忍法剣士伝 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041356388

感想・レビュー・書評

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  • やっぱ風太郎は面白い!
    ただし、本作は風太郎としては水準作の出来。毎度の馬鹿馬鹿しい忍法自体も二つしか出でこないのはちと寂しい。

    すごく久しぶりの風太郎だったが期待を裏切らず、馬鹿馬鹿しさもここに極まれりだが、終わりまで読の筆力、発想力のなせる技。

    ラストもあっけに取られる奇想力。
    また風太郎をたくさん読もうと思った。

  • 1967年初出。

     エロティックな忍術(幻術)をネタに、織豊期の剣客12人(一部その弟子を含む)の対決と、彼らの下半身の欲望を生みだした北畠具教息女旗姫と旗姫警護の忍者との逃避行を描く伝奇小説。
     織豊期を描く小説なら、此処まで振り切れた方が面白い。
     しかも、官能小説でも出なさそうな妖術に幻惑された著名剣豪が血眼で旗姫を追い求める姿に男の滑稽さと悲哀を感じずにはいられず、笑いを噛み殺すのに苦慮。そして、本能寺の変の伏線になったラストの荒唐無稽さについに堪えきれず爆笑。
     著者ならこうでなくちゃと思える作品だ。

  • 最も驚いたのは主要登場人物があまり死なないことだった。敵味方ほぼ全滅が少なくない忍法帖にしては珍しい。忍法は「ほおずき燈籠」が興味深かった。女体の肌、肉、骨、血管、臓器に至るまでが透明になるという発想は超越的だ。キャラクターは有名な剣士が数多く登場しているが、大抵が同士討ちである。バトルロワイヤル的展開は武士道上無理があるのだろうか。しかし戦いの緊迫した空気は伝わってくる。敵とは言え殺気の鋭さと剣術は天晴れと言うべきだ。ストーリーは逃亡譚で所々ラブコメっぽくもあった。印象が薄いのは剣客の実力故だ。ラストの史実とのリンクの仕方が絶妙だった。最後の一行に、逃げ行く二人に一縷の希望が残されているようで、非常に良かった。ただ、十二人もの剣客を登場させた反動で、講釈が長々となってしまった所が残念だった。

  • 流石山風だなあ~。竹中半兵衛が出てくるってことで読み始めました。結果、数ページでしたがw 面白いのですが、決して他人には勧められない一冊ですw

  • 期待しないで読んだら、結構面白かった。出てくる有名剣士が個性的で良かった。プロットも読ませる。

  • 実在の剣豪達の扱いは難しいよね。大抵相打ちなのがちょっと笑えた。最後に地獄如来を光秀が浴びる展開は予想通り。やっぱ風太郎は明治物の方がいいな。

  •  面白かった。
     信長の野望ではほとんど雑魚扱いの北畠具教を書いた小説を読んだことが無かったので、その辺も興味深かった。
     ただ、剣士の一人が今の言葉で言うハンセン氏病を患っており、その描写がとても現在の出版業界では容認されそうもないので復刊は難しいだろうというのが残念だ。
     戦国時代だから、昔はこれほどの偏見があったというのも仕方ないことだし、事実に近いとも思うし、差別を助長することにはならないと思うんだけども。

  • 頑張れ京馬!
    ありとあらゆる剣士さまたちが出てくる。剣法対決だ。
    びるしゃな如来以外は忍法が殆ど出てこない。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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