精神分析殺人事件 (角川文庫)

  • 角川グループパブリッシング (1977年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784041365274

みんなの感想まとめ

精神の病理研究をテーマにした短篇集で、練り込まれたプロットと心理学的視点が際立っています。昭和46年から47年にかけて発表された五編は、精神分析や催眠術、精神分裂、麻薬分析、児童心理といった多様な視点...

感想・レビュー・書評

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  • 古い本の整理をしていたら本書が出てきて、内容が少し気になったので読み始めると最後まで一気に読んでしまった。読みやすい文体とその面白さに引きつけられたのだ。昭和46年から47年にかけて小説誌に掲載された五編を収録した短篇集だが、何れも精神の病理研究をテーマにしている。「精神分析」「催眠術」「精神分裂」「麻薬分析」「児童心理」の各殺人事件を、精神医学・心理学・犯罪学の観点から事件解決に導く筋書きである。ヴァン・ダインのファイロ・ヴァンスものや、江戸川乱歩の『心理試験』など、犯罪者の心理に事件の鍵を置く小説は珍しくないが、本書の五編は練られたプロットと作者の心理研究が活かされており、作風の暗さと合わさって、面白かった。

    表題の『精神分析殺人事件』には虫をとらえて残酷な遊びに熱中する孤独な少年を描いているが、これは作者の自画像らしい。長編『真昼の誘拐』にも同様の児童が登場する。『催眠術殺人事件』は催眠術を利用して殺人を代行させるという、仰天のトリックが用いられるのだが、現実に可能なのか気になる。『精神分析殺人事件』は精神異常を装って罪をまぬがれる完全犯罪を企図し、それに成功した男が入院した病院で地獄をみるという皮肉な作品である。精神医療の現場への告発ともいえよう。

  • 79077.77

    夏休み第一弾!終業式の日の午後に読んだ。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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