- 角川書店 (2011年3月25日発売)
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感想 : 10件
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041356685
作品紹介・あらすじ
明治19年、薩摩出身の有馬四郎助が看守として赴任した北海道・樺戸集治監は、12年以上の受刑者ばかりを集めた、まさに地の果ての獄だった。監獄で次々と起こる奇怪な事件に巻き込まれた四郎助が目にしたものとは
みんなの感想まとめ
過酷な環境下での人間の葛藤と成長が描かれた作品は、明治時代の樺戸集治監を舞台にしています。看守として赴任した有馬四郎助と、キリスト教教誨師・原胤昭の二人が、囚人たちの過酷な運命に直面しながら、次第にそ...
感想・レビュー・書評
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■”地の果ての獄”、すなわち”地獄”――。
そこでは看守による囚人への苛烈な拷問、さらには虐殺ともいえる裁判なしの死刑が日常的に行われている。囚人たちは汚物まみれで放置され、肺病・梅毒持ちも多くみられるのに監獄医さえいない。寝具などろくなものがあたえられず、極寒の夜は狂った獣のような咆哮が獄内にこだまする。食事も粗末この上なく、日中は奴隷なみの強制労働が課されるというのにイワシなどの動物性たんぱく質を口にできるのは十日にたった一度きり……。
■そんな北海道樺戸監獄にふたりの男がやってくる。ひとりは新人看守・有馬四郎助。もうひとりはキリスト教教誨師・原胤昭。このふたりがそれぞれのちに「愛の典獄」、「免囚保護の父」として歴史に名を残すことになろうとは、このとき誰が予想できた……いや、神だけは最初からすべてをお見通しだったのかもしれない……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物はほぼ(?)実在のようだが、エピソードは創作のようだ
有馬四郎助;日本の刑務官、社会事業家、監獄改良と行刑制度の確立に務め、少年釈放者の保護事業として家庭学園(横浜家庭学園)を設立。
原胤昭;明治時代のクリスチャンの実業家、浮世絵商、1898年に出獄人保護所を創立、囚人保護の事業に尽力。
樺戸集治監で有名な「五寸釘の寅」のエピソードも実際は「自分を可愛がってくれた叔父が博打の揉め事で殺され、そのあだ討ちとして叔父を殺した人物に刀を振るい家に火を放ったため」である
エピソードは創作でも、樺戸道路を作る際のことなどは実際だろう
なるほど… -
明治の北海道を舞台にした物語。実在の人物がでてくるが、話は筆者の創作。明治時代の様子を思い描ける貴重な作品だと思う。明治18年頃が舞台だが、御一新から20年近く経っても、北海道は一部に鉄道が走るとはいえ、未開の地。そんな場所に最重刑の囚人が収容される集治監(今の刑務所)がある。そこに赴任した主人公が、偶然赴任の途上で知り合った日本人教導師から「何でもよいから囚人の話を聞いてやってほしい」といわれた言葉を無視しようとしながらも徐々に話を聞くようになる。御一新で生活が一変してもがきながら生きる人の交々が哀しい。
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12-40
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きりきりしながら下巻に行こう。明治時代に詳しくないけど、分りやすい。
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去年、網走監獄博物館を訪れたので大変興味深く読ませていただきました。行く前に読んだらかんがいもひとしおだったかな。以外にも初山田風太郎。もっと読みたくなった。
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山田風太郎の作品
