ビギナーズ 日本の思想 道元「典座教訓」 禅の食事と心 (角川ソフィア文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041354124

作品紹介・あらすじ

上流貴族の家に生まれた道元は13歳で出家し、24歳のとき南宋へ渡り、上陸を許されずに停泊している間に、典座(禅寺の食事係)の役職にあった老僧と運命的な出会いをする……。帰国した道元は、寺院の規律を保つための新たな基準となる書を撰述しようとし、『典座教訓』を著した。食と仏道を同じレベルで語ったこの書を、自らが長く典座を務めた体験をもとに読み解き、禅の精神を日常の言葉で語り、禅の核心に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 食材、調理、道具の取り扱いに、丁寧に向かい合ってみようとと思った。

  • 典座教訓という言葉は『土を喰う日々』から。
    どうやら、禅寺の食事係の役職らしい。
    読んでいてハッとさせられることが多く、料理の向き合い方、食材の向き合い方、それが成り立っている今との向き合い方に繋がっていきました。
    藤井宗哲さんが評釈をしていたが途中で亡くなられ、柿沼忍昭さんが残りを継いで完成されています。
    その所為か、後半の想いの失速は否めないが言葉は柔らかく何故か不思議と入ってきました。
    お二方の評釈は違いはあれど勉強にもなり、面白くもありあっという間に読み進みました。

    ビギナーズというシリーズではありますが、仏教用語(?)が身近に感じなかったこともあり満点にはしていません。

  • 日常で悟るためのヒント。

  •  ビギナーズならもっと道元や典座の生活について説明があっていい。
     典座教訓の訳も、もっときちんとすべきだ。口調を柔らかくしてあるのはいいが、きちんと原文と対照できない。
     作者は次のような人らしい。

    ウィキペディア(Wikipedia)』
    藤井 宗哲(ふじい そうてつ、1941年(昭和16年) - 2006年(平成18年))は、日本の料理研究家、演芸評論家、臨済宗僧侶。
    大阪生まれ。仏教大学中退。埼玉県平林寺僧堂、和歌山県興国寺、神奈川県建長寺で修行し、典座(台所役)を務める。角川書店で『三遊亭円朝全集』の編纂に携わる。鎌倉の不識庵で、精進料理塾「禅味会」を主宰した。妻は藤井まり。

  • 料理の心得のバイブル。

  • 道元は日常行為の作法にうるさい、と聞いてきたような気がするが、そうやって生きることの細部を大切にせよ、という教えだな。

  • この本は道元禅師の「典座教訓」を藤井宗哲氏が解説した本ですが、執筆途中で逝去されてしまった為後半の解説は曹洞宗長光寺の住職柿沼忍昭氏が書かれているので共著とも言えるでしょう。

    「典座教訓」の原文と解説本で170ページほどの薄い文庫本ですが、読み応えはあります。

    お寺の典座における料理の心得、食事の心得が書かれており、大切に食べ物を扱うこと、食べる人の事を考えて作ること。
    僧侶は仏の子でもあるから典座は仏を育てる事でもある貴重な役割であることなどの思想も書かれています。

    そもそも道元禅師が典座教訓を書かれるきっかけになった宗(中国)で典座をされていた老僧に出会うエピソードも書かれています。

    最後には禅の教えである「三心」(喜心、老心、大心)についても書かれてあり、典座がただの料理番ではなく大切な役割を担い、且つ自己の成長させることができる世界だということです。

    道元禅師、藤井宗哲氏、柿沼忍昭氏、そしてお釈迦様(ブッダ)の教えが少しずつですが散りばめられている本だと感じました。

    仏教伝来はいろいろなルートがありますが、永平寺が誕生のエピソードもあり、これを読むとやはり永平寺には一度足を運びたいと思いました。

  • 老心を養い周りの全てを慈しむこと。
    春夏秋冬の廻りくることを喜び、生かされていることに感謝すること。

    喜心
    老心
    大心

    典座教訓は食の教えを説いたもの、けれど人生の全てに通ずる教え。
    私もこの三心を忘れず、尽きることのない煩悩と共に生きてゆきたいと思う。

  • この本を読んでから、自分を大嫌いになりそうなとき、
    料理をするようになりました。

    藤井宗哲さんのエッセイの部分に、とても感動しました。
    一途に生きた人間って、ほんとうに強くて優しい、と感じました。
    私は、感動して泣いてしまいました。
    (なぜかは私にも分からないです)
    お料理のレシピは読むだけでヨダレが出ます。


    「悟り」って、喜怒哀楽を無くすことだと理解されること、多いですよね。
    なんとなく、私もそう感じてたんです。
    でもこの本を読んで、「悟り」って、
    「自分と、自身を取り囲む万物(人、物、自然)を慈しむこと」
    と教えてもらった気がします。(違ったらすみません!)

    「悟り」ってなんか怖そうなイメージがありましたが、
    この本を読んで、考えが完全に改まりました。
    「悟り」って、なんだかとても、あったかいものみたい・・・。

    知ったような口をきいてすみません。
    私が理解し切れなかったことが、たくさんあると思いますので、
    なんだそりゃ?と思われた方、ぜひご一読ください。
    藤井さんの語り口の軽妙さも魅力的ですよ。

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著者プロフィール

Eihei Dogen (1200-1253) was the founder of the Soto Zen school in Japan. A prolific writer, his masterwork, the 95-chapter Treasure of the True Dharma Eye (Shobogenzo)—of which Bendowa comprises the opening chapter—is considered one of the seminal works in Buddhist literature and a classic among religious and spiritual writings.

「2022年 『Master Dogen's Zazen Meditation Handbook』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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