湾岸道路 (角川文庫 緑 371-32)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041371329

感想・レビュー・書評

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  • 杉本控えめに言ってどストライク……
    滝の近くの古本屋さんのやさしい店主が
    レジで これ面白いですって仰ってくれて読むのワクワクしてた
    楽しみすぎて 一瞬で終わってしまった

  • 男は、女は、ということはあまり受け入れられない世の中だけれど、誤解を恐れずに言うと男の愉しみ、女の愉しみというのはあって、男のための小説というのもある。例えばヘミングウェイやフィッツジェラルドやピート・ハミルが描くハードな影に潜む哀しさなんていうのは男でこそ分かるロマンチシズムだし、片岡義男の小説の格好良さもそう。

    ただただ映画のワンシーンのような格好良さを描きたいがために筋書きやリアルさを欠いていても、あぁこれでこそ片岡義男だし、その不完全さは彼だからこそ許せる。なんでただの事務員やジムのインストラクターが代々木公園とか東横とかから徒歩数分の数LDKに住んでクライスラーとか乗って海外旅行や高級レストランの外食しまくってんのかという指摘は彼にとっては野暮なもの。行動倫理は格好いいのただ一つ。急に離婚を切り出しバイクでいなくなった男を追って、買い物魔の美人がハーレー買って練習し、別れた日に別れた場所と同じところから湾岸道路に向かって走り始めるなんて格好良さ以外のなにものでもない。

    スローなブキにしてくれやさしむかいラブソングといった傑作に並ぶ一つだと思う。

    ところで、彼の小説の口調は男も女もなんで少し変で、すごく優しさを感じるのだろう。

  • 久々に読み返してみた。
    クライスラー コルドバに
    チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
    そして、ハーレーで湾岸道路。
    カッコいい。
    私の湾岸道路初乗りは、XT250です。気持ちいい道なのでついついフルスロットルに。二十数年前のことですが(^_^;)
    またバイクでカッ飛びたい!

  • かっこいいからお前と結婚した
    かっこいいからお前と離婚する
    かっこいいから一人で旅に出る…

    そんな杉本を愛した、美しい女、芙美子。

    非凡なふたりの日常に、私たち読者はいとも簡単に置いていかれる。

  • オートバイ小説

  • 片岡義男の長編小説。
    物語全体の流れとして、主役は、実に作者らしいキャラクターの一組のカップル。そのカップルが出会い、結婚し、分かれる。女が男の後を追いかけていく。
    このような話が、作者の簡潔な文体。流れるような登場人物の会話を通じて、作者の他の作品を読んだことのない人には(読んだことのある人でも、もしかしたら)おそらく思ってもみなかったストーリーで綴られていく。
    現在は絶版になっていますが、見つけたら読んで見ることをお勧めします。
    自分はブックオフの100円コーナーで見つけました。
    ただ、この作者は、読む人を選ぶ気がします。

  • 母が学生時代に片岡作品が好きで、読んでみればと薦められたので、初めて読みました。
    何て言うか、昭和をすごく感じるけれど、それがいい。登場人物たちの言葉がきれい。そして何よりも主人公が美しい。見えないけどそれが伝わってくる。他の作品も読みたくなった!

    オートバイであたしも走っていきたい。

  • 年齢がバレるけど中学生の時に好きだった。結構持ってたけどこれは読んだことなかったかも。今古本で買おうとすると高くて驚き。

  • 85029

    20 水が流れるように抵抗のない登場人物たちの人生。小説という虚構のひとつの形

    ※1989年再読

  • カッチョイイ女性が主人公!!

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『日本語の外へ』『万年筆インク紙』『珈琲が呼ぶ』『窓の外を見てください』『いつも来る女の人』『言葉の人生』ほか多数の著書がある。

「2022年 『これでいくほかないのよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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