赤と青の2冊を引っ張り出してきた。というのも、
つい先月「戦前日本モダンホラー傑作選 バビロンの吸血鬼」(創元推理文庫)を読みたいと思った。
が、それはあえて「新青年」誌以外から精選した21編、とのこと。
2021年の「『新青年』名作コレクション」(ちくま文庫)も我慢したくらいなので、まずは王道の「新青年」読み直しから始めなければと思ったので。
1970「新青年傑作選」全5巻(立風書房)がまずあって、
それと重複しないように、
1977「新青年傑作選Ⅰ 推理編Ⅰ 犯人よ、お前の名は?」 (角川文庫)
→2000「君らの魂を悪魔に売りつけよ 新青年傑作選」として改題復刊(赤)
1977「新青年傑作選Ⅱ 推理編Ⅱ モダン殺人倶楽部」 (角川文庫)
→2000「君らの狂気で死を孕ませよ 新青年傑作選」として改題復刊(青)←本書
また1977年のシリーズには、
「新青年傑作選Ⅲ 推理編Ⅲ 骨まで凍る殺人事件」
「新青年傑作選Ⅳ 怪奇編 ひとりで夜読むな」
「新青年傑作選Ⅴ ユーモア・幻想・冒険編 おお、痛快無比!!」
がある。
Ⅲ、Ⅴは調べ切れていないが、Ⅳは角川ホラー文庫に組み入れているみたい。
ともあれ2000年版角川文庫のサブタイトルが素敵。
■「死体昇天」角田喜久雄
なるほどそういう倒叙ものか。
■「精神分析」水上呂理
わっかりやすいフロイト俗流精神分析で推理。
むしろほのぼのしていて、それも味。
■「人間灰」海野十三
このトリックはなんとなく見覚えがあるかも。
もはやバカミススレスレだが、文体が面白いので引き込まれる。
にしても「人肉散華」ってすごいフレーズ。
■「睡り人形」木々高太郎★
これは人形愛好者ピグマリオニストには他人事ではない小説。
しかも割と寓話っぽく収めそうなところを、エグい現実突きつけてきやがる……くらっちまったぜ。
■「秘密」平林初之輔
なるほど密会というニュアンスかと思いきや、秘密の錯綜。
■「四次元の断面」甲賀三郎
こりゃ微妙。
SFっぽいタイトルだが、むしろ登場人物には見えない断面、ということか。
■「閉鎖を命ぜられた妖怪館」山本禾太郎
怪奇の雰囲気はいいが。
■「陰獣」江戸川乱歩★
再読のはずだがすっかり騙されて、断トツに面白かった。
タイトルがネタバレの「・・・・」を思い出すのは簡単だし、作中でも言及されているが、さらにひねってくる。
◇解説 中島河太郎