花酔い (角川文庫)

  • 角川書店
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  • / ISBN・EAN: 9784041376096

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  • 一人の正妻の子、母親の異なる三人の愛人の子。
    京都に暮らす歳の近い男女四人の異母兄弟の織り成す複雑な感情。

    『仲良し』と綺麗事でいた四人の心の中に誰かに偏る感情が芽生えた時に少しずつ狂い出す様が京言葉や京都の風情と相俟って静謐な狂気としてじわじわと来ました。

    青々とした竹林、猛毒の美しい花ジギタリスの群生と鮮やかな色を伴う進み方はやはり作者ならではの美しさ。
    読みつつ何度うっとりとしたことか。

  • 360
    京都郊外の修学院離宮つづき山のふもとに住む驍彦は教育大学の体育教官、古城町の靖二郎は配膳師。高台寺の料亭「一蝶」の女主人醍子、木屋町のクラブ「シャガ」のママ東子。四人は何かあると一緒に行動する仲好しだが、それぞれが母を異にするきょうだいである。醍子の悪相の印鑑を日本印章大社へお払いに行った帰り道、深草僧坊山の行者道の竹林に死体を見つける。その日以来、四人の生活に不可解な出来ごとが次々と起こる。賑やかに咲き乱れるジギタリスに、花酔いしたかのように乱れる四人の微妙な関係が、京の四季の中で、愛の輪舞となって揺れうごく。京都を描く、赤江瀑の新境地。

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著者プロフィール

1933年下関生。日本大学芸術学部中退。70年「ニジンスキーの手」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。74年『オイディプスの刃』で角川小説賞、84年『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞。2012年没。

「2019年 『オイディプスの刃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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