マルゴォの杯 (角川文庫 緑 376-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041376027

感想・レビュー・書評

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  • 久方ぶりの再々読。

    赤江さんは好きな作家の一人だが、
    それでいてストレートに「好き」とは言いかねる、
    微妙な対象である。
    実は、さほど耽美・幻想的な作風とは受け止めていず、
    独特のモッサリした感じが妙味と思っている。
    執筆時期によって差はあるにしても、
    脚本家出身のせいか、
    キャラクター(特に女性)のセリフ回しが
    大仰になりがちだったというのが一つの特徴かと。
    一人称で綴られた作品は
    比較的スッキリしていて読みやすいが、
    三人称複数視点の場合は、
    何とも言えない「とっ散らかり」感がある。
    それが個性であり、味わいなのだろうけれども。

    今回読み返してみて、昔はあまり印象に残らなかった
    「緋(あけ)の蘰(かずら)を額(ぬか)につけ」を
    面白いと思った。
    年を取っても変わらない面は多いが、小説の好みには
    多少の変化が生じているのかもしれない(苦笑)。

    「マルゴォの杯」
     幼少期から反りが合わず、
     互いに憎しみを抱いてきた姉妹。
     中年になって和解するかと思いきや……。

    「千夜恋草」
     高校の修学旅行で訪れた京都での自由行動中、
     奇怪な目に遭った男の話。
     後に教師となった彼は
     京都訪問の度に手掛かりを掴もうとしたが……。

    「緋の蘰を額につけ」
     考古学者の夫が
     盗掘品を持ち帰って秘匿していたらしい。
     夫はその後、発掘現場付近から転落死。
     妻は小学生の息子を連れて
     その場所を訪れたが……。

    「刺青の海で夏」
     真昼の風物を夜の闇の中に幻視する青年と少年。
     その間に女が割って入ったとき……。

    「春恨紀」
     高校生のときに変調を来たし、
     以後長らく病院暮らしを送って亡くなった男が
     残した手記。
     姉への複雑な想いと犯罪への奇妙な憧れ。

  • こだわり過ぎか。

  • ¥300
    「さぁ、浚子さん、グラスをあげて。再会を祝し、まず乾杯といきましょうよ」シャンデリヤに煌くボルドォの一九四五年マルゴォ酒は氷のように冷たく、真っ赤な血の色をしている。溪谷の奥深く、すでに手離すことに決められた山荘を舞台に、現在は没落した老舗の商家に育った姉妹が織りなす心理の葛藤。愛と憎しみが光と翳のようにまつわり、絡みあい、ひめやかにそして熾烈に「あの日」を再現しようとする。そして思いもかけない結末が……。鬼才赤江瀑が妖しく、瀟洒に描く表題作他四篇を収録。
    マルゴォの杯・千夜恋草・緋の蘰を額につけ・刺青の海で夏・春恨記

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