おれがあいつであいつがおれで (角川文庫 や 6-2)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 199
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041417034

作品紹介・あらすじ

斉藤一夫は小学六年生。ある日クラスに斉藤一美という転校生がやってきた。なんと彼女は幼稚園で一緒だった、ちょっとやっかいな女の子。みんなの前で秘密をばらされたり、ちょっかい出されたりで弱った一夫は、ちょっと脅かしてやろうと「身代わり地蔵」の前で一美に体当たり。ところが二人ともでんぐりがえって気を失ってしまった。気がつくと、二人の体は完全に入れ替わっていた。

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃に初めて読んだ。
    少しエッチな場面にドキドキしたりしながら読んだ事を覚えている。

    この本が書かれた当時は、男女の区別が今よりもハッキリしていたのだろうなと思う。
    女の子なら母親の家事を手伝うもの、とか、
    話し言葉が男っぽいと怒られたりとか。

    それに比べて、男の子が女の子ぽい事に対しては、
    今のあまり変わらない気もする。
    ある程度は許容されているんだろうけど、
    イジメの対象になりやすいという点は、あまり変わらないんじゃないかなぁ。

    小学6年生で、思春期の始まりのような微妙な時期。
    恋愛感情が芽生え始める時期。
    大人と子供に狭間のような時期。

    女の子の方が少し大人で、
    男の子の方がまだ少し子供で、
    そういう子供たちがうまく描かれていたと思う。

    今の男女差があまり顕著じゃなくなった時代には、
    少し合わない部分もあるけれど、
    男と女の中身が入れ替わるというストーリーは、
    今でも、ハラハラドキドキし、楽しく読めると思った。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ドキドキしたりしながら読んだ」
      ワカル~
      今の表紙と違うイラストで、シンプルだけどHな感じだったなぁ~
      「ドキドキしたりしながら読んだ」
      ワカル~
      今の表紙と違うイラストで、シンプルだけどHな感じだったなぁ~
      2013/01/11
  • 児童文学っぽい感じでありながらも、男と女のジェンダーをメインに取り扱っていて、軽く読めるのに考えさせられる本です! 元の自分の性別の時には許されていた振る舞いが、入れ替わってしまった後の性別ではそぐわないとされ批判の対象になってしまうということが「男らしさ、女らしさ」とは何かという問いを投げかけてきます。 一夫と一美が慣れない相手の身体に苦労しながらも、相手を思いやる様にはじーんとくるものがありました!

  • 男女逆転、入れ替わりの話は今となっては定番だけれど、当時としてかなり珍しかったのではないだろうか…。
    70年代後半からの80年代…。
    どうなんだろ。

    男の子、斉藤一夫と、女の子、斉藤一美。
    なんと名前も一文字違いの二人が、身代わり地蔵の前でぶつかって入れ替わる…。

    一夫の言葉遣いが乱暴で時代を感じる。

  • 観たら読む、冷めないうちに。

    大林宣彦監督による82年「尾道転校生」と07年「長野転校生」を数ヶ月遅れで鑑賞する機会を得、その前後の間に手に入れていた本書にようやく手を伸ばす形となった。文庫本のジャケットは07年版が公開された時期のものらしく、あぐらをかいた蓮佛美沙子となよっと膝を崩した森田直幸が。とはいえこれを手にした際には彼ら二人のことはちぃーとも知らず、「んー、やっぱ小林聡美と尾美としのりじゃないと。」と固く信じて疑わなかった。それがなかなかどうして、07年版を観てしまったあとには若干揺らいでいるといったのが正直なところ。

    自分にとっては82→07→原作の順で楽しめたことは正解だったのではないかと思える。時代背景がそれぞれに異なることに始まり、主人公二人のセッティングが微妙に入れ替えられていたり、同じ名前の脇役が違う役どころで登場してきたり、クライマックスにぜんぜん違う盛り上がりを用意してくれていたりと、それぞれに十分に楽しめるつくりになっている。「前観たからいいや。」では済まされないのだ。2つの映画作品に共通して感じられることは、原作の口調や台詞が形を変えつつもいろいろきちんと保存されている点。やはり大林監督は原作を大事にするひとなのだという結論にまたもやたどり着いた。


    そうそう、「はるか、ノスタルジィ」(1993) も山中恒による書き下ろしだったんだよね…とかなんとか思い出しながらカバー裏をみてたら…、おお!「あばれはっちゃく」も彼の作品ではないか!!

    なんだかんだと僕らは彼の作品に育てられてきたらしい。

  • 353

    2016年では133冊

  • 入れ替わり物語のはしりとも言える一冊。
    現実にはありえないけど、面白かった。
    中学生にすすめるにはいいかも。

  • 【あらすじ】
    ある日突然、おれがあいつであいつがおれになっちゃったら……!?

    斎藤一夫は小学六年生。
    ある日クラスに転校してきた斎藤一美という女の子は、幼稚園の幼なじみのやっかいな子。
    みんなの前で秘密をばらされたり、ちょっかい出されたりで弱った一夫は、ちょっと脅かしてやろうと「身代わり地蔵」の前で一美に体当たり。
    ところが二人ともでんぐりがえって気を失ってしまった。気がつくと、二人の体は完全に入れ替わっていた。

    映画「転校生」原作。旺文社・1982年刊の再刊。

  • 男と女が入れ替わる。そんなこと現実に起きたらすごいですね。とてもゆかいで面白い話でした。一つ言いたいことは、下品な言葉が他の本の何倍かあったことかな?想像の中の世界で思い切り楽しめました。

  • 男女入れ替わりモノの元祖ということで読んでみた。少年少女のキャラクターに昭和の限界は感じるけれども、テンポよく品よく児童小説の王道を行くストーリー展開だった。

  • とても面白かった。児童文学なのだが、児童を過ぎた年齢でも楽しめる。
    ことの始まりは、転入生の女の子が主人公の男の子にやたらと絡んできたこと。主人公と一緒に「こいつうざい」と思ってたが、身体が入れ替わってからは本当に大変。親は自分のことを親だと分かってくれない、怒鳴って怖い顔して家から追い出す。男の子と女の子の違いもある。誰も理解してくれない。相手を思いやる心を根底に描いた良作。筆者の他作品も読もう。

  • 読了2度目か。
    いまさらながら、映画「転校生」は、かなり原作に忠実だったと分かった。台詞はほぼ原作通り。もちろん、その台詞をどんなシーンで、どんな流れの中で使うかが大切。映画はしっかりはまっていたと思う。
    そもそも最初が映画なので、原作を読んでもストーリーをなぞるような感覚。あのラストシーンがあるので、どうしても映画への思い入れの方が強い。

  • 「あれ、神社の階段から転げ落ちるんじゃないんだ!?」
    ・・・と思ってしまいました。原作はちがうんですね^^;

    正直なところ、あまり物語には期待していなかったのですが
    意外に(失礼)おもしろい!

    読み進めていくうちに主人公の一夫がどんどん頼もしく成長していき、
    一美をなぐさめたり守ろうとしたりする姿はすごく微笑ましく感じました。

  • NHKのドラマ見た世代なので懐かしく涙が出た。
    今ではジェンダーなんてなくなってるけど(そうか?)、
    2,3世代前では男女の違いは人生の違いだった。
    そう思えばこの作品は昔の男女観が窺える記念碑的であるといえる。

  • 子供向けで詰まらないかと思って読んでいたが、面白い。子供だからこそ単純だし素直で、入れ替わった相手の長所を認める。可愛いなと思った。

  • これを読んだのは小学生のときでした。
    小学生ながらいろんな想像をしてしまったものです(笑)
    いろんな作品の元でもあるんですよね。

  • おもしろかった!

  •  転校してきた女の子一美は、主人公の一夫の幼なじみ。その二人がふとしたことで、体と心がいれかわってしまう。男が女になり、女が男になったときに世間がどう変わるかを考えただけでも面白いが、それが自分のよく知っている相手だとさらになにが生まれるのか。原作は1979年、今から30年も前の作品、作者はなんとあの『ボクラ小国民』の山中恒である。当時はまだ今のようにジェンダー論が盛んでなかったろうから、男と女の役割のようなものを、入れ替わった二人が感じることになるのだが、今だと、もっと違ったものになったかもしれない。その意味で、この作品をリメイクした映画『転校生』第二弾はちょっとレトロ調でもの足りない部分もあった。

  • 児童書ですが、かなり面白いっすw
    古い映画ですが「転校生」の原作です
    男女の精神(心?)が入れ替わる話ですw
    古典的な話かもしれないけどめっさ面白いw

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著者プロフィール

1931年北海道小樽市生まれ。児童読み物・ノンフィクション作家。戦時下を描いたノンフィクションに『ボクラ少国民』シリーズ(辺境社)、『少国民の名のもとに』(小学館)、『アジア・太平洋戦争史』(岩波書店)、『戦時児童文学論』『靖国の子』(大月書店)などがある。

「2019年 『山中恒と読む 修身教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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