スローなブギにしてくれ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041371916

作品紹介・あらすじ

彼の第三京浜は今日も薄曇り。走っても止まっても、うんざりの毎日へ、類は友を呼んであいつが現れた。ヘッドライトを消すと夜明けが来て、いよいよ朝のどんづまり。わかってない奴らは、これを「青春」と呼ぶ。

感想・レビュー・書評

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  • 還暦を迎えるオヤジに勧められて読んだ。
    ええ格好しいな父さんらしい、ハードボイルドな男たちで溢れていた。
    スローなブギを聞いて、海に出たくなった。

  • 小説の中にちりばめられている素材がトレンディでセンスが光る。泥臭いシチュエーションも、この作家の手にかかるとアメリカの西海岸あたりの明るい風景に替えてしまえる。小粋でテンダーな小説。読後、カッコよく生きていきたいって本気で思った。

  • 片岡義男さんの数多い作品の中で一番好きな作品「ハートブレイクなんてへっちゃら」が収録されてます。

  • 片岡義男に出会ったきっかけの本
    この本の世界と描く人間たちに惹き寄せられて
    すっっかり片岡義男さんの虜です
    猫!

  •  ちょっと前に片岡義男さんの最近の書き下ろしエッセイ集「僕は珈琲」を読んだのですが、その独特の感性が気になって、彼の往年の代表作を読んでみようと思い立ちました。
     1975年に雑誌「野生時代」で発表されたとのことなので、もう50年近く前の作品です。
     本書は、表題作をはじめとして計5編を集めた短編集ですが、どの作品にも、街々の情景描写、男女のキャラクタ設定、オートバイ、たばこ、ファッションといった小道具類に、当時の時代が色濃く映し出されています。

  •  今、読み返したいのは、大藪春彦と片岡義男。
     中学生のころから読み始め、20代のころまで良く読んでいた、いわば、青春の風景の中にあった文庫本の両雄だ。

     朝日新聞の語り下ろしコラム連載に片岡義男さんが登場しており、自身がDJを務めていたラジオ番組『気まぐれ飛行船』の話もされていた。14年間続いた番組の4~5年を、僕も聴いていた。深夜の放送時間で、たいがいサントリーホワイトを飲みながらだった記憶がある。そんな片岡義男さんの代表作でもある、『スローなブギにしてくれ』が文庫本で刊行されていた。

     久しぶりに読んでみると、描かれる文章を透かして見えるのは僕の青春だ。とはいえ、風呂なしの板橋区蓮根『喜代花荘』が舞台では、たかが知れているけどね。

    ~大藪春彦作品も読みたいな~

  • 短篇集『スローなブギにしてくれ』と『マーマレードの朝』を再編集した短篇集です。強い男と弱い女、不器用な二人の物語です(「マーマレード…」だけは逆)。著者もあとがきで言っているけど、読み切りのコミックのような作品で、情景が目に浮かんで、まるでアニメを見ているような感じがしますよ。

    スローなブギにしてくれ
    モンスター・ライド
    ハートブレイクなんて、へっちゃら
    マーマレードの朝
    さしむかいラブソング

  • 短編集。どれも男と女の物語。なんかおしゃれ。表題作の「スローなブギにしてくれ」では最後の「スローなブギしてくれ」というセリフにいろんな意味がこもっているように思える。これからの世界を静かに受け入れているような感じがした。

  • 再読物が続く。
    片岡義男はハードボイルド(文体)なんだよな。
    タイトル作より「ハートブレイクなんて、へっちゃら」が好み。
    主人公が七里ガ浜のバーで飲んでいたビールはシュリッツでした。ながらくバドワイザーだと思っていた。

  • 1日1話ずつ読んで、愉しんだ全5日間。生活のなかで食後のシャーベットみたいに、カリフォルニアの口のなかで落とし前をつけてくれるようだった。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『日本語の外へ』『万年筆インク紙』『珈琲が呼ぶ』『窓の外を見てください』『いつも来る女の人』『言葉の人生』ほか多数の著書がある。

「2022年 『これでいくほかないのよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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