おんな牢秘抄 (角川文庫 (5664))

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (570ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041356333

感想・レビュー・書評

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  • 小伝馬町の女牢で「姫君お竜」と名乗る美少女が、死刑を言い渡されている6人の女囚たちの冤罪を晴らす連作短編集。
    個々の短編の面白さは正直そこまでではないものの、それらが集まり新たな巨大絵図が浮かび上がってくるところが大興奮。
    そんなわけないだろというラストの活劇も爽快でよい。
    巧妙な伏線に気づき、あらためてその超絶技巧にうなるばかり。
    冒頭に大岡越前が反古のうらに書いた名前、悪者の性格と入れ墨に彫られた文字の親和性など、ただただにくい。

  • 山田風太郎のエッセンスが詰まっている

  • ミステリ好きの間で評価が高かったので初めて読んでみた、山田風太郎の本作。
    時代小説というので文体が硬すぎたりしないか…と危惧したが、杞憂に終わった。

    セリフこそ時代がかった言い回しだが、読みやすいことこの上なし!

    勧善懲悪ストーリーが小気味良いからか、はたまた全体を通しての伏線が効いているからか、
    スルスルーっと読めてしまう。

    トリックのネタあばきも興味深く読め、
    主人公の七変化がまた楽しく。
    ちょっと強すぎるんじゃないの?とか
    都合よくピンチを回避できちゃって…という部分もなきにしもあらずだが、
    それでも痛快な内容で、黒幕が誰でどういう経緯だったのか、と
    最後の最後に明かされるくだりは 一気読みさせられた。

    ちょっと艶っぽすぎる描写も散見されたが、評判どおりの本格ミステリ・痛快!時代小説だった。

  • 捕物帖なのに、本格ミステリのトリックが仕掛けられている。「明治断頭台」「誰にでもできる〜」と較べても遜色ない連作短編ミステリ。うまいなぁ。おきゃんな姫君お竜のキャラもよい。

  • 山田風太郎ねえ、と敬遠するには勿体ない一冊。ある偉い人のうつくしい一人娘・霞はなんと、あるお願いをかなえてもらうために女牢へ入る。そこで裁きを待つ、不当に牢に入っている女たちを救おうと話をきき、牢の外へでては謎を解明していくが、そこには奇妙な共通点が。
    うつくしくて聡明で、武芸の腕もなかなかの霞と、霞が結婚をせまっている主水介とのじりじりな関係ももどかしくて、きゅんとします。ちょっと艶っぽいのはまあ許してください。

  • まさに山田風太郎。素直におもしろい。

  • 美少女でありながら腕も立つ、大岡越前の娘、霞が小伝馬町のおんな牢に潜入して女囚の無実を晴らしていく。胸のすくような痛快な物語。<br><br>まず何しろ、霞=姫君お龍のキャラクターが魅力的過ぎる。その美貌、腕っ節、度胸、義侠心、推理力、行動力、その知恵、などなど、完璧過ぎるのに何故かまったく憎めない愛すべきヒロインがとにかく最高。探偵物としてのトリックもなかなか読ませる。姫君お龍は数ある風太郎作品のヒロインの中でも屈指の魅力。さらに、毎エピソードで楽しめるお龍七変化とも言える潜入捜査がまた最高に楽しい。花魁もいいけど、仁義を切るお龍も最高にいい。<br><br>もうかなわないと知っていても、この続編を書いてほしいと望まずにいられない。

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    タイトルがなんかちょっとエロいなぁと思ってたのですが、全然そんなことなかったです。解説にあるように、痛快時代小説でした。ひとつひとつのお話も面白くて楽しく読めました。ドラマ化しやすい感じ感じなのに、なんでならないんだろう?

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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