およね平吉時穴道行 (角川文庫 緑 375-5)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041375051

感想・レビュー・書評

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  • ワタクシにとっての半村良というと、この本だ。中学以来の再読だが、その1回めに読んだ時には、表題作の途中で挫折した。

    表題作はタイトルのとおり。江戸時代の発明家で戯曲家の山東京伝の資料を漁っているうちに、明らかに辻褄の合わない文言にぶつかる。そこで出てくる「およね(米)」が昭和にタイムスリップしてくる?

    ちなみに、長編ではなく、短編集。ただ、表題作も京伝について、思い入れを延々と語り尽くすため、まあ読みにくい。これこそ半村良スタイルなのだが、この歳になると読めてしまうのですが、中学生には厳しかろう。

    表題作の他にも、コピーライター/CM作家を主人公にした半村良主人公の作品が並ぶ。時に落語調であったり、ショートショートだったりするあたり、かんべむさしを髣髴とさせる。それぞれそれなりに面白いが、こう、突き抜ける程のものはないんだよね。

    最後の矢部が主人公のハードボイルドはイマイチ…。やっぱりこの人は、ハードボイルドは合わないわ。

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著者プロフィール

1933年東京都生まれ。都立高校卒業後、紙問屋の店員、板前見習、バーテンダーなど様々な職業を経験した後、広告代理店に勤務。62年「SFマガジン」第2回SFコンテストに「収穫」が入選。71年初の単行本『およね平吉時穴道行』刊行。73年『産霊山秘録』で泉鏡花文学賞、75年「雨やどり」で直木賞、88年『岬一郎の抵抗』で日本SF大賞受賞。『石の血脈』『戦国自衛隊』『妖星伝』など著書多数。2002年逝去。

「2023年 『半村良“21世紀”セレクション1 不可触領域/軍靴の響き 【陰謀と政治】編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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