- 本 ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041375334
作品紹介・あらすじ
最新兵器を携えた自衛隊が戦国時代へタイムスリップ! 1979年に映画化され大ヒットした名作が、読みやすい新装版で登場!
感想・レビュー・書評
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「新世界より」で1000年後に行き、なぜか「戦国自衛隊」で過去にも行ってみたくなった。
遥か昔の角川映画の印象が強く、かと言って内容はほとんど残っておらず。
最近はタイムリープなんて言葉を耳にしますが、こちらはタイムスリップのお話しでした。
あー、ここまで歴史の事だったっけかなぁ。答え合わせは間違いだらけ。薬師丸ひろ子が強烈だったんだけど、あれ?誰役だったのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画よりはるかにスケールの大きい物語だった。車両も戦闘も歴史の流れも。
戦国時代にタイムスリップした自衛隊。隊員の一人は「我々は時という巨大な力から、すでに時代への介入を許されてしまった。しかし時間はこの自然界の何者にもまして、強い復元力を持っているのではないか」と上官の伊庭三尉に言う。この「復元力」によって、伊庭たちはこの時代の「生」を生きることになったのだ。
タイムスリップしたのも、人数は30人、船1、ヘリコプター1、装甲車1 とこれらは同じだが、トラック20台(ある場面では17)とあった。映画だとトラックも1台くらいしか見当たらなかった。
タイムスリップしたところが、自分達の知っている歴史とは微妙に違っていることを、最初の影虎との出会いで伊庭たちは知る。足利幕府は崩壊寸前で戦乱の世なのだが、影虎は織田信長の存在を知らず、桶狭間で信長に殺される今川義元は病死していた。東海の松平家・徳川家も存在していない。
そこからが半村良の大風呂敷の歴史物語となり、この「微妙に違う世界」にスリップした伊庭たち自身が、この世界での人物になってゆくのだ。最初の場面での「時間の復元力」だ。影虎に信義を感じた伊庭たちは、影虎の戦闘を助け遂には、なつかしの東京~江戸をめざし、越後から江戸までを「平定」、楽市楽座を行い大いに町は賑わう。越後の影虎も経済で潤う世の中に満足し、天下は伊庭殿にまかせ、自分は越後の領分を守る、と後の歴史に少しずつすり寄っていくのだ。そして影虎の進めで伊庭は「城」を持つ。その城の場所は・・おお、これは・・ 歴史は微妙に違う形で、見知った事件、見知った人物が配置されることになり、死ぬものは死ぬ。
最後は半村良の歴史観が出ているのか、天皇に対しては、武士に職階を贈ることで自らを保全してきた。決して自らの意志では事態収拾に動かない、ひたすら保身に生きる神のごとき存在、という言葉を使っている。そして微妙に違った世界で、将軍宣下を受けたがらない強者を、人を使って排除した、これを「時間の復元力」として描いている。
映画は越後の中だけで終わってしまっているので、原作の地理的、歴史的なダイナミックな展開がなかったのだ。一番おもしろいと思う、歴史のずれ、も映画ではあまり描かれなかったので、映画はおもしろみが半減していた。戦闘場面も本の方が大規模。
初出:SFマガジン1971年9・10月号
1979.10.30初版 図書館 -
有名どころ……?聞き覚えのあるタイトルと、当時映画化された作品の原案本だとのことから手に取った一冊。
当たり前だけど……感想を一言で表すと、「SFだ(笑)」となる。
1970年代の刊行であることを考えると、かなり“斬新”な設定だったのだろう。歴史の解釈も十分生かされつつの落としどころにもきちんと納得がいき、楽しく読めた。
★3つ、7ポイント。
2006年頃の読了。
2014.08.06.書。
映画「戦国自衛隊1549」と、同じく映画「戦国自衛隊」(1979年作品)を観比べたのを機に、思い出してレビュー。 -
久しぶりに読み返してみた。シンプルな描写でストーリー展開も面白く楽しめた。
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戦国時代にタイムスリップした自衛隊の物語。近代兵器だけでなく、歴史や現代の知識も、過去では大きな”力”になるのがわかる作品で、その無双っぷりがおもしろい!
九州大学
ニックネーム:Seasons -
やたらめったら面白い。インタレスティングじゃなくてファニーの方。笑い転げながら読んだ。
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タイトルのとおり自衛隊が戦国時代で無双する物語。
タイムスリップものにある時代が変わる/変えるには深く触れず、自身の気持ちに直向きな印象を受けました。
著者プロフィール
半村良の作品





