隊として出撃したらどうするか。との夢を見たことがある。自分の命が必ず無くなる究極の状況がリアルに感じられる本

  • 解説:入江徳郎

  • ずっと積読だった本。
    70年前のできごと、60年前の文章。
    読みやすく心にしみる文章。

  • 戦時中、報道班員として知覧にいた筆者が、戦後、関係者に取材して主に特攻隊員の心情面から特攻の真相に迫ろうとした著。
    人間への慈しみに溢れた視線が暖かい。

  • (2008.12.10読了)
    この本の初版は、「週刊朝日」に1964年11月13日号から1965年7月30日号まで38回にわたって連載されたものをまとめて、1965年に出版されました。それを増訂し、1970年に第二版が出版され、第二版をもとに、文庫版が出版されました。
    題名は「知覧」から「特攻基地知覧」に変更になっています。

    「今日われ生きてあり」は、涙しながら、読みましたが、「特攻基地知覧」は、虚しさ、理不尽さを感じながら読みました。
    著者は、陸軍報道班員として、知覧にいて、特攻隊員たちを見送った経験を持っています。「隠された特攻隊の実情を、全体にわたって明らかにしたい」ということで、最終的には、「陸軍特別攻撃隊〈上下巻〉」(文芸春秋)として完成しています。「知覧」は、全体構想のなかで「陸軍特別攻撃隊の終末」に当たる部分になります。

    ●記録をまとめる理由(363頁)
    戦時中、特攻隊について、おびただしい新聞記事が書かれ、壮烈、感激の文字をつらねたが、その大部分は作り話であった。戦争中の新聞報道は、作為、ごまかしが多いのは、よく知られている。なかでも、特攻隊についての報道は、終始、嘘やでたらめであったといえる。ところが戦後になっても、それを訂正することがなかったために、多くの人々は、作り話の特攻隊を事実と信じたままとなった。また、そうした記事が、事実を伝えたものとして引用され、資料となることさえ少なくなかった。

    知覧を飛び立つ特攻隊兵士は、勇ましくも、かっこよくもなく、発表された戦果には、何の根拠もなく、出撃した戦闘機の多くが老朽化しているせいもあって、故障のため多くが基地に戻ってきています。なかには、突撃の決心がつかず、戻ってくる場合もあったようです。戻ってきても、再度、行くしかないのですが。何度も戻ってくれば、隔離施設に入れられたりしたようです。
    特攻は、志願兵によるものと言われているようですが、それは建前で、命令で実行されたようです。
    沖縄が攻撃されているのに、なすすべがなく、何かしているという申し訳に、特攻隊を次々に送り出していたとしか思えないのですが、確認のためには、沖縄戦について読んでみるしかなさそうです。

    著者 高木俊朗
    1908年 東京生まれ
    早稲田大学政経科卒業
    松竹入社
    戦争中、陸軍報道班員。中国大陸、ビルマ、知覧飛行場。
    戦後、ノンフィクション作家
    1949年 「イムパール」(雄鶏社)
    1965年 「知覧」(朝日新聞社)
    1974年 「陸軍特別攻撃隊〈上巻〉」(文芸春秋)
    1975年 「陸軍特別攻撃隊〈下巻〉」(文芸春秋)
    (2008年12月14日・記)

  •  報道員として戦時下を生きた著者の、特攻隊の心情を語ったノンフィクション小説。
     結構ずばっと言い切っている所があるので、生生しいかもしれません。
     嫌いではないが、再読は出来ないかも・・・重い。

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