限りなき夏 1 (角川文庫 緑 371-22)

  • KADOKAWA (1981年2月1日発売)
3.60
  • (2)
  • (3)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 43
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (204ページ) / ISBN・EAN: 9784041371220

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この人の描くハワイを読むと行ってみたくなる。サーフィンのシーンはやったことがないのでいまひとつ実感が沸かないが。めずらしく一人称。

    (P113)美絵子から渡された8オンス罐のバドワイザーに唇をつけ、ビールが喉に流れ込んでくる瞬間に、私=稲村日出夫と佐原隆幸のストーリーがカットバックしてくるのがいい。またこのふたりに亜沙子を加えた三人のストーリーがなんだかとても70年代っぽい雰囲気がしてとてもいい。偶然の出会い、ダットサンと罐ビール、サーフィン映画、夜中に海までのドライブ。最後に両手で押しつぶしたビールの罐は三分の一以下の高さに、ひしゃげた。

    読んでいるうちに、ふたりが別れた直後に佐原が事故って死んでしまったらそれはそれでなんともはかなくせつないエピソードになるのではないかと思った。

    挿話の最後では三分の一にしかつぶれなかった罐は今の時制に戻ると、きれいに薄くつぶれる。「年季がちがうんだ。これまでに、こうやっていったい何本の罐ビールを飲んだだろう」たぶん最初に罐をつぶしたのが挿話の最後、そこからの時の流れが罐のひしゃげ方で語られるというのもうまい。

    (P170)田舎の食堂と老夫婦の描写がとてもいい。夏のハワイにジュークボックスから流れるリズム・アンド・ブルースの『ホワイト・クリスマス』。P175で三十代のなかばになった私と1920年代のホノルルのダウンタウンの対比にはなんだか涙が出そうになった。

    最後に高校生の浩朗に物語が移り、どうなるかと思っていたらまさか?に続くとは思わなかったが。

  • セリフの一つひとつがかっこいい。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

片岡 義男(かたおか・よしお):1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、1974年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。1975年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。

「2024年 『日本語の外へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

片岡義男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×