妖説太閤記 下 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

著者 :
制作 : 田島 昭宇 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 60
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041356678

作品紹介・あらすじ

お市の方へ続く途上の邪魔者をことごとく排除し、秀吉は天下に手を掛ける。だがその時、焦がれ続けた彼女はこの世を去った!絶望する秀吉だったが、彼女に生き写しの遺児・ちゃちゃ姫を手に入れ、遂に切望を果たす。老醜の権力者の欲望は留まることを知らず、肉欲、殺戮、大遠征と、あらんかぎりの悪と権謀の愉しみを開花させ-。女から愛されず、1人の女人と欲に溺れた"人間・秀吉"を正史の背面から描ききった大傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 一片の漏らしもなく秀吉の物語を読みきった、という錯覚に陥らせてくれる大傑作。歴史にさほどの興味も知識も無い私であるが、戦国の世の無情と人の心の無情と、肉体の無情と、孤高の雄の無情とに、このちっぽけな心は今、千切れんばかりに締め付けられる。
    すべてはただたった一人の女性への恋慕のために、という奇想で歴史を見れば、案外それこそがただひとつの回答のようにも見えてくる。
    ともすれば陶酔を邪魔しかねないにも関わらず、随所に差し込まれる太平洋戦争の逸話も、むしろ著者の気骨をかんじさせ、あらためて山田風太郎の凄さを実感できる力作であった。

  • 秀吉のモテメン達とモテメンを愛する女達への憎悪っぷりに泣いた。
    秀吉の家来よ(名前忘れた)良いじゃないか。戦の原動力が「僕チン、モテたーい!」でも。
    女から見たら男の天下取りなんてみんなそんな感じにしか見えないよ。
    美女欲しい!お宝欲しい!土地が欲しい!←こんな風にしか見えん。

    真田丸に出てきた人々の名前が続々と出てくるが、竹内結子さんにくっついてたオバちゃん(大蔵卿局。上巻では別の名前で呼ばれてた。)が美少年に強姦された設定だったり、加藤清正殿や石田三成殿が大河ドラマほどカッコよくなかったり、キリちゃんが妾にされそうになった人の妻達娘達側室達の処刑シーンが無残すぎたりでショッキング。

    秀吉が満足して死んだのか未練タラタラで死んだのかがぼかされてるところが何とも言えない。
    淀君やおねねの彼に対する本心もハッキリしてなくてスッキリしない。
    わざとそう書いたのかもしれんが。

  • どこかのレビューで早く死んで欲しいと願ったとあったが,そんな感じはしなかった。描写はグロテスクではないし,むしろ,淡々とあっけなく最期を迎えている。途中の関白秀次に殉じる姫らの辞世の句が順に描かれたものは初めてだったので印象に残った。
    上下巻読んで,半兵衛の戦略,戦略を用いること,戦略は目標に依存することをよく考えるようになった。自分の生き方に戦略はあるのか。

  • その強欲で天下を統一した秀吉だったが、強欲の源泉となった女色ゆえに命を縮め、体制を崩壊させる種を育てていく。
    「妖説」という割にはトンデモさは少ないが、要所要所で関わっていく「石川五右衛門」がいい味を出してる。
    大河ドラマ原作は無理ですか?

  • 上巻では「妖説」化した歴史の解釈で、秀吉が本能寺を裏で糸を引いたというのをリアリティを持って描いていたのが面白かったが、下巻は事実の羅列だけで寒気がするというのが凄い。

    この陰惨な描写が普通の秀吉伝では描き得なかったものだとすれば、貴重な一冊と言えるかも。

    しかし、家康が秀吉の生き方を認められないながらも、ある種の羨望を感じざるをえないというのは、作者の正直さを表していて、いいなと思う。

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プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2018年 『忍法双頭の鷲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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