石の血脈 (角川文庫 REVIVAL COLLECTION は 1-1)
- KADOKAWA (1996年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041375037
感想・レビュー・書評
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ヴァンパイヤから狼人間、メガリス、宗教の発足といった要素をこうもうまく説明しえる説…まさに小説。こういうプロセスを経るなら、不死者が今も世界に数人くらいはいても不思議ではないのかも、と思える。
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2015.12.2(水)¥100+税。(-2割引き)
2016.3.23(水)。 -
この表紙じゃないんだよなあ。角川の横溝正史と半村良の素晴らしい表紙はもっと評価されるべきだと思う。
さて、長いし内容も重いんだけど、これぞ半村良の集大成というべき作品だ。100mを6秒台で走る謎のミイラ人間、暗殺教団とアトランティスから続く巨石信仰。
その辺でしばらくスタックされ、退屈な話で終わるのかと思いきや、古今東西の政財界を牛耳る謎の集団、古代ヨーロッパの石像が出てくる意味、世界各国の吸血鬼伝説に奇病に伝播メカニズムと、てんこ盛りの上のてんこ盛りで、良い意味で半村良らしい展開となる。幕切れもよくあるコンパクトなオチになっていないあたり、非常に良い。
全般に、知識をこれでもかと登場人物に喋らせるところと、特に後半に集中するエロ描写の連続には、うんざりしなくもないが、個人的に「半村良作品といえばコレ」と推せる1冊である。 -
壮大なスケールのSF。さまざまな謎や権力を巡るやりとり等、とてもおもしろかった。
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ミステリーと伝奇小説が混在した作品。
ある策略が判明するまではミステリー、
その後は伝奇系に色が変わります。
これは人の消えることのないある欲求が
テーマとなっております。
それがために多くの人が犠牲になり
隅田の周りの人もこの陰謀の駒となります。
ですが、それに異を唱えるものの
工夫した行動によりその計画は
悪い形ではあったものの
消し去られます。
でも、すごく悲しい物語。
人の欲は時に暴走します。
なのでこの本を読んだ後
今あがっている大きな問題を思い起こさずには
いられませんでした。 -
国枝史郎、山田風太郎の系譜を引く伝奇小説。
半村良の小説の中でも群を抜く完成度を誇っている。
吸血鬼の設定を日本に持ち込むとこうなる。
犬神伝説や不老不死の伝説とも絡めてとても興味ぶかい。
SFXの特撮の進化した現在、映画化が待たれる一作でもある。
エロスやサスペンスもふくめて、一級のエンターテイメントである。
なぜ『戦国自衛隊』ばかりが人気なのか、わけがわからない。
半村良といえば、まず『石の血脈』か『妖星伝』である。 -
超人として人間には計り知れない性の快楽を得て性の開放感を楽しんだ後に化石人間となり、数千年後に蘇って不死を得る。
不死の資格を持つために人間は激しい闘いを繰り広げると言うが・・・
死は確かに恐ろしいけれど、不死はもっともっと恐ろしい事だと思ってしまうのでした。 -
前半はやたら描写や薀蓄が細かく、のめり込めなかった。しかし中盤からぐいぐい物語が進行する。前半の設定よりも、本書のポイントは終盤の空しさ。いっきにストーリーが多淡々と着実に、絶望的に進む。どんでん返しはさらに新たな空虚へ包まれた。読了後の諦念にも似た充実感こそが、傑作といいたい。
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古代アトランチスの謎を秘めたクロノスの壺。この壺の展示会こそ全ての悲劇の幕あけといえた。美しい人妻の失踪、人間の能力を遙かに超えた狼男の暗躍、美男美女の秘密グループが行う性の狂宴―これら次々に起こる奇怪な事件こそ、永遠の生命を求める暗黒の野望のうごめきであった…。そして今、古代イスラムより歴史を貫いて脈々と生きる恐怖の秘密の全貌も明らかにされようとしていた…。壮大なスケールで描くSF伝奇ロマンの最高傑作。
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【感想】
http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/27723525.html