妖説太閤記 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 64
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041356661

作品紹介・あらすじ

永禄元年、この年23歳の秀吉は信長の愛妹・市姫に理想の女人の顔を見出した。彼女を手中に堕としたい一心で、秀吉は大謀略を企てる。口上の上手さと憎めない面相を隠れ蓑にした、狡知と詐術に満ちた策略の数々。浅井長政の破滅から本能寺の変、山崎合戦、柴田勝家の滅亡まで…全てを掌上で引き起こし、天下取りの階段を登り始める!英雄・秀吉の仮面を剥ぎ取り、その奇怪極まる妖貌を明らかにする異色の歴史伝奇大作。

感想・レビュー・書評

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  • 下巻にて。

  • 山田風太郎さんの「英雄色好む」の解釈が面白かった。1人の女に執着する男は大成できないってか。なるほどね。
    あと上巻下巻とも、やたらこの時代に起きたことと第二次世界大戦中の出来事を比較する文章があった気がする。

    吉川英治さんが「太閤記」で本当は秀吉の妻になった時13歳だったねねを現代人の常識に合わせて17.8歳にしたという逸話を読んで、「こういうの、他の小説でもよくあるよなー」と思った。
    京極堂シリーズでも、時代を考えればそろそろ結婚してないことを笑われそうな年齢の女性がピチピチギャル扱いされとる。

  • きれいな秀吉ではなく汚い(人間らしい)秀吉。全ての行動の目的は女(市姫)という設定。猿面で貧相だからこそ極度の女性コンプレックス。そのコンプレックスがあらゆる所業の源。物語はテンポ良く進む。上巻は分かりやすく伏線を張る(物語自体よく知られている内容でもある)ので,下巻でどう展開するかを予想しながら読むのもいい。

  • 立身出世を目指すのは高貴な女を手に入れるため。
    本能寺の変秀吉黒幕説はよく聞くが、なんでもかんでも事件の裏には秀吉の暗躍あり。絶対に女から愛されない男の妄執を原動力としたピカレスクロマン。
    こじらせすぎて、誰であろうが姫君を見ると目をギラギラさせるペドフィリアぶり。
    死にゆく半兵衛との会話は壮絶すぎた。そんな理由でww
    最も凄いのが、そんな内容なのに妙に納得させられてしまう山風の力量だ。英雄秀吉を称賛すると援護が苦しくなる問題の晩年をどう書くのか期待しながら下巻へ。

  • 上巻は清洲会議まで。野武士の一員だった猿が様々な出会いを経て、魔王様を凌駕する化物になっていく。
    竹中半兵衛の深慮遠謀、半兵衛を不要とする秀吉の強欲。そして秀吉を牽引する高貴な少女への欲望が納得できる描写。

  • 本能寺の変は秀吉の陰謀によるものというのは、有名な仮説ですが、恩人信長を殺してまで得ようとしたのは、天下もだが「女」だったという大胆な設定の太閤記。

    後の女狂い、人間不信はすべて女にモテないコンプレックスから始まったとするのは、特別冴えた読みではないけど、風太郎が描くことでこれしかないと思わせる説得力があります。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2018年 『忍法双頭の鷲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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