ねこに未来はない (角川文庫)

  • KADOKAWA (1975年10月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784041409022

作品紹介・あらすじ

かわいいねこたちが、ある日突然、姿を消した! きびしい現実のなかで未来を奪われたねこたちに寄せた、さわやかなユーモアとあふれるウィット。話題をよんだ物語エッセイ。

みんなの感想まとめ

愛する猫たちとの日常を描いたこのエッセイは、著者の新婚生活を背景に、猫に対する愛情がどのように芽生えていくのかをユーモラスに綴っています。元々猫が苦手だった著者が、愛する妻の影響で猫との生活に魅了され...

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった!
    長田弘さんの詩は大好きで、よく読んでいます。
    が、そんな長田さんがエッセイ書いているとは
    知らなかった
    なんとも微笑ましい猫ちゃん物語
    かつては猫が好きではなかったのに
    奥様の影響で猫ちゃんのない生活が
    耐えられなくなるまでに
    その奥様との
    デートの様子や愛おしいと思う気持ちが
    溢れ出ている様子は
    なんともほんわかと微笑ましい
    さすがに詩人だけあって
    文章は本当に素敵でした!

    「それを貼りつけたのは、日曜のあさ、まだ重たい町のまぶたがかすかにふるえながらおしあげられようとし、うつぶせてねむっていた家々の影を、
    太陽の暖かい指さきが、ひんやりした夜の感触を
    のこしている平たい通りのうえからようやく揺りおこそうとしている、そんな時間でした」

    表現がすべてこんな感じで
    この世界にふわふわと浮いている
    気持ちになりました

  • 後でエッセイだと知り驚いたくらい、
    物語っぽい雰囲気を醸し出している。
    今まで出会っては別れてきた猫たち。
    今ほどペットに対して過保護な感じじゃない
    程よい距離を保った付き合い方だ。

    「いなくなったら、また次のねこを飼やいいんだよ。新しいねこをかわいがってやればさ、それがきっといなくなったねこをなぐさめることにもなるんだよ。」
    というベッシーおばさんの言葉が、
    ペットロス(猫じゃないけど…)の心に刺さる。

  • 猫が苦手だった詩人の長田氏が新婚生活に入ると、愛する妻は一言「なによりもまず猫をかいましょうね」!そして新たなワンダーランドが彼の前に広がり…。昭和の時代の猫をめぐる悲喜こもごものストーリー(時にかなり切ない…)が、長田氏のユーモアに包まれて、語られた軽妙なエッセイ。長新太さんのとぼけた味のある挿絵もぴったり。個人的には、ラストの章の“わが友マーマレード・ジム”が気に入り、そのアラン・シリトーの「マーマレード・ジムの冒険」を是非読んでみたい!!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「マーマレード・ジムの冒険」を是非読んでみたい!! 」
      正しくは「マーマレード・ジムのぼうけん」で、猫好きの児童文学者、故・上野瞭が訳し...
      「「マーマレード・ジムの冒険」を是非読んでみたい!! 」
      正しくは「マーマレード・ジムのぼうけん」で、猫好きの児童文学者、故・上野瞭が訳しています。
      2014/04/30
  • これまでに読んだ猫に関する文章でもっとも美しい。表題作が飛び抜けて良い。市井の猫好きは自分の退屈なコメントではなくこの本を周りに薦めたらいいのに。

  • 角田光代さんが『結婚とはこんなものだと思う』と、昔結婚する友人に送ってたというエピソード(確か)から、気になって読んだ。
    詩人らしい言い回しや表現がいっぱい。心地いい文体。
    エッセイらしいけど、小説っぽい。
    ご本人もだけど、奥様も気になった。ユーモアとセンスに溢れてて素敵な人柄だったんだろうなーーと、どんな方か気になり過ぎて検索までしたけれど一般人の方みたいですね。
    猫好きは共感できるポイント多そう。
    猫アレルギーだけど面白かった。

  • この本には、結婚の本質について書かれているという書評を読みまして。。昭和50年に書かれた若い夫婦と猫たちの話。すっっごくよかった。題名含め少しマニアックかもしれないと思ったけど、すっごくよかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「題名含め少しマニアックかもしれない」
      猫好きのためのバイブルの1冊です。。。
      「題名含め少しマニアックかもしれない」
      猫好きのためのバイブルの1冊です。。。
      2014/04/22
  • 猫好きの私には たまらない一冊でした
    図書館から借りた その本は ずいぶん 
    古いもので 初版の昭和50年のものでした
    薄茶に変色した本も風情があっていいものでした

    猫嫌いだった人が 猫好きの彼女と結婚をして
    猫を飼い始める・・・。なんとなく ほんわかした感じ
    猫を分けてくれる  ベッシーおばさんも雰囲気があっていいわぁ~
    猫をどうしても欲しくなった時に
    「かわいい仔ねこをください、きっとかわいがります」
    そんな 張り紙ってかわいいなぁ~

    一匹の猫の話をずっとではなく 
    何匹かの猫との出逢いと別れ・・・。

    作者の表現がとても優しく 心が暖まる感じがしました
    比喩の感じが好きでした

    あとがきの なだいなださんの解釈
    「ねこに未来がない」それは 人間に当てはまる
    読み方、受け取り方によっては 全然違う解釈の本になるのかな

    図書館から借りて サッと読んでしまったので
    今度 本屋さんへ行った時に 購入して またゆっくり読みたい 

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「購入して またゆっくり読みたい」
      猫好きは、必ず一家に一冊。そして読んでいない人に出会ったら、惜しげもなく進呈するコト。。。
      「購入して またゆっくり読みたい」
      猫好きは、必ず一家に一冊。そして読んでいない人に出会ったら、惜しげもなく進呈するコト。。。
      2014/04/30
  • ねこちゃんエッセイ三篇。
    最近は猫ブームらしい。
    猫ブームなんて猫の飼い主はずっと前からそうだったから、何を今更と思う。
    本屋さんでも猫に関する書籍コーナーがあったりで、ちょっと可笑しい。
    この本はその猫コーナーにあったわけではなく、ぶらぶら棚を見ていて見つけた。
    タイトルにズバリ猫と入っているのにコーナー入りさせてもらえなかった本に、へそ曲がりなわたしの触手はのびる。

    猫好きではない著者長田さんが奥様と結婚されて、まずは猫を飼いましょうと言われ否応なく猫との生活をはじめたことからはじまるねこちゃんエッセイ。
    我が家の夫と同じだ。
    我が家は既に愛猫がいて、一緒に暮らして当然といった形ではあるけれど、夫は猫を好きでも嫌いでもなく、わたしと結婚しなければ猫を飼おうなど思いもしなかったと言う。

    長田さん夫婦は猫を飼っても飼ってもいなくなるらしい。
    いなくなるとは失踪したり亡くなったりだけれど、亡くなるのは生き物のさだめなので仕方ないけれど、失踪は駄目だろう。一度はあっても次からは気をつけたらいいのに、飼い方が悪いだろう、と猫好きのわたしとしては厳しめの感情を抱く。
    我が家の先住愛猫も一度だけ逃亡したことがあったけれど、とにかく始めが肝腎。猫はテリトリーがそんなに広くないので(室内飼いなのでそもそも外はテリトリー外)、逃亡したら直ちに確保が原則。
    まさに猫撫で声で好物片手に呼ぶ、呼ぶ、呼ぶ。
    猫撫で声が良かったのか好物が良かったのか、じきに潜んでいた物陰からにゃにゃにゃにゃと出てきて、開けておいた玄関から入っていった。
    はじめての外出で何やら興奮していたが、多分とても怖かったらしく以後暫く玄関にさえ寄り付かなかった。
    初動捜査が悪いときっと見つからないのだ。経験者は語る。

    ねこに未来はない
    この聞き捨てならないタイトルは、猫の未来はない、お先真っ暗だよということではない。
    猫は額が狭い→前頭葉が小さい→未来という概念がない→未来がない、とこういうことらしい。
    良かった。安心した。
    とんでもない自論を展開してくるのかとヒヤヒヤした。

    猫好きでもない著者も猫と暮らして猫好きになったらしい。
    我が夫も先住愛猫のことは可愛がっていた。ただ、その後我が家に迎え入れた現愛猫がなかなかやんちゃで、何故か夫をよく噛む。それがイヤらしく(普通イヤだと思う)、猫に少々怯えている。夫をよく噛むけれど、夫に一番甘えているのに、恐怖心でそれがよくわからないらしい。とても残念だ。

    解説に、長田さんはおっかないとあったが、この本を読む限り猫愛に満ちた愛すべき人物に思える。
    猫はおっかないひとの心もほぐしてしまう魔法の生き物に違いない。

    この本の感想と言いつつ、自分語りをしてしまったけれど、猫好きなら猫エピソードのひとつやふたつや三つや四つ持っているものだ。
    今でも先住愛猫の誕生日と命日には欠かさず好物の缶詰を供えるし、現愛猫の誕生日(捨て猫なので推測して勝手に決めた日)と愛犬の誕生日には祝っている。愛猫も愛犬も、なんか知らんけれど今日はご飯が豪勢だくらいにしか感じていないだろうけれど。

    猫も犬も人間にとっては大切な仲間です。
    飼う前には、自分はきちんと世話が出来るのかよく考えましょう。
    飼ったなら、責任を持って最期まで世話をしましょう。

  • ねこ飼いたい熱がまたしても上がってしまいました。ああー可愛いーー!

  • 猫って天寿を全うできないんだな。

  • 角田光代さんがおすすめしていたので、読んでみた。
    長田弘さんの本はほとんど読んでいると思っていたので、不覚!
    とか思って。

    長田弘さんも、その長田弘さんが好きになって一緒になることになった奥さんも、生きることがどういうことか知っているという感じがした。
    楽しむ「ふり」や、悲しむ「ふり」や、
    生活の中に「ふり」を持ち込むことを、自分でも気づかないうちにしてしまうことがある。
    なんだかそれは、誰かに自分の生活を観られているような、
    その人に対して自分の生活を演じているような、
    そんな妙な気分。
    決して気持ちのいいものではなくて、どこかいつも不安げな様子に自分がなってしまう。

    そんなことを思い煩っていた私にとって、
    長田さんとその奥さんのねこと暮らす楽しみと悲しみをそのまま受け入れている姿が、なんだかすごく「よいなあ」と思われた。

    ねこが欲しくて「ねこをください」という張り紙を出すところとか、
    この人たちのやり方で、それがとっても「らしく」って、
    「いいなあ」と思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「不覚!」
      今の文庫には、載っていなかったと思いますが、古い本には著者が撮った猫の写真が1点載っています。
      「不覚!」
      今の文庫には、載っていなかったと思いますが、古い本には著者が撮った猫の写真が1点載っています。
      2014/04/22
  • 詩人、長田弘の愛猫記。回想エッセイ風だが、しいて分類すればやはり小説だろうか。猫嫌いではないまでも、まるで猫には無関心だった詩人が、恋した人が猫好きだったために、いつの間にか自分も、といった物語。彼ら夫婦のあまり豊かではなかった新婚時代のチイに始まり、その後も2代目チイ、クマ、ジジと4匹の猫との暮らし、そして喪失が語られる。猫を飼うということは「ねこがいなくなる覚悟を」と、なにやら悲壮な決意だが、彼らくらい次々に飼い猫を失えば『ねこに未来はない』のも無理はない。詩人らしい細やかな愛情に溢れた物語だった。

  • 詩人の長田弘が猫について語ったエッセイのような物語のような不思議な味わいの文章だ。
    ひどく詩的で抽象的で残酷さも感じる文章は夢見がちな青年の印象を受けたので、本人がとても怖い人である、という巻末のなだいなだの解説にえっ、そうなの、とぎょっとしてしまった。
    作中に出てくる「マーマレード・ジムの冒険」面白そうで読んでみたいな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「マーマレード・ジムの冒険」
      正しくは「マーマレード・ジムのぼうけん」で訳は猫好きで有名な上野瞭。もう流通していませんので、図書館で借りて...
      「マーマレード・ジムの冒険」
      正しくは「マーマレード・ジムのぼうけん」で訳は猫好きで有名な上野瞭。もう流通していませんので、図書館で借りてください!
      2014/04/22
  • 詩人の長田弘さんの猫についてのエッセイ。
    家の内外を行き来しながら飼われている、そんな猫達との出会いと別れについて書かれている。

    だいぶ前に書かれた本なので、猫を飼うときに室内飼いという概念が全く無いのにちょっと驚いた。
    猫に未来は無いというタイトルは、猫のお先は真っ暗という意味ではなくて、
    猫の脳には未来を考える部分が無いという意味。

    猫達は先のことを、あれこれ考えることはできないけれど、今を精一杯生きている。
    猫達は治療が苦しみを長引かせるだけかもなんて、将来のことを考えたりしないのです。
    だから闘病している猫の飼い主さん達も、今、自分にできる精一杯を猫達にしてあげればイイと思うのです。

  • なだいなだの解説もいい!

  • ☆3.6
    あんまり期待しないで借りたけど、意外と面白かったな。

  • ねこちゃんを愛するかわいい奥さんと私の話。

  • 自分は猫アレルギーだけど、自分の好きな人には猫贔屓の人が多い。内田百閒、アラーキー、中島らも、大槻ケンヂ。ってことで読んでみた。
    犬と人間の絆となると少々暑苦しくてお涙頂戴になってしまうけど、この作中の猫の存在感はちょうどいい。どの猫も呆気なくいなくなってしまったり、壮絶に死んでしまうんだけど。
    いずれにしろ、かなり好きな雰囲気の本。詩人が書くエッセイ。児童向け。
    猫好きの人にプレゼントしようっと。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「自分は猫アレルギーだけど」
      、、、切ないなぁ~
      「自分は猫アレルギーだけど」
      、、、切ないなぁ~
      2014/04/28
  • 去年、中川しょうこがラジオでお勧めしていた一冊。可愛い猫との暮らし、の話ではありません。ある日突然何が猫の身にふりかかるかわからない、そのすべてを受け止めてやる覚悟があなたにありますか。そう問われているような話。私は猫を飼った事がなく、時たま拾ったけれど飼わないかと声をかけられるけれども、果たして今、私はこの猫を幸せにしてやれるだろうか、突然訪れる出来事と向き合えるかといえば自信がない。でもいつか、と思って、その運命の日を楽しみに待っています。好きな本。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「その運命の日を楽しみに待っています。」
      準備が出来た時に、飛びっきり可愛い仔猫が遣って来そうですね。。。羨ましい~
      初めて読んだ長田弘の本...
      「その運命の日を楽しみに待っています。」
      準備が出来た時に、飛びっきり可愛い仔猫が遣って来そうですね。。。羨ましい~
      初めて読んだ長田弘の本です、それから詩とエッセイは欠かさず読んでいます。。。
      2013/04/10
  • 「かわいい仔ねこください、きっとかわいがります」の張り紙をしたぼくとぼくの奥さんの前に、ベッシー・スミスみたいに悲しげに太った、しかし陽気な声のおばさんが洗面器の中に親指と人指し指の間にすっぽり収まる程の小さい仔猫を入れて現れた。チイはやがて子供を産みクマを命名されるもののある日2匹は忽然と姿を消してしまう。またおばさんは仔猫を連れてくる。「しまいわすれた風鈴が忘れられた死刑囚のように吊られて鳴っている九月」のような素敵な言い回しが散見出来る猫物語。『ねこ踏んじゃった』、『わが友マーマレード・ジム』併録。

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著者プロフィール

福島県出身。詩人、児童文学作家、文芸評論家、翻訳家、随筆家。1960年、安保闘争で社会が大きく揺れている最中、早稲田大学の学生の時に「詩は書かれざる哲学を書くこと」と詩作を始める。1965年に詩集『われら新鮮な旅人』でデビューし、その後、『深呼吸の必要』(1984年)、『世界は一冊の本』(1994年)などで読者層を広げ、詩人として第一線で活躍し続けた。世界各地を旅して見聞を広め、人間の根源的な生き方について思索を深めた。その一方で、NHKの『視点論点』への出演や随筆集の執筆など、評論の分野でも活躍し、ほかにも『たべもの新世紀』『クローズアップ現代 2004年を読む アメリカ 超大国の不安』などに出演した。

「2026年 『世界はうつくしいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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