- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041356661
作品紹介・あらすじ
永禄元年、この年23歳の秀吉は信長の愛妹・市姫に理想の女人の顔を見出した。彼女を手中に堕としたい一心で、秀吉は大謀略を企てる。口上の上手さと憎めない面相を隠れ蓑にした、狡知と詐術に満ちた策略の数々。浅井長政の破滅から本能寺の変、山崎合戦、柴田勝家の滅亡まで…全てを掌上で引き起こし、天下取りの階段を登り始める!英雄・秀吉の仮面を剥ぎ取り、その奇怪極まる妖貌を明らかにする異色の歴史伝奇大作。
感想・レビュー・書評
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面白い。
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下巻にて。
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きれいな秀吉ではなく汚い(人間らしい)秀吉。全ての行動の目的は女(市姫)という設定。猿面で貧相だからこそ極度の女性コンプレックス。そのコンプレックスがあらゆる所業の源。物語はテンポ良く進む。上巻は分かりやすく伏線を張る(物語自体よく知られている内容でもある)ので,下巻でどう展開するかを予想しながら読むのもいい。
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立身出世を目指すのは高貴な女を手に入れるため。
本能寺の変秀吉黒幕説はよく聞くが、なんでもかんでも事件の裏には秀吉の暗躍あり。絶対に女から愛されない男の妄執を原動力としたピカレスクロマン。
こじらせすぎて、誰であろうが姫君を見ると目をギラギラさせるペドフィリアぶり。
死にゆく半兵衛との会話は壮絶すぎた。そんな理由でww
最も凄いのが、そんな内容なのに妙に納得させられてしまう山風の力量だ。英雄秀吉を称賛すると援護が苦しくなる問題の晩年をどう書くのか期待しながら下巻へ。 -
上巻は清洲会議まで。野武士の一員だった猿が様々な出会いを経て、魔王様を凌駕する化物になっていく。
竹中半兵衛の深慮遠謀、半兵衛を不要とする秀吉の強欲。そして秀吉を牽引する高貴な少女への欲望が納得できる描写。 -
本能寺の変は秀吉の陰謀によるものというのは、有名な仮説ですが、恩人信長を殺してまで得ようとしたのは、天下もだが「女」だったという大胆な設定の太閤記。
後の女狂い、人間不信はすべて女にモテないコンプレックスから始まったとするのは、特別冴えた読みではないけど、風太郎が描くことでこれしかないと思わせる説得力があります。
著者プロフィール
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