星の数ほど (角川文庫)

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  • 角川書店
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本棚登録 : 33
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041371596

感想・レビュー・書評

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  • 直島のカフェで出会った本。
    9月という設定と読んでいる今とがリンクするような感覚を持ちながら読み進めてしまうようなリアリティがある。誤解を恐れず言えば、いかにも男性が思い描きそうなロマンチシズムをそのまま体現したような内容で、ある意味受け入れ難かったが、それ以上に惹き込まれる感傷がある。
    海を見ながら海のシーンを読んだので、今後もこの本を開くたびにその時の光景まで思い出しそう。

  • ●星の数ほど
    機能的に作られたオフィスで食堂に向かっていた朝倉裕子は以前一緒に仕事をしたことがある長谷川に呼び止められ一緒に昼食をとる。長谷川が三年間つきあっているという小沢美由紀がオートバイに乗ると聞いて興味をもつ。午後、仕事を始めた裕子はふと美由紀のブースに電話をしてみた…。
    ---
    旅行先の旅館で美由紀が死んでしまうという展開には驚いた。この作者の作品の中で登場人物が死ぬことはほとんどなかったのではないか。ストーリーのラストもふとしたきっかけで死が訪れることをそこはかとなく伝えていて、ちょっと他の作品にはない印象を受けた。

    ●花よ食卓に来い
    「ぼく」はA子さんと部屋で夕食を共にしている。夕食を食べながら理想的な朝食の話になり、ぼくがA子さんのために朝食を作ってあげることになる。A子さんが部屋に入って寝てしまったあと、部屋のキーを共有しているB子さんがやってきた…。
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    「A子さん」という匿名での書き方が珍しい。朝食についての細かい描写も作者らしい。でもこのラストはちょっといただけない。世間一般の人が考える片岡作品ってみんなこんな感じなんだろうな。

    ●深夜の青い色
    吉川真理子は同僚の木村に食事に誘われる。妻の裕子には内緒で自分だけの部屋を借りようかと考えている木村に一緒に部屋を見に行って欲しいといわれた真理子は、部屋を見に行くから付き合ってくれという口説き方をした男がこれまで三人いた、と車を降りる。このことがきっかけで木村と離婚した裕子は真理子の部屋に引っ越してくる。

    ●二者択一に酔う
    「ぼく」はかつて美佐子と美保子という二人の妻と離婚していて、二人の息子はそれぞれの妻が育てている。その原因はどちらも江美子という結婚前から付き合っている女性だ。ところが二人の元妻からもう一度一緒に暮らしてもいいとほとんど同時に言われてしまう。
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    ストーリーの設定やシチュエーションとしてはおもしろいが、いくらなんでもちょっと無茶苦茶でそんなことはないだろうと思ってしまう。

    ●ビールの飲みかた
    三人は特急を降りた。男性がふたり、高木と西田、そして、裕子だ。男性ふたりはそれぞれカメラを持っている。三人は海岸を気ままに散歩する。男性ふたりは思い思いにシャッターを切る。それぞれが微妙な距離をとっている…。

    ●ビートルズを撮った
    久しぶりに会ったグラフィックデザイナーの柴田雪子は「ぼく」が昔、来日記者会見で撮ったビートルズの写真を見せてくれといった。先輩の小説家、朝倉裕子の小説の装丁に使いたいという。柴田の紹介で裕子と会った「ぼく」は次の日に会いたいと電話をかける。取材旅行に出るところだった裕子と新幹線の中で待ち合わせることになった…。
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    著者あとがきでこれら短篇が同一の男女を主人公とした連作で最後のストーリーでふたりが出会うという構成にまったく気がつかなかった。それはそれでおもしろいのだが、男性編のストーリーがちょっと好きになれないのが残念。二人が出逢うまでを丹念に描き、出逢ったところでこれからの恋愛を予感させつつ余韻を残して終わるという構成はおもしろい。テレビドラマなんかで使ったら結構かっこいいのではないか。

  • 昭和62年に初版がつくられた文庫本である。 昭和年代記わとても苦手なので西暦で言う。 1982年だ。 合ってますよね。 昭和年代に20を足すと西暦。 つまり昭和元年わ1920年。 太平洋戦争の敗戦わ昭和25年で1945年。 はい全部正解w。

    というぐわいに本当にどうでも良いことを凄く気取って書いてある本です。 ただそれだけです。

    加えて、思い切りワンパターンです。 男が「・・・・・か」と訊くと、女が「・・・・わ」と応える。 この手の会話だけで全体が出来上がっています。 よくもこんなので当時であっても売れたものだと今は思います。

    これわ、読み手もどうでもよい気晴らしか時間つぶしのつもりで読んで下さい。 そうするとすこぶるに面白い本でしょう。 と、一応褒めておきますからね。

  • ふたりの男女がふとしたきっかけで引き会わされる。。。そんな素敵な物語。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『日本語の外へ』『万年筆インク紙』『珈琲が呼ぶ』『窓の外を見てください』『いつも来る女の人』『言葉の人生』ほか多数の著書がある。

「2022年 『これでいくほかないのよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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